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視能訓練士の平均年収|医療系職種との比較と年収を上げる方法を解説

この記事でわかること3点まとめ

  • 視能訓練士の平均年収は444.2万円だが、年齢や経験年数、勤務地勤などによって変動する
  • 年収は、言語聴覚士や作業療法士と同程度であり、リハビリテーション分野の医療職種とほぼ同水準
  • 視能訓練士は、医療機器の発展や業務分野の拡大により、今後さらに活躍の場が広がることが期待できる

視能訓練士(ORT)は、目の専門的な知識・技術を必要とする国家資格です。主に視能矯正や視能検査・健診(検診)業務、ロービジョンケアなどを担い、患者さんの視覚の健康維持に欠かせない役割を果たしています。

視能訓練士の年収は勤務年数や勤務地、勤務先の種類によって異なります。専門スキルや知識を身につけたり、転職やキャリアアップのポイントを押さえたりすることで、昇給や待遇改善が期待できる資格です。

本記事では、視能訓練士の平均年収や年齢別・地域別の相場、年収を上げる方法について詳しく解説します。視能訓練士の資格取得を検討している方はぜひ参考にしてください。

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視能訓練士の平均年収

医療従事者

視能訓練士は、乳児から高齢者まで幅広い年齢層の視機能の検査・訓練を担当する専門職です。眼光学に関する知識を活かし、視力や色覚の評価、目の疾患や異常の把握などを通じて、患者一人ひとりに合わせた訓練計画を立てます。

視能訓練士の全国平均年収は、444.2万円です。平均年収はあくまで目安であり、年齢や経験年数、勤務地の地域などによって変動します。経験を積みながらスキルを磨くことで、収入アップも期待できる職種です。

参照:視能訓練士|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省

【年齢別】視能訓練士の年収相場

視能訓練士の年齢別の年収相場は、以下の表のとおりです。

年齢年収相場
20~24歳344.73万円
25~29歳397.99万円
30~34歳443.61万円
35~39歳460.73万円
40~44歳491.23万円
45~49歳530.35万円
50〜54歳536.11万円
55〜59歳609.99万円
60〜64歳457.26万円
65〜69歳461.64万円
70歳〜409.47万円

視能訓練士の年収は、年齢が上がるにつれて徐々に増加傾向がみられます。特に30代から50代にかけては、経験やスキルの蓄積、役職への就任などが影響し、年収の伸び幅が大きくなるのが特徴です。

ピークは55~59歳であり、この年代では長年の実績が評価され、安定した収入を得ている人が多いことがうかがえます。年齢とともに着実にキャリアを積んでいくことで、収入面でも成長が期待できる職種といえるでしょう。

参照:視能訓練士|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省

【経験年数別】視能訓練士の年収相場

視能訓練士の経験年数別の年収相場は、以下の表のとおりです。

経験年数年収相場
0年300.4万円
1〜4年310.3万円
5〜9年343.9万円
10〜14年367.5万円
15年以上419.1万円

経験年数の増加とともに、給与も着実に上昇していることが分かります。とくに15年以上の経験を持つ視能訓練士は、スタート時と比較して年収に100万円以上の差が生まれるケースもあります。

視能訓練士は専門的な知識と技術が求められる職種であり、経験を重ねることで検査精度の向上や対応力の幅も広がります。そうしたスキルの蓄積が評価され、年収にも反映されやすい傾向があります。長く続けるほど収入面でも安定しやすいため、将来的なキャリア形成を見据えても魅力的な仕事といえるでしょう。

参照:視能訓練士|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省

【地域別】視能訓練士の年収相場

視能訓練士の地域別年収相場は、以下の表のとおりです。

地域年収相場
北海道442.6万円
宮城428.1万円
埼玉451.8万円
千葉416.4万円
東京469.5万円
神奈川502.7万円
新潟472.1万円
静岡404.6万円
愛知503.4万円
京都495.1万円
大阪434.0万円
兵庫425.8万円
岡山407.3万円
広島423.5万円
福岡431.7万円

