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視能訓練士を目指すなら?専門学校の選び方・学費・合格率を徹底解説

視能訓練士として活躍するには、指定された養成施設で知識や技術を修得し、国家試験に合格する必要があります。そのための進路として、専門学校への進学を検討する方も多いでしょう。その際、どの学校を選ぶべきか悩む方も多いのではないでしょうか。

本記事では、視能訓練士の専門学校選びに役立つポイントや学費の目安、国家試験の合格率などを解説します。視能訓練士の専門学校への進学を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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視能訓練士とは?どのような仕事をする職業?

ここでは、視能訓練士の基本的な情報や医療現場での役割を解説します。

視能訓練士の基本情報

視能訓練士は、視力や視野、眼圧などのさまざまな検査をおこない、視機能をサポートする国家資格の医療専門職です。日本では1971年に視能訓練士法が成立し、国家資格制度が設けられました。

2024年4月時点で、約2万人が視能訓練士の国家資格を所有しており、視機能のスペシャリストとして多くの医療現場で活躍しています。

眼科医療の現場での役割

視能訓練士は、医師の指示のもとで視機能に関するさまざまな検査や訓練をおこない、診断や治療に必要な情報を提供する役割を担っています。

視能訓練士の主な業務は、以下の4つです。

  • 視能矯正
  • 視能検査
  • 健診業務
  • ロービジョンケア

ロービジョンケアとは、視覚障害により日常生活に支障がある方に対して、拡大鏡や補助具の選定などをおこなう支援のことです。

また、弱視や斜視がある乳幼児に対して視機能訓練をおこなうなど、成長段階に応じた支援も求められます。

このように、視能訓練士は子どもから高齢者までの幅広い世代に対してサポートをしているのが大きな特徴です。医療現場では患者と直接コミュニケーションを取る場面も多く、信頼関係を築きながら不安を和らげることも、視能訓練士の重要な役割のひとつです。

活躍の場(病院・クリニック・小児眼科など)

視能訓練士は、さまざまな医療機関で専門性を発揮できる職業です。

視能訓練士協会の就業状況調査によると、2022年度における新卒の約86%が私立系医療機関に就職しており、特に私立眼科病院や私立大学病院での採用が増えている傾向にあります。

勤務先によって業務内容には特色が見られます。​例えば、大学病院では高度な検査機器を用いた専門的な検査や研究活動に携わる機会が多い一方、眼科診療所では患者との密接なコミュニケーションを通じた日常的な視能訓練や検査が中心です。

また、小児眼科や高齢者向けの施設など、特定の年代に特化した施設では、それぞれの年齢層に応じた専門的な支援が求められます。

このほかにも、母子保健センターなどでおこなわれる3歳児健診や生活習慣病予防調査などに参加する機会もあり、眼疾患の早期発見や予防医療の分野でも貢献しています。

参考:視能訓練士協会|2022年度 新卒視能訓練士就業状況調査結果

視能訓練士になるには?資格取得の流れ

ここでは、必要な学歴や受験資格、資格を取得するまでの流れを解説します。

名称独占資格の国家資格

視能訓練士は、1971年に制定された視能訓練士法に基づく国家資格で、医師の指示のもとで視機能に関する検査や訓練をおこなう医療専門職です。

また、視能訓練士は「名称独占資格」に分類され、国家試験に合格したあと厚生労働大臣から免許を受けた者だけが名乗れます。

必要な学歴・受験資格

視能訓練士の国家試験を受けるには、文部科学大臣または厚生労働大臣が指定する視能訓練士養成施設を卒業する必要があります。

国家試験の受験資格は、主に以下のルートで取得が可能です。

  • 高校卒業後に、指定された視能訓練士養成施設で3年以上学ぶ
  • 大学や短期大学、看護師または保育士養成施設などで2年以上学び、指定科目を履修したあとに、指定の視能訓練士養成施設で1年以上学ぶ

国家試験の受験資格を得るには、これらの養成施設の修了が前提となります。まずは自分に合った進学ルートを考えるとよいでしょう。

専門学校or大学の選択肢

視能訓練士を目指す場合、専門学校か大学のいずれかに進学する必要があります。どちらも文部科学大臣または厚生労働大臣の指定を受けた教育機関であることが条件です。

視能訓練士を目指すなら専門学校と大学どっちがよい?

