この記事でわかること3点まとめ
- 看護は、あらゆる年代の個人やその家族、地域社会に向けて、健康を支えるための幅広い活動をおこなう
- 医療処置の補助や患者さんの身の回りのサポート、コミュニケーションなどをおこなう
- 看護職には主に4つの種類がある
看護とは、年齢を問わずあらゆる人々を対象に、健康の保持・増進や回復、疾病の予防などをおこない、その方が自分らしい人生を送れるよう支援することです。看護を専門とする看護職は、病院から地域の自治体まで、幅広い職場で活躍しています。
本記事では、看護の概要や具体的な仕事内容、看護職の種類について解説します。看護の仕事について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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看護とは?その定義や役割について

看護とは、すべての方が日常生活を健やかに過ごすために、必要不可欠な専門的活動です。ここでは、看護の定義や役割、重要性について解説します。
看護の定義
看護は、あらゆる年代の個人や家族、地域の方々を対象とし、健康な方にも病気の方にも提供される支援の総称です。看護の内容には、病気にならないための予防や健康の増進活動、病気やケガで苦しんでいる方のケア、人生の最期を迎える方への支援などが含まれます。
また、他の医療職や行政とも連携しながら、質の高い医療や健康な地域づくりのために、計画作成や評価もおこないます。
看護は医療現場でのケアだけでなく、社会全体の健康を支える重要な活動です。
看護が担う役割
看護は、あらゆる年代の個人やその家族、地域社会に向けて、健康を支えるための幅広い活動をおこないます。
看護が担う主な役割は、以下の4つです。
- 健康の保持増進
- 疾病の予防
- 健康の回復
- 苦痛の緩和
具体的には、体温や血圧の測定、薬の投与補助、ケガや手術後のケアなど、診療の補助が挙げられます。また、患者さんやその家族の不安に寄り添い、安心して治療を受けられるようサポートするなど、療養上の世話も大切な役割です。
また、対象となる方が最期まで自分らしく過ごせるように支援をおこないます。
看護の重要性
看護には、患者さんの身体的なケアだけでなく、そばに寄り添い心の支えとなる精神的なケアも含まれます。そのため、看護職は日々の観察やコミュニケーションを通じて、わずかな体調の変化にもいち早く気付き、適切な医療の提供につなげます。
看護職のサポートにより、医師は診察や手術に集中できるほか、患者さんも安心して治療に向き合えるでしょう。つまり、看護の力は医療の質を高めるうえで欠かせない存在といえます。
看護の対象者
看護の対象は、病気やケガをした方だけではありません。病気の方も健康な方も、子どもから高齢者まで、すべての年代の方とその家族、集団、地域社会を対象としています。
また、対象を単に患者さんではなく、それぞれの暮らしを持つ「生活者」としてとらえます。さらに対象となる期間は、健康なときから人生の最期を迎えるまで生涯にわたります。
参照:定款・定義|公益社団法人日本看護協会
参照:改訂版 看護にかかわる主要な用語の解説|公益社団法人日本看護協会
看護の具体的な仕事内容

看護には、さまざまな業務があります。ここでは、看護の具体的な仕事内容について解説します。
医療処置の補助
医師の指示に基づいて、医療処置の補助をおこなうことは看護職の重要な仕事のひとつです。医師が診断や治療を効果的に進められるよう、以下のような業務をおこないます。
- 点滴の準備や投薬
- 注射の補助
- 手術前後における患者さんのケア
- 医療機器・器具などの準備や管理
また、患者さんの状態を細かく観察し、医師に的確な情報を伝えることで医師の判断を助け、適切な医療の提供に貢献します。
患者さんの身の回りのサポート
看護職は、患者さんが快適に日常生活を送れるよう、以下のような身の回りのサポートもおこないます。
- 食事
- 排せつ
- 入浴
- 着替え
- 移動
自分で動けない患者さんにとって、身の回りのサポートは身体的な負担を減らすだけでなく、精神的な安心感にもつながります。
参照:改訂版 看護にかかわる主要な用語の解説|公益社団法人日本看護協会
患者さんとのコミュニケーション
看護職は、患者さんとのコミュニケーションをとおして、身体だけでなく心のケアもおこないます。
病気や治療に対する不安や悩みに耳を傾け、思いに寄り添うことは、患者さんが安心して治療に臨むための精神的な支えとなります。
同時に、患者さんを支える家族とのコミュニケーションも大切です。家族もまた大きな不安を抱えている場合が多いため、その気持ちに配慮しながら、患者さんと家族双方との信頼関係を築けるように働きかけます。
QOL(生活の質)の向上支援
看護職は、治療の補助だけでなく、その人らしい生活や尊厳が保たれているか、つまりQOL(生活の質)を維持・向上させることを目指してケアをおこないます。
病気や治療にともなう不安や苦痛を軽減し、自分らしく過ごせるように支えることで、患者さんの心の安定や前向きな姿勢につなげられます。
病気やケガの予防
看護は、治療だけでなく病気やケガの予防も大切な役割の一つです。
例えば、治療中の患者さんに対しては、転倒や新たな合併症、院内感染などのリスクを予測し、安全な療養環境を常に守ります。退院後もその方らしい生活に戻れるよう、食事や運動、生活習慣の改善などのアドバイスをおこないます。
さらに、地域や職場・学校などでは、健康診断や予防接種、健康教育を推進し、地域全体の健康増進に貢献しています。
看護と介護の違いとは?