視能訓練士の年収を比較すると、上記の地域のなかではもっとも高いのが愛知県の503.4万円で、最も低いのは岡山県の407.3万円となっており、約100万円近い差があることがわかります。

このように、地域によって年収には大きな差が見られますが、必ずしも大都市圏=高収入とは限りません。実際に、三大都市圏に含まれる大阪府や千葉県、兵庫県などでは、全国平均を下回る年収となっています。

年収だけで就職先を判断するのではなく、勤務環境や職場の雰囲気、福利厚生、通勤のしやすさなども含めて、総合的に検討することが大切です。

参照:視能訓練士|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省

視能訓練士と他の医療系職種との年収比較

視能訓練士とその他の医療系職種の年収比較の結果は、以下の表のとおりです。

職業年収相場
視能訓練士444.2万円
言語聴覚士444.2万円
作業療法士444.2万円
歯科衛生士405.6万円
看護師519.7万円

視能訓練士の年収は、言語聴覚士や作業療法士と同程度であり、リハビリテーション分野の医療職種とほぼ同水準であることがわかります。一方、歯科衛生士と比べると約40万円高く、看護師と比べると約80万円低い水準です。

特に看護師との年収差が大きいのは、夜勤や交代制勤務といった勤務形態の違いによるものと考えられます。視能訓練士は基本的に日勤中心の働き方であるため、ワークライフバランスを重視したい人には魅力的な職種といえるでしょう。年収以外の面も含めて、自分に合った職業を選ぶことが重要です。

参照:視能訓練士|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省

参照:言語聴覚士|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省

参照:作業療法士(OT)|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省

参照:歯科衛生士|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省

参照:看護師|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省

視能訓練士として年収を上げる方法

授業を受ける専門学生

視能訓練士は、働き方の工夫次第で年収アップが可能な職種です。自分に合った働き方を見つけて、収入向上を目指しましょう。 ここでは、視能訓練士として年収を上げる具体的な方法を4つ紹介します。

専門スキルや知識を深める

視能訓練士の年収を上げるうえで、専門スキルの向上や最新知識の習得は重要です。 視力検査や斜視・弱視の訓練、網膜検査など、日々の業務で扱う検査機器や訓練技術は多岐にわたります。これらを的確に扱える技術力や、患者の症状に合わせた柔軟な対応力が求められます。

また、学会や勉強会、セミナーへの参加を通じて最新の医療知識を学ぶことで、職場内での信頼や評価が高まり、昇給のチャンスにもつながるでしょう。

管理職・主任などの役職に就く

年収アップを目指すなら、管理職や主任といった役職を目標にするのも有効です。役職に就けば、基本給に加えて役職手当が支給されるため、収入アップが期待できます。

そのためには、日々の業務に主体的に取り組むことが大切です。後輩や新人スタッフの教育に積極的に関わったり、業務の効率化や改善提案などを行ったりすることで、リーダーシップやマネジメント能力をアピールできます。

ただし、昇進の条件やタイミングは職場によって異なるため、自分の勤務先がどのような評価制度を設けているか、事前に確認しておくと安心です。

勤務形態を工夫する(夜勤・ダブルワーク)

視能訓練士は一般的に日勤が中心ですが、時間に余裕がある方は副業や兼業を組み合わせることで収入アップを図ることも可能です。

例えば、健診センターでの短期バイトや、週末だけの非常勤勤務などを組み合わせることで、柔軟に働きながら収入を増やせます。厚生労働省のガイドラインでも、副業・兼業は原則容認とされており、視能訓練士にも当てはまります。

ただし、常勤先の就業規則によっては副業が制限されている場合もあるため、事前に確認が必要です。また、体調や生活バランスを崩さないよう、無理のない範囲での働き方を心がけましょう。

