アスレティックトレーナーは、プロスポーツチームや医療施設などでコンディショニングやリハビリテーションなどをサポートする専門家です。スポーツや医療などの幅広い知識が求められるため、学校で専門知識を身につけてからアスレティックトレーナーを目指す人もいます。
この記事では、アスレティックトレーナーの仕事内容やなるための方法、目指せる学校について解説します。学校で学び、アスレティックトレーナーになりたいと考えている人は、学校選びの参考にしてみてください。
この記事でおすすめするアスレティックトレーナー専門学校は下記リンクからご覧いただけます。
アスレティックトレーナーとは?
アスレティックトレーナーとは、スポーツ選手やアスリートを心身ともに支える専門家です。主にケガの予防や応急処置、リハビリテーション、コンディショニングなどをおこないます。
ここでは以下4つの観点から、アスレティックトレーナーについて解説します。
- 仕事内容
- 活躍できる分野
- アスレティックトレーナーのやりがい
- スポーツトレーナーとの違い
仕事内容
アスレティックトレーナーの主な仕事内容は、以下のとおりです。
- 医療の知識を活かして選手のケガを予防する
- 選手がケガをした際に応急処置をする
- ケガをした選手のリハビリテーションをサポートする
- 選手のコンディションを整え、パフォーマンスの向上を支援する
- 選手の体力を測定し、ケガの有無を確認したり、今後のケガを予測・予防したりする
また、選手だけでなく、コーチや監督にも練習法や食事メニューなどを指導する場合もあります。
活躍できる分野
アスレティックトレーナーが活躍できる分野は以下のように多岐にわたります。
- プロスポーツチーム
- スポーツクラブ
- フィットネスクラブ
- 公共体育施設
- 病院やクリニックなどの医療施設
- リハビリテーションセンターなどの福祉施設
プロスポーツチームで働く場合、選手がパフォーマンスを発揮できるよう支えます。スポーツクラブやフィットネスクラブでは、幅広い年代の人々を対象にした体力トレーニングのサポートが可能です。
さらに、医療施設や福祉施設などスポーツの現場とは異なる分野でも、アスレティックトレーナーは活躍できます。
アスレティックトレーナーのやりがい
アスレティックトレーナーがやりがいを感じる瞬間は、リハビリテーションを担当していた選手が競技に復帰できたときです。ケガをした選手の不安や焦りに寄り添いながらサポートするからこそ、復帰後の姿を見るとうれしい気持ちになるでしょう。
また、担当しているチームが自分の考えたトレーニングによってパフォーマンスが向上し、勝利をつかんだときもやりがいを感じられます。メンバーの個性に合わせて作ったトレーニングメニューが成果に結びつくと、仕事の自信につながるでしょう。
スポーツトレーナーとの違い
アスレティックトレーナーとスポーツトレーナーは、仕事内容の範囲に違いがあります。
スポーツトレーナーの主な仕事は以下の5つです。
- トレーニングの指導
- ケガの予防
- 応急処置
- リハビリテーション
- コンディショニング
アスレティックトレーナーはスポーツトレーナーの業務に加え、ケガをした選手が競技へ復帰できるよう医療の知識を活かしたサポートもおこないます。
アスレティックトレーナーになる方法
アスレティックトレーナーになる流れは以下のとおりです。
- スポーツや医療の知識を学べる学校に通う
- 資格を取得する
- アスレティックトレーナーとして働く
それぞれ解説します。
スポーツや医療の知識を学べる学校に通う
アスレティックトレーナーはプロの選手をサポートする場合もあるため、スポーツや医療に関する深い知識が求められます。そのため、体育学部や健康科学部などがある学校でスポーツや医療の知識を学ぶのがおすすめです。
スポーツや医療の知識を学べる学校は、1年制から4年制まであります。最短なら1年でアスレティックトレーナーになれますが、2〜3年かけて知識を習得しながら目指すのが一般的です。
資格を取得する
アスレティックトレーナーとして働くために必須の資格はありませんが、資格があると就職や転職で有利となる場合があります。資格取得を条件としている求人もあるため、資格を持っているとキャリアを築きやすくなるでしょう。
なお、柔道整復師や理学療法士などの国家資格も併せて取得すると、選手のケガの治療もサポートできるようになります。
アスレティックトレーナーとして働く
学校で専門知識を学び、資格を取得したあとは、アスレティックトレーナーとしてさまざまな職場で働けるようになります。
プロスポーツチームや地域のスポーツクラブ、医療施設など、興味のある分野で活躍しましょう。
