臨床・看護・歯科医療・リハビリ・スポーツ・東洋医学・福祉分野の複合的学科編成を誇る首都医校。このスケールメリットを生かし、「チーム医療」の時代に対応した実践教育を展開しています。 入学時からチーム医療教育への取り組みがスタート。 学科を超えた職種の相互理解を図る授業を通年開講し、学生が主体的に問題を発見し、答えを見出す「チーム医療概論・各論」を実施。 そして、「チーム医療症例演習」と、卒業まで一貫して他職種とのコミュニケーション、コラボレーションを実践する機会を設けています。
2016年度チーム医療症例演習 優勝チームと植田教授
様々な学科の学生がチームを組み、具体的な患者さんの症例を想定してその治療・ケアについて話し合い、発表する「チーム医療症例演習」。1年間の学びの集大成として、1年生120名の学生が6日間にわたって取り組みました。
課題患者さんの症例は、脳梗塞(こうそく)と診断された40歳代会社員男性。糖尿病の病歴、CTやMRIなどの検査結果、普段の生活習慣など、細かな設定が与えられます。それは、患者さんのバックグランドを知ることなしに医療はできないことに加え、「疾患ではなく人間をみる」という当然の前提があるからです。
グループワーク学生たちは、5人ずつのチームに分かれてグループワークを開始。それぞれの専門分野から意見を出し合い、議論する中で、文献を調べたり教官に相談したりしながら考えをまとめ、形にします。
発表(予選)チームごとに考案した具体的な治療・ケアの方法を、パワーポイントで発表。教官の採点による予選を勝ち抜いた6チームが、コクーンホールにて決勝のプレゼンテーションを行います。
発表(決勝)決勝の客席には参加学生、見学学生、教官と計300名以上が集結。決勝に進んだ各チームのプレゼンテーション後には、会場から鋭い質疑応答も。最終結果は、参加学生、見学学生、指導に当たった教官全員の投票によって決定します。
2016年度のチーム医療症例演習で優勝したのはD-1チーム。高度看護保健学科、理学療法学科(2名)、アスレティックトレーナー学科、鍼灸学科の5名のチームで、リサーチ力、洞察力、プレゼンテーション力、そして見事なチームワークが高く評価されました。
2位に選ばれたF-4チームは、救急救命学科、臨床工学学科、理学療法学科、作業療法学科、診療情報管理学科の5名。3位に選ばれたC-2チームは、救急救命学科、高度看護保健学科、理学療法学科(2名)、柔道整復学科の5名と、どのチームも他学科によるチーム編成。医療現場と同じく、他職種(学科)との連携を演習を通じてコミュニケーション力も学んでいきます。
チーム医療症例演習の最後には、医学博士であり医学ジャーナリストとしても活躍している植田教授が全体を総括、各チームの講評をいただきました。
入賞を逃したチームも含めて、自分の職種・他職種について、そしてチーム医療の重要性についての理解を大いに深めることができた貴重な6日間となりました。入学初年度から「チーム医療」の演習に取り組んだ経験は、今後の学び、そして将来医療現場で活躍する際に必ず大きな力となることでしょう。