この記事でわかること3点まとめ
- リハビリテーションの中心的な目的は、身体機能や生活能力を回復させ、社会復帰をサポートすること
- リハビリテーションに関わる仕事は数多くあり、それぞれ仕事内容や対象者が異なる
- リハビリテーションに携わると、人の回復を間近で支えられたり、感謝される場面が多かったりする
リハビリテーションには理学療法士や作業療法士をはじめとする多くの専門職が関わっており、ケガや病気からの回復を支える重要な役割を担っています。高齢化の進行や医療・福祉への関心の高まりにより、リハビリの仕事は今後ますます社会的なニーズが高まる分野といえるでしょう。
「人の役に立つ仕事がしたい」「医療・福祉分野で活躍したい」と考えている方にとって、リハビリテーションの仕事は非常に魅力的な選択肢の一つです。
本記事では、リハビリに関わる代表的な8つの職種について、仕事内容や活躍の場、必要な資格などをわかりやすく紹介します。それぞれの職種の特徴を知ることで、自分に合った進路を見つけるヒントになるはずです。
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リハビリテーションに関わる仕事とは

リハビリテーションとは、病気やけが、障がいなどによって日常生活に支障をきたした方が、できるだけ自立した生活を送れるように支援する取り組みです。身体的な機能回復だけでなく、心理的・社会的な側面にも配慮しながら、本人らしい生活の再構築を目指します。
この分野には、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門職がチームとなって関わり、医療・福祉・教育・スポーツなどさまざまな現場で活躍しています。
病気やけがからの社会復帰の手助け
リハビリテーションの中心的な目的は、病気やけがなどで失われた身体機能や生活能力を回復させ、社会復帰をサポートすることです。リハビリを必要とする主なケースには、以下のような症状があります。
- 脳卒中などによる麻痺や言語障害
- 骨折や手術後の筋力低下・可動域制限
- 高齢による筋力低下や日常動作の困難
- 発達障害や知的障害による生活スキルの遅れ
リハビリテーションでは、専門職がそれぞれの状態や生活背景を評価したうえで、最適な訓練内容や支援計画を立てていきます。リハビリの成果が日常生活の質を大きく左右するため、きめ細かな対応が求められる仕事です。
健康維持やけがの予防
リハビリテーションは「治療」の側面だけでなく、健康な状態を維持し、将来的なけがや病気を予防する「予防医療」の一環としても重要性が高まっています。
以下のように、分野ごとに目的と支援内容が異なります。
分野 | 目的 | 内容 |
---|---|---|
介護予防 | 高齢者が要介護状態になるのを防ぐ | ・筋力トレーニング ・バランス訓練の継続的な実施 |
スポーツ | アスリートがけがを防ぎながら、良好なパフォーマンスを維持・向上できるようにする | ・競技特性に応じた身体機能の向上 ・けが予防・再発防止 |
例えば、介護予防では、身体機能の維持や運動習慣の定着によって、要介護状態になるリスクを軽減します。スポーツリハビリでは、選手のパフォーマンスを支えるだけでなく、けがの再発防止や復帰後のケアも行います。
このように、リハビリの仕事は「回復支援」にとどまらず、「予防」や「健康づくり」にも広く貢献しており、現代社会に欠かせない存在となっています。
リハビリテーション関係の仕事一覧

リハビリの現場では、さまざまな専門職がチームとなって患者の回復を支えています。身体機能の改善から精神的ケアまで、幅広い分野で活躍する代表的な8つの職種を紹介します。
理学療法士(PT)
理学療法士は、歩行や立ち上がりといった基本的な動作の回復をサポートするリハビリの専門職です。
運動療法や物理療法を使って、脳卒中や骨折などで障がいを負った方が再び自立した生活を送れるよう支援します。
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作業療法士(OT)
作業療法士は、食事や入浴、仕事や趣味など、日常生活全般を支援する専門職です。
身体だけでなく、精神や認知の課題にも対応し、生活の質向上と社会参加を目指した支援を行います。
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言語聴覚士(ST)
言語聴覚士は、話す・聞く・食べるといった機能の回復を支援します。
失語症や聴覚障がい、発達障がい、嚥下障がいなどに対応し、病院や支援施設など幅広い場で活躍しています。
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視能訓練士
視能訓練士は、視力や視野など、目の機能に関する検査・訓練を専門とする職種です。
眼科領域で医師と連携しながら、視覚機能の回復や日常生活のサポートに取り組みます。近年はロービジョンケアや病気の早期発見にも関わっています。
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柔道整復師
柔道整復師は、骨折・捻挫・脱臼などの外傷に対し、手技を中心とした施術で回復を促す専門職です。
薬や手術に頼らず、自然治癒力を引き出す治療が特徴で、接骨院などでの勤務が主です。
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鍼灸師(はり師)
鍼灸師は、ツボへの刺激で自然治癒力を高める東洋医学の専門職です。
肩こりや不眠、ストレスなどの不調に対応するほか、リハビリ効果を補完する役割も担います。近年は美容・スポーツ領域でも注目されています。
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スポーツトレーナー
スポーツトレーナーは、選手の体づくりやけが予防を支援する専門職です。
トレーニング指導、栄養管理、リハビリ支援などを通じて、アスリートのパフォーマンス向上に貢献します。近年は一般の健康支援にも活躍の場が広がっています。
スポーツトレーナーになるには専門学校がおすすめ?学費・進路・選び方を解説
アスレティックトレーナー
アスレティックトレーナーは、スポーツ医学の専門知識を活かし、選手のコンディション管理や応急処置、競技復帰支援などを行う職種です。
医療機関やプロチームと連携し、スポーツ現場の安全とパフォーマンスを支えます。
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リハビリテーション関係の仕事のやりがい