講義を受ける医療系学生

専門学校と大学、どちらを選んでも国家試験の受験資格は得られますが、学び方や環境、サポート体制などに違いがあります。ここでは、専門学校の特徴や大学との違いを解説します。

専門学校の特徴(実習重視、少人数制など)

視能訓練士の専門学校は、以下のような特徴があります。

  • 実習重視のカリキュラムで、現場で即戦力となるスキルを習得できる
  • 少人数制を採用している学校が多く、わからないことをその場で質問しやすい
  • 一人ひとりに合わせた手厚い指導により、国家試験対策などの教育が充実している

3年間で卒業できるため、現場で即戦力となるスキルを身につけ、できるだけ早く資格を取得したい方におすすめです。

また、専門学校は就職サポートが手厚く、一人ひとりの希望や適性に合わせた就職先を見つけやすいなどの特徴もあります。

学費の目安(期間の違い)

専門学校と大学、それぞれの学費の目安は以下のとおりです。

区分学費目安
専門学校(3年制)330~470万円
大学(4年制)360~710万円

大学に進学し視能訓練士を目指す場合、4年間かけて必要な知識や技術を学びます。その分専門学校に比べて学費がやや高くなる傾向がありますが、時間をかけてじっくり学びたい人にはおすすめです。

大学によっては、リハビリや福祉などの幅広い分野を学べます。視能訓練士の資格だけでなく、眼鏡作成技能士などの資格も取得できるカリキュラムが組まれていることもあるため、医療現場で幅広い活躍が期待できるでしょう。

視能訓練士の専門学校の選び方|注目ポイント5選

視能訓練士の専門学校を選ぶうえで、注目すべき5つのポイントを紹介します。

国家試験合格率

視能訓練士の国家試験は、令和7年実施分で合格率が96.8%と、非常に高い水準になっています。そのため、「どの専門学校を選んでも同じ」と考える方もいるかもしれません。

しかし、専門学校によって国家試験の合格率は異なるため、ホームページやパンフレットで各学校の合格率を事前に確認しておくことが大切です。

合格実績を調べるときは、以下の点に注目するとよいでしょう。

  • 毎年安定して高い合格率を出せているか
  • 受験者数が多いか

こうした実績をもとに専門学校を選ぶことで、国家資格に合格できる可能性を高められます。

参考:厚生労働省|第55回視能訓練士国家試験の合格発表について

実習環境

視能訓練士として必要なスキルを身につけるためには、実習を通じて臨床経験を積むことが欠かせません。

実習先となる病院やクリニックが豊富であったり、最新の医療機器に触れる機会があったりする学校を選ぶと、より即戦力となるスキルを身につけやすくなるでしょう。

就職実績

就職実績を調べると、その学校がどのような医療現場に強いかを把握できます。

「大学病院で働きたい」「地元のクリニックに就職したい」などの希望がある場合は、自分が目指す就職先への実績が多い学校を選ぶことで、希望するキャリアに近づきやすくなります。

各学校の公式サイトやパンフレットに就職先一覧が記載されていることも多いため、チェックしておくとよいでしょう。

学費と奨学金制度

学費の違いや奨学金制度の有無も、注目すべきポイントのひとつです。

視能訓練士の専門学校を卒業するまでにかかる費用の目安は330〜470万円ほどで、コースの内容や設備の充実度によって金額に差があります。

また、学校によっては奨学金制度を設けていることもあります。なるべく費用を安く抑えたい方は、自分が制度を利用できるかどうか事前に調べておくと安心です。

アクセス・立地

学校には毎日通うことになるため、自宅からのアクセスは重要なポイントです。

通学時間が長かったり、交通の便が悪かったりすると、学校生活に負担を感じてしまうこともあります。

駅からの距離やバスの本数など、無理なく通えるかどうかを事前に把握しておきましょう。

一人暮らしを検討している方は、周辺の治安の良さや住みやすさもチェックしておくと安心です。

視能訓練士専門学校の学費はどれくらい?