アスレティックトレーナーを目指せる学校の種類
アスレティックトレーナーを目指せる学校は、以下の3種類です。
- 専門学校
- 大学・短大
- 通信制の学校
学校ごとの特徴をそれぞれ紹介します。
専門学校
専門学校では、アスレティックトレーナーに必要な知識や技術を短期間で集中的に学べます。資格取得に向けたサポートも充実しており、スムーズに資格を取得できるでしょう。
しかし、専門学校はアスレティックトレーナーに特化したカリキュラムのため、スポーツトレーナーなど他職種に関する勉強はできない場合が多いです。就職先やキャリアの幅が狭くなる点は、専門学校のデメリットです。
大学・短大
大学や短大では、アスレティックトレーナーに関する知識だけでなく、幅広い内容を学べます。特に、大学は4年間かけて学べるため、アスレティックトレーナー関連以外の資格取得も目指せるでしょう。
ただし、大学ではアスレティックトレーナーに関する授業を自分で選択する必要があります。また、学費も専門学校に比べると高いです。
短大は学費を抑えられる一方、短期間でアスレティックトレーナーに関する科目や一般教養を学ぶため、忙しい学生生活となります。
通信制の学校
通信制の学校は、自分のペースで学習できるメリットがあります。さらに、通信制の学校は通学制の学校よりも学費が安く、かつ通学費も抑えられるのが魅力です。
一方で、疑問点を質問してもすぐに返事がもらいにくいデメリットがあります。また、一人での学習が中心となるため、通学制に比べてお互いのモチベーションを高め合える仲間とは出会いにくいです。
アスレティックトレーナーを目指すなら、専門学校や大学へ進学し、医療やスポーツの専門知識を学ぶ必要があります。特に、なるべく早くアスレティックトレーナーになりたい人や、資格取得のサポートを受けたい人などは、専門学校への進学をおすすめします。
アスレティックトレーナー専門学校の学費
アスレティックトレーナーを目指せる専門学校の学費について、以下2つの観点から解説します。
- 学費の相場
- 学費を抑える方法
学費を抑える方法を知っておくと、経済的な負担を減らせます。
学費の相場
アスレティックトレーナーを目指せる専門学校の学費の相場は、以下のとおりです。
- 2年制:約230万円
- 3年制:約390万円
学費には授業料や施設の設備費などが含まれます。
なお、首都医校アスレティックトレーナー学科の2025年度の学費は125万円です。2年制であるため、2年間で約250万円となります。
大阪医専アスレティックトレーナー学科の2025年度の学費は115万円です。大阪医専は3年制であるため、3年間で約345万円となります。
学校によって授業料や経費が異なるため、気になる学校の学費は事前に確認しましょう。
学費を抑える方法
奨学金制度や学校独自の学費サポート制度を活用すると、学費を抑えられます。
以下は、医校専で利用できる主な制度です。
- 日本学生支援機構奨学金制度
- 修学資金制度
- 特待生になる
それぞれ解説します。
日本学生支援機構奨学金制度
独立行政法人日本学生支援機構が運営する奨学金制度は、医校専の多くの在校生が利用している奨学金制度です。返済不要の「給付奨学金」と、返済が必要な「貸与奨学金」があります。
給付奨学金は、住民税非課税世帯やこれに準ずる世帯の学生が対象です。世帯収入の基準を満たしていれば、奨学金の受給に加え、授業料・入学金の免除もしくは減額も受けられます。
貸与奨学金には、第一種(無利子)と第二種(有利子)があります。返還・返済が始まるのは卒業の7ヵ月後からです。
修学資金制度
東京都が実施する修学資金制度は、卒業後に都内で以下の職業に従事したい方が対象となる奨学金制度です。
- 看護師
- 助産師
- 保健師
- 社会福祉士
- 介護福祉士
免除対象施設で5〜7年間勤務すると、奨学金の返還が免除されます。
なお、東京都以外でも修学資金制度と同様の制度がありますが、利用する都道府県での就労が条件となっているため併用はできません。
特待生になる
専門学校の特待生になると、学校独自の学費サポートを受けられます。
医校専にはi(アイ)の会奨学金制度があり、以下の条件を満たす学生は卒業年次の学費納入時に返還不要の50万円が支給されます。
- 昼間部4年制または3年制の各学科の卒業前年次に在学している
- 経済的事情により学費を補う必要があると認められる
- 勉学状況・卒業後の抱負などが奨学生としてふさわしいと判断される
なお、首都医校アスレティックトレーナー学科は2年制のため、iの会奨学金制度の対象外となります。3年制の大阪医専アスレティックトレーナー学科は条件を満たせば利用可能です。