看護と介護はどちらも、人を支える仕事です。しかし、目的や働く場所、仕事内容に明確な違いがあります。
看護と介護の違いは、以下のとおりです。
看護 | 介護 | |
---|---|---|
主な目的 | あらゆる年代の方や地域社会に対して、健康の保持増進、疾病の予防、健康の回復、苦痛の緩和などをおこなう | 高齢者や障がい者など、サポートを必要とする方を対象に、尊厳を保持し、自立した日常生活が送れるよう支援する |
主な職種 | ・看護師 ・准看護師 ・助産師 ・保健師 | ・介護福祉士 ・社会福祉士 ・介護支援専門員 など |
主な業務内容 | ・医師の指示に基づく診療の補助(医療行為) ・心身の状態観察 ・療養上の世話 ・地域と連携した病気やケガの予防 | ・食事・入浴・排せつなどの日常生活の介助 ・介護が必要とする方の自立支援と健康回復 |
勤務先 | ・病院 ・クリニック ・訪問看護ステーション ・市区町村の自治体 など | ・介護施設 ・訪問介護 ・病院 ・市区町村の自治体 など |
必要な資格 | ・看護師、助産師、保健師は国家資格が必要 ・准看護師には都道府県知事免許が必要 | ・介護福祉士・社会福祉士は国家資格が必要 ・介護支援専門員は所定の実務経験を土台とした都道府県知事免許が必要 ・無資格でも介護の仕事に就くことは可能(ただし条件あり) |
看護と介護の大きな違いは、患者さんに対する医療行為の有無です。看護職は、医師の指示のもと注射や点滴などの医療行為をおこなうことが可能ですが、介護職ではおこなえず、主に日常生活の介助を目的としています。
介護職の詳細については以下の記事で解説しているため、参考にしてください。
介護とは?三原則や介助・看護との違い、主な仕事内容など基礎知識を解説
参照:看護職の倫理綱領|公益社団法人日本看護協会
参照:介護・高齢者福祉|厚生労働省
参照:介護に関する資格等について|厚生労働省
看護職の4つの種類

看護職には、国家資格である4つの職種があります。ここでは、それぞれの役割や仕事内容、必要な資格について解説します。
看護師
看護師は、病気やケガの治療を受ける方や介護を必要とする人々に寄り添い、健康的な生活を支える役割を担う看護職です。
医師の指示に基づき注射や点滴など、診療の補助をおこないます。また、患者さんとその家族の痛みや不安に寄り添い、精神的なケアをおこなうことも重要な役割です。
看護師は病院やクリニックのほか、訪問看護など幅広い医療現場で活躍しています。人の役に立ちたい思いを仕事にできる魅力ある職業です。
看護師になるには、国が定めた大学または養成校で3年以上の教育課程を経て、看護師国家試験に合格する必要があります。
看護師になる方法について詳しく知りたい方は、以下の記事で解説しているため参考にしてください。
看護師になるには?流れや大学と短大の違い、求められる能力を解説
参照:看護師|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省
参照:看護職になるには|看護職を目指す皆さまへ|公益社団法人日本看護協会
准看護師
准看護師は、医師や看護師の指示のもと、医療行為や患者さんのケアをおこなう看護職です。仕事内容は看護師と共通する部分が多いですが、業務をおこなう際に必ず医師や看護師からの指示が必要という点に違いがあります。
准看護師になるには、准看護師養成所で2年間の教育課程を修了し、各都道府県が実施する准看護師試験への合格が必要です。資格取得までの期間が看護師よりも短いため、早く現場に出たい方に選ばれる傾向があります。
また、現場での経験を活かして看護師へのキャリアアップを目指す方もいます。
看護師と比較してできる業務に一部制限がありますが、患者さんのケアを支える重要な役割を果たしています。
参照:保健師助産師看護師法|e-Gov 法令検索
参照:看護職になるには|看護職を目指す皆さまへ|公益社団法人日本看護協会
助産師
助産師は、妊娠から産後までの女性を専門的にサポートする看護職です。
看護職は一般的に医師の指示がなければ医療行為をおこなうことはできません。しかし、助産師は正常な妊娠・出産の場合、医師の指示がなくても自らの責任で分娩の介助をおこなえます。
また、新生児の育児教育や母体のケアをおこなうなど、専門性の高い業務を担います。
助産師になるには、まず看護師国家試験に合格したあと、国が定めた助産師養成校で1年以上の教育課程を修了し、助産師国家試験への合格が必要です。