参照:副業・兼業|厚生労働省

病院規模や診療科に注目して転職する

視能訓練士の年収は、勤務する病院の規模や診療科によっても大きく異なります。

例えば、私立大学病院で勤務する視能訓練士の平均年収は510.1万円と、全国平均の444.2万円より高くなっています。一方で、国公立医療機関では485.2万円、準公立では456.8万円と、勤務先によって収入に差があることが分かります。

また、インセンティブ制度を導入している眼科クリニックなどでは、成果に応じて報酬が加算されるため、高収入を目指す方には好条件の職場といえるでしょう。

ただし、転職によって勤続年数がリセットされる場合は、年収が一時的に下がる可能性もあります。転職先の待遇や昇給制度を事前によく確認することが重要です。

参照:視能訓練士実態調査報告書2020年 | 公益社団法人日本視能訓練士協会

視能訓練士の将来性について

資料を見る医療従事者

視能訓練士は安定したニーズがある一方で、医療機器の発展や業務分野の拡大により、今後さらに活躍の場が広がると期待される資格です。ここでは、視能訓練士の将来性を3つの視点から説明します。

高齢化の進展と眼科医療の需要増加

日本は世界でも有数の高齢化社会であり、今後ますます高齢者人口が増加する見通しです。これにともない、白内障や緑内障、加齢黄斑変性といった加齢による眼疾患の患者数も増えると予想されています。

これらの疾患の早期発見や進行管理には、精密な視能検査が不可欠です。視能訓練士は、眼科医療における専門的な検査や訓練を担う存在として、その需要が高まっています。

特に、網膜電図(ERG)や視野検査など、高度な知識と技術を必要とする検査を担当できる視能訓練士は、医療機関において重宝されるでしょう。

医療機器の高度化と専門性の向上

近年、眼科領域では医療機器の高度化が進んでおり、視能訓練士にはより高度な機器の操作スキルが求められるようになっています。

例えば、網膜の状態を高精度で可視化できるOCT(光干渉断層計)や、自動視野計、眼底カメラといった先進機器の活用が進んでおり、それらを適切に扱える人材が求められています。こうした検査機器を駆使して得られる正確なデータは、眼科医による早期診断や治療計画の立案に欠かせないものです。

視能訓練士が医療現場で果たす役割は、今後も専門性の向上とともに広がっていくでしょう。

勤務先の多様化と働き方の選択肢

視能訓練士の活躍の場は、これまで主流だった病院や眼科クリニックにとどまらず、着実に広がっています。

近年では、医療系の一般企業や視能訓練士の養成校で教員として働くといった、新たなキャリアパスも注目されています。企業では医療機器メーカーや検診センターなどで専門知識を活かした業務に従事できるほか、教育機関では後進の育成に関わることで社会貢献にもつながります(※)。

また、パートタイムや非常勤といった柔軟な働き方が可能な職場も増えており、ライフスタイルに合わせた就業がしやすい職種です。結婚や出産などのライフイベントを迎えた後でも、専門性を活かして長く働けるのは視能訓練士の大きな魅力といえるでしょう。

参照:視能訓練士実態調査報告書2020年 | 公益社団法人日本視能訓練士協会

これから視能訓練士になることを目指している方は、下記記事も参考にしてください。

視能訓練士になるには専門学校がおすすめ?大学との違いや学費について解説

まとめ

視能訓練士は、視機能に特化した検査や訓練を担う専門職であり、全国平均年収は444.2万円となっています。専門スキルの習得や転職、昇進などの工夫によっては、年収アップも十分に期待できる職種です。

また、高齢化の進展や医療機器の高度化といった社会的背景から、視能訓練士のニーズは今後さらに高まると予想されており、将来性のある安定した職業といえるでしょう。

近年では病院に加え、一般企業や養成施設での採用も進んでおり、活躍のフィールドも広がっています。医療現場で専門性を発揮したい方や、長期的に安定したキャリアを築きたい方にとって、視能訓練士は非常に魅力的な選択肢です。

視能訓練士の資格に興味がある方は、まずは専門の養成校で学びを深め、将来に向けた一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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