また、夢を夢で終わらせない支援金もあり、対象者には卒業時に100万円が支給されます。卒業後にかなえたい夢についてプレゼンテーションし、ユニークであると認められた卒業生が対象者です。
アスレティックトレーナーに向いている人
アスレティックトレーナーに向いている人は、以下の5つの特徴があります。
- コミュニケーションが上手な人
- 臨機応変な判断力がある人
- 思いやりが強い人
- 責任感が強く、意志ある人
- 専門知識の習得を継続できる人
特徴を知っておくと、自分がアスレティックトレーナーに向いているか判断できるでしょう。
コミュニケーションが上手な人
アスレティックトレーナーは、担当する選手やチームメンバーと話し合いながら仕事を進めます。
コミュニケーションが上手な人は、チームメンバーとの信頼関係を築きやすく、選手やコーチから悩みを相談されやすくなるでしょう。そのため、悩みの解決につなげやすく、より効果的なサポートができます。
また、コミュニケーションスキルが高いと医師や栄養士などの専門家とも連携しやすくなり、トレーニングやリハビリテーションの質を向上できます。
臨機応変な判断力がある人
試合中やトレーニング中のケガは突然起こるため、瞬時に適切な応急処置の判断ができる人はアスレティックトレーナーに向いています。
さらに、選手の不調や痛みは常に変化します。そのため医療的な知識に加え、選手の運動歴や生活習慣なども考慮し臨機応変に対応できる人は、アスレティックトレーナーとして活躍しやすいでしょう。
思いやりが強い人
選手の気持ちに寄り添ったサポートができるため、思いやりが強い人はアスレティックトレーナーに向いています。選手の健康を守るためには、身体だけでなく心のサポートも重要です。
もし選手の気持ちに配慮していないトレーニングメニューを提案してしまうと、選手はトレーニングに身が入りにくくなります。
責任感が強く、意志ある人
アスリートの健康やパフォーマンスに直接影響を与える仕事であるため、責任感を持って取り組む姿勢が大切です。
仕事に真剣に向き合える人は、アスリートやチームスタッフから厚い信頼を寄せられるでしょう。
専門知識の習得を継続できる人
アスレティックトレーナーは、運動生理学や解剖学、スポーツ医学など幅広い知識が必要です。さらに、新しいトレーニング技術やリハビリ法が日々登場するため、常に学び続ける姿勢が求められます。
情報収集してスキルを磨く努力を惜しまない人は、現場で信頼されるトレーナーになれるでしょう。
アスレティックトレーナーの将来性
アスレティックトレーナーの将来性は、スポーツ業界だけでなく、健康やフィットネス産業全体の成長と密接に関連しています。
スポーツ業界の成長と拡大
日本ではプロスポーツだけでなく、アマチュアや大学、高校などの学生スポーツも盛んで、アスレティックトレーナーの必要は年々重要視されています。
特に、プロスポーツチームや大学などでアスレティックトレーナーが必要とされる機会が多く、オリンピックや国際大会が開催されることで、アスリートのケアに対する意識においても、トレーナーの役割がますます重要になっています。
健康志向の高まり
近年、健康やフィットネスへの関心が高まっており、運動習慣を維持する人々が増加しています。これに伴い、怪我の予防やリハビリ、パフォーマンス向上をサポートするアスレティックトレーナーのニーズも拡大しています。
一般の人々が運動中に怪我や不調を予防するための専門家として、アスレティックトレーナーが求められる場面が増加していくと今後も予想されます。
スポーツ医療分野との連携強化
スポーツ医学の進歩により、アスレティックトレーナーの役割は医療分野とも密接に関わっています。
特に、怪我の予防やリハビリテーションにおいて、医師や理学療法士、スポーツ栄養士などとチームで対応する場面にアスレティックトレーナーの役割がますます重要になり、今後の需要増加が見込まれます。
アスレティックトレーナーに関する資格
アスレティックトレーナーになるために必須の資格はありませんが、スポーツや医療に関する専門知識が必要です。
そのため、認定資格を取得して知識と技術があることを証明し、就職やキャリアアップにつなげるのがおすすめです。
ここでは、以下3つの認定資格を解説します。
- JSPO-AT(旧JASA-AT)
- NATA-BOC公認ATC
- JATAC-ATC(JATAC認定アスレティックトレーナー)
JSPO-AT(旧JASA-AT)
JSPO-AT(旧JASA-AT)とは、JSPO(日本スポーツ協会)公認アスレティックトレーナーになれる資格です。