このほか、看護大学で助産師選択課程を修了していれば、看護師国家試験に合格したのち、すぐに助産師国家試験の受験資格が得られるルートもあります。
参照:助産師|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省
参照:看護職になるには|看護職を目指す皆さまへ|公益社団法人日本看護協会
保健師
保健師は、地域や学校、企業などで健康指導や病気の予防をおこなう看護職です。保健や医療、福祉の分野に関する専門知識を活かし、幅広い年代の人々を支えます。
保健所や市区町村などの自治体に勤務する行政保健師は、乳幼児健診や健康相談、生活習慣病予防の教室などを通じて、住民の健康を守る必要不可欠な存在です。
また、企業の医務室で働く産業保健師や、学校の保健室で働く学校保健師など、保健師の活躍の場は多岐にわたります。
保健師になるには、まず看護師国家試験に合格したあと、保健師養成校で1年以上学び、保健師国家試験に合格する必要があります。
このほか、看護大学で保健師選択課程を修了していれば、看護師国家試験に合格したのち、すぐに保健師国家試験の受験資格を得ることも可能です。
参照:保健師|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省
参照:看護職になるには|看護職を目指す皆さまへ|公益社団法人日本看護協会
看護の仕事で働く将来性とキャリア

看護職は、専門性の高さを活かしてキャリアアップが可能です。また、充実した制度や柔軟な働き方により仕事が続けやすく、将来性のある職業だといえます。
ここでは、看護の仕事で働く将来性とキャリアについて解説します。
看護師のニーズは今後も高い
日本は急速な高齢化が進んでおり、医療や介護を必要とする方が今後さらに増えると見込まれています。
2020年の看護職員就業者数は約173万人で、毎年増加傾向です。しかし、2025年には、看護職員が約7万人不足するといわれています。
また、高齢者の在宅療養や地域包括ケア体制の強化が進んでいることから、病院だけでなく訪問看護や介護施設など、地域においても看護師の需要は拡大していくでしょう。
看護師は今後も医療・介護の最前線で安定した需要が見込まれ、将来性の高い職業だといえます。
参照:看護職員確保対策 |厚生労働省
参照:新たな地域医療構想に向けて~地域での看護機能の強化と人材確保・育成~|公益社団法人日本看護協会
結婚・出産後も続けやすい仕事
看護職は、充実した制度や柔軟な働き方により、結婚や育児後も安心してキャリアを続けられる職業だといえます。
近年では、安心して育児ができるよう、さまざまな制度が拡充しています。妊娠中の時間外労働や深夜業務の免除、出産後のパートタイムや時短勤務など、ライフステージに応じた働き方が可能です。
さらに、各都道府県ではナースセンターを通じた復職支援も充実しています。育児や家族の事情で離職してブランクのある方でも、再就業に向けた研修を受講でき、条件に合わせた職場選びが可能です。
参照:ブランクを経て働く|看護職のキャリアと働き方支援サイト|厚生労働省
専門性を高めてキャリアアップも可能
看護師は、経験を積み専門性を高めることでキャリアアップも可能です。
例えば、特定の専門分野に特化した専門看護師や、実践的な知識を持つ認定看護師などの資格を取得することで、より専門性を高めたキャリアアップができます。また、現場での経験を活かし、看護主任や看護師長など管理職としてのキャリアアップも期待できるでしょう。
看護師は自らの強みや経験を活かして、多様なキャリアを築ける職業です。専門性を高めることで、やりがいや将来性のある働き方を実現できるでしょう。
参照:資格認定制度|看護職の皆さまへ|公益社団法人日本看護協会
まとめ
看護とは、すべての方が自分らしく生きていけるよう、健康の維持や回復、苦痛の緩和などをサポートする専門職です。医療現場での診療の補助や療養上の補助はもちろん、患者さんや家族に寄り添うコミュニケーションも看護の大切な役割を担っています。
また、看護の対象は病気のある方に限らず、健康な方や地域社会も含まれます。年齢や状況を問わず、多くの方の生活を支える存在です。
看護職の職種は、以下4つに分けられます。
- 看護師
- 准看護師
- 助産師
- 保健師
看護職は、今後も高いニーズがあり、専門性を高めてキャリアアップが期待できるため、将来性が見込まれるやりがいのある職業です。
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