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医学書院『精神看護』に、本学の須賀教官(看護分野)の論文が掲載されました

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本学の教官は研究の最前線でも活躍し、最新の知見を活かし教鞭をとっています。
このたび、高度看護学科教員の須賀郁子教官が『精神看護2023年3月号(医学書院)』において、論文を寄稿されました。

<寄稿論文>
アセスメントしない――ハウジングファーストとオープンダイアローグが看護に与えるインパクト
https://www.igaku-shoin.co.jp/journal/689



今回の論文を執筆するに至った経緯を伺えますか。

須賀先生 私は都立病院で勤めたあと、青年海外協力隊の看護師隊員としてエクアドルの農村地域で医療保健活動に携わり、その後、スイスの病院で看護師として働いてきました。しかし日本に帰省した際、国民皆保険制度があるにもかかわらず医療に結びつかない人がいることを知り、日本に戻ることを決意します。帰国後、池袋で実践されるホームレス支援活動に参加し、そこで出会う人々がなぜ医療に結びつかないのか解明するために横浜国立大学大学院に進み博士論文としてまとめました。

 今回書いた論考は、博士論文では書けなかった視点をまとめたものになります。医学書院の白石正明氏にご協力いただき、「アセスメントしない」というタイトルを生み出しました。「アセスメントする」ことを教える立場の私からすると、刺激的なタイトルだと感じましたが、かき消されてしまいがちなマイノリティ(何かしらの障壁があり受診できない少数派の人)の「声」をきくために、看護界に一石を投じたいと考え、執筆いたしました。


(研究分野に関する)現在の問題意識、今後の展望を伺えますか。

須賀先生 私の研究テーマは、異文化・多文化看護です。異なる価値観を認め合えるようになるダイバーシティ教育や、異質な存在を排除しようとするハラスメントについて興味を抱いています。この問題は、マイノリティ(少数派)だけの問題ではなく、マジョリティ(多数派)と呼ばれる人たちへの教育が課題となってきます。だからこそ、私は首都医校に魅力を感じているのです。

 本学では、ひとり1人の患者・利用者に合せた柔軟な対応ができる「思考力」「創造力」を養う、独自の「創造性開発」「自己開発」という授業を行ってなっています。他者支援のエキスパートとして多角的な視点で真に価値ある知識を修得し、それを創意工夫しながら活用することができる「自立した人格」を育てます。まじめに医療人になりたいと考える人であれば、入学のチャンスがある学校です。本学には全国から多様な背景の人が集まります。教員も多様で魅力的な人が多いです。だからこそダイバーシティを体感でき、多様な価値観を受けいれられる医療人に育っていくのです。今後は、本学の実践そのものを探求することが、異文化・多文化看護を深めることにつながると考えています。


看護を志す方への応援メッセージ

須賀先生 看護とは、患者さんやご家族との共同作業のなかで創造されていくものです。その方が生きてきた人生観を探求する必要があり、私たち看護師自身のことも深く追及する姿勢が求められます。他者の喜びや悲しみなどの感情を受け止めながら、その人が生きる道、進みたいと考える道を共に考え、支援することができる素晴らしい職業です。

 一緒に看護について学んでいきましょう。


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