リハビリの仕事には、患者の回復を支えるやりがいや、人との関わりの中で得られる喜びがあります。ここでは、主な3つのやりがいを紹介します。
人の回復を間近で支えられる
リハビリの現場では、歩行や会話など、患者の機能が少しずつ回復していく様子を間近で見ることができます。
「できなかったことができるようになった」瞬間に立ち会えるのは、この仕事ならではの大きな魅力です。
感謝される場面が多い
患者と継続的に関わる中で、信頼関係が生まれ、「ありがとう」「社会復帰できたよ」といった感謝の言葉をもらう場面も多くあります。
自分の関わりが誰かの人生を前向きに変えていることを実感できます。
チーム医療の一員として働ける
リハビリは、医師・看護師・社会福祉士・栄養士など、他職種との連携が欠かせません。
自分の専門性を活かしながら、チームで患者を支えるなかで、新しい知識や視点を得ることができ、スキルアップにもつながります。
リハビリテーション関係の仕事に向いている人の特徴

リハビリの仕事に向いている人には、いくつかの共通点があります。自分に合っているかを、次の3つの視点からチェックしてみましょう。
人と接するのが好き
リハビリの現場では、患者やご家族との関わりが欠かせません。不安やストレスを抱える相手の気持ちに寄り添いながら支援するため、共感力やコミュニケーション力が求められます。
また、医師や看護師など多職種との連携も多いため、チームワークを大切にできる方に向いています。
コツコツと努力できる
リハビリの成果は、すぐには見えないことも多く、長期的なサポートが必要です。患者が前向きになれない時期でも、地道に支え続ける粘り強さが求められます。
小さな進歩を積み重ねることを大切にできる方に向いている仕事です。
身体を動かすことが苦にならない
リハビリの仕事では、動作をサポートしたり、手本を見せたりといった身体を使う業務が日常的にあります。実際に身体を動かす場面は、以下のとおりです。
項目 | 仕事内容 |
---|---|
歩行訓練 | 患者とともに歩きながら動作の手本を示し、正しい歩行を支援する |
筋力トレーニング | 自ら実演を交えながら正しいフォームを指導し、筋力の回復をサポートする |
移乗介助 | ベッドや車椅子間の移動を安全におこなえるよう、身体を支えながら介助する |
転倒リスクのある患者の支援 | バランスを崩しやすい患者に寄り添い、転倒を防ぐための動作を補助する |
身体を動かすことが好きな人は、現場でも無理なく働きやすく、患者にも安心感を与えられます。
リハビリテーション関係の仕事を目指すなら資格は必要?

リハビリに関わる多くの職種は、国家資格が必要な専門職です。例えば、以下のような仕事が該当します。
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- 視能訓練士
- 柔道整復師
- はり師・きゅう師
これらの職種に就くには、厚生労働大臣が指定する養成校(大学・短大・専門学校など)で1~4年間学び、国家試験に合格する必要があります。身体に直接触れたり医療的判断をともなったりするため、無資格で働くことは法律で禁止されています。
一方、スポーツトレーナーやアスレティックトレーナーなどは、民間資格でも目指せる分野です。なかには資格がなくても働けるケースもありますが、専門知識や技術が求められるため、信頼を得るには資格取得が有利です。
参照:柔道整復師養成施設指導ガイドラインについて|厚生労働省
参照:はり師及びきゅう師養成施設指導ガイドラインについて|厚生労働省
リハビリテーションの仕事の将来性について
リハビリテーションの仕事は、超高齢社会の進展とともに、その重要性と需要がますます高まっています。厚生労働省のデータによると、高齢者人口の増加に伴い、医療・介護のニーズは拡大の一途を辿っており、リハビリテーション専門職の果たす役割は不可欠です。
また、生活習慣病の増加や、スポーツ・労働災害による障害、さらには新型コロナウイルス感染症の後遺症など、リハビリテーションを必要とする疾患や状態は多様化しており、対象者の年齢層も拡大しています。
技術革新も進み、ロボット支援リハビリテーションやAIを活用した個別化されたプログラムなど、新しいリハビリテーションの形も登場しており、専門職にはこれらの技術を習得し、活用していく能力が求められます。
今後も、国民の健康寿命の延伸と生活の質の向上に貢献するリハビリテーションの仕事は、社会からの期待を受け、安定した需要が見込まれる将来性の高い分野と言えるでしょう。
参照:「20240年に向けたサービス提供体制等のあり方」現状と課題・論点について|厚生労働省
リハビリテーション関係の仕事に就職・転職したいなら

リハビリの専門職を目指すなら、まずは厚生労働大臣指定の養成校で学ぶことが第一歩です。なかでも専門学校は、以下のような内容から現場での実践力を身につけやすい環境が整っています。
- 授業:現場経験が豊富な講師による実践的な授業が受けられる
- 実習:充実した臨床実習により、現場での対応力を養える
- 支援:細かな就職サポートがあり、未経験者でも安心して学べる
夜間部を設けている学校も多く、働きながら資格を取得することも可能です。年齢に関係なくチャレンジしやすいため、社会人からリハビリの仕事を目指す方も少なくありません。
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まとめ
リハビリの仕事は、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門職が連携し、患者の回復を支える重要な役割を担います。感謝される場面も多く、人の力になれるやりがいの大きい仕事です。
国家資格が必要な職種が中心ですが、信頼や実績の面でも資格は大きな強みになります。専門学校での実践的な学びと支援を活用すれば、未経験からでも安心して目指せます。
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