JSPO-ATは、以下の役割に関する知識と実践スキルを活用して、スポーツをする人のパフォーマンスの回復や向上を支援します。
- スポーツ活動中のケガ予防
- コンディショニングやリコンディショニング
- プレーヤーの安全管理と健康管理
- 医療資格者に引き継ぐまでの救急対応
JSPO-ATを取得するには、JSPOが実施する養成講習会への参加が必要です。なお、JSPOが認める大学院・大学・専門学校で養成講習会と同じカリキュラムを履修すると、講習や試験の一部またはすべてが免除されます。(※)
NATA-BOC公認ATC
BOC公認ATCとは、BOC (米国アスレティックトレーナー資格認定委員会)に公認されたアスレティックトレーナーを指します。NATA(全米アスレティックトレーナーズ協会)は、BOC-ATCを含むアスレティックトレーニングの職業をサポートする職能団体です。
BOC公認ATCの資格があると、アメリカでアスレティックトレーナーとして働くことが可能です。BOC公認ATC米国医学会より医療資格者として認知されており、医師の指示または協力を得ながら医療従事者として治療的介入などの業務もおこないます。
BOC公認ATCは、アメリカで実施される国家試験や州の認定試験に合格する必要があります。また、2022年より修士レベルのCAATE公認教育プログラムを卒業することが必須条件になりました。(※)そのため、アスレティックトレーナーの資格のなかでも、特に高い水準が求められる資格です。
JATAC-ATC(JATAC認定アスレチックトレーナー)
JATAC(ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会)は、スポーツ障害の悪化を抑えたり、予防したりするために活動している団体です。
JATAC-ATCの資格を取得する方法は以下の2つです。
- 柔道整復師や理学療法士などの有資格者が、JATACの講習会および通信教育講座でスポーツ科学分野の単位を取得する
- 2年制以上の専門学校や大学、大学院などでスポーツ科学系のコースを卒業し、JATACが認定する臨床医学系専門科目およびスポーツ科学分野の単位を取得する
スポーツ科学分野の単位は専門学校や大学などを卒業すると振り替えられる場合があるため、JATACに確認しましょう。(※)
アスレティックトレーナーを目指すなら医校専がおすすめ
アスレティックトレーナーを目指すなら、医校専で学ぶのがおすすめです。
首都医校アスレティックトレーナー学科や大阪医専アスレティックトレーナー学科は、スポーツの最前線で学べる現場実習が豊富です。また、総合医療専門学校なので医療や福祉分野の教官からも学べます。
さらに、最終年次では以下の3つの専攻を選べます。
- スポーツチームトレーナー専攻
- パーソナルトレーナー専攻
- スポーツマネジメント専攻
自分が活躍したい分野に関する深い知識を学べるのも、医校専の魅力です。
まとめ
アスレティックトレーナーになるには独学でも関連資格の取得を目指せますが、大学や専門学校などで専門知識を学ぶと、より実践的で役立つスキルを身につけられます。
学校選びに迷った場合は、短期間で必要な知識を学べて、資格取得のサポートも充実している専門学校がおすすめです。
知識を身につけ、スポーツを楽しむ人を心身ともにサポートできるアスレティックトレーナーとして活躍しましょう。
首都医校・大阪医専のアスレティックトレーナー学科で学びませんか?
首都医校・大阪/名古屋医専は医療・福祉からスポーツ系分野までを網羅し、チーム医療に対応するエキスパートを育成する専門学校であり、「国家資格 合格保証制度」「完全就職保障制度」2つの保証制度があることで、希望者就職率は100%を実現しております。首都医校(アスレティックトレーナー専門学校(東京))大阪医専(アスレティックトレーナー専門学校(大阪))でアスレティックトレーナーを一緒に目指しましょう。
アスレティックトレーナーに関するよくある質問
アスレティックトレーナーの仕事に必要なスキルは?
アスレティックトレーナーには、スポーツ医学や運動生理学の知識、リハビリテーション技術、トレーニング指導のスキルが必要です。
また、アスリートと信頼関係を築くためのコミュニケーション能力も重要です。さらに、迅速な判断力や問題解決能力も、試合中や緊急時に求められるスキルです。
アスレティックトレーナーは女性でもなれる?
アスレティックトレーナーは、性別に関係なく活躍できる職業です。
実際に、女性アスリートをサポートするトレーナーとして女性の需要が多くあります。女性同士ならではの視点やコミュニケーション能力が、アスリートとの信頼を築く大きな強みとなることも多いです。