視能訓練士の専門学校に通う場合、学費としてまとまった出費が発生します。学校やコースによって差はありますが、3年間で必要になる学費は約400万円です。

ここでは、学費の内訳や安く抑える方法を解説します。

入学金・授業料・教材費などの内訳

視能訓練士専門学校の学費は、入学金や授業料のほかに、教材費や施設費などさまざまな費用が含まれています。

主な費用の内訳は以下のとおりです。

項目金額の目安
入学金5~20万円
授業料250~300万円
実習費20~30万円
施設、設備費30~60万円
教育充実費25~60万円
合計330~470万円

金額は年度により変動する可能性もあるため、ホームページやパンフレットで最新情報を確認しておきましょう。

学費を安く抑えるには

専門学校に進学する場合、入学時にまとまった金額を支払うため、費用面で不安に思う方もいるかもしれません。

そのような場合は奨学金や特待生制度などを活用すると、費用負担を軽減できます。

制度名内容
奨学金制度給付型奨学金であれば返済不要
特待生制度選考を通過すれば学費が一部免除される
教育訓練給付金制度条件を満たすと学費の一部がハローワークから支給される

制度の適用条件や申請時期は学校ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。

参考:日本学生支援機構|給付奨学金参考:厚生労働省|教育訓練給付制度

視能訓練士専門学校に通う学生の1日

視能訓練士専門学校での1日の流れは、学校やカリキュラムによって異なります。スケジュール例は以下のとおりです。

時間帯授業・活動内容
8:40~8:50ホームルーム
9:00~10:301限目眼科薬理学
10:40~12:102限目保育学
12:10~13:00昼休み
13:00~14:303限目視能矯正学実習
14:40~16:104限目視能矯正学実習
16:10~ホームルーム
16:30~清掃

1日の流れを把握しておくことで、入学後のイメージがよりしやすくなります。

気になる学校のホームぺージやパンフレットを参考に、比較するとよいでしょう。

視能訓練士専門学校を卒業したあとのキャリア・就職先は?

視能訓練士専門学校を卒業したあとは、医療・福祉・教育など多岐にわたる分野でのキャリアが広がっています。

ここでは、就職先の例や平均年収、将来性を詳しく解説します。

就職先の例と割合(病院・クリニック・検診センター等)

新卒の視能訓練士が就職する主な職場とその割合(2022年度新卒者)は、以下のとおりです。

施設区分主な就職先割合
私立系医療機関眼科診療所
私立眼科病院
私立病院
86.7%
国公立系医療機関公立に準ずる病院および診療所
国立大学法人
公立医療機関
8.4%
その他大学院
病院以外の医療関係企業
医療関係以外の職業
4.9%

最も多い就職先は眼科診療所であり、在学中の臨床実習先とのつながりや、私立系医療機関の求人の多さがその理由として挙げられます。

ほかにも、眼科系の研究機関や医療メーカー、福祉施設などで活躍するケースもあり、幅広い活躍が期待されています。

参考:視能訓練士協会|2022年度 新卒視能訓練士就業状況調査結果

平均年収や将来性について

視能訓練士の平均年収は、勤務先の種類や経験年数、勤務地域などによって変動しますが、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、約432.5万円が一つの目安となります。

近年では、高齢化社会にともない、緑内障や加齢黄斑変性などの視覚障害が増加しています。また、スマートフォンやタブレットの使用が日常生活に不可欠となったことで、若年層の視力低下や眼精疲労なども社会的な問題となっています。

このように、さまざまな世代で視機能に関する課題が増えていることから、視能訓練士の需要は今後も高まると予想されています。

参考:job tag|視能訓練士

まとめ

視能訓練士の専門学校では、視力検査や視能矯正、ロービジョンケアなどの専門的な技術や知識を身につけられます。

しかし、学校ごとに実習環境やサポート体制、学費などが異なるため、家庭の経済的状況やキャリアビジョンに合わせて進学先を選ぶことが大切です。

視能訓練士として医療機関で活躍したいと考えている方は、この記事の内容を参考に、自分に合った専門学校を見つけてみてください。

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