医校・医専の医療コラム / リハビリ・スポーツ / 柔道整復師になるには専門学校に何年通う?学費や理学療法士との違いについて解説!

柔道整復師になるには専門学校に何年通う?学費や理学療法士との違いについて解説!

柔道整復師と理学療法士はリハビリテーションの分野で大切な役割があり、両者とも国家資格が必要です。薬物療法や手術を用いずに、患者さまの回復をサポートするという共通点があります。しかし、具体的な違いは、まだ十分に理解されていない部分も多いのが現状です。

そこでこの記事では、理学療法士と柔道整復師それぞれの特徴や違い、自分に適した職種を選ぶためのポイント、さらにはダブルライセンス取得のメリットを詳しく解説します。将来の進路選択や資格取得の参考にしてください。

目次

柔道整復師になるには?

柔道整復師になるには

柔道整復師を目指すには、まず認定された養成施設での学習が必要です。専門学校なら3年以上、短大は3年制、大学は4年制のコースがあり、基礎医学や柔道整復学などの科目を履修します。

養成施設を卒業後、国家試験の受験資格を取得して合格することで、晴れて柔道整復師として働けます。なお、資格取得後は接骨院での勤務や開業という道も選択可能です。

下記では具体的な方法を詳しく解説します。

柔道整復師の養成施設に入学

柔道整復師を目指すには、まず文部科学大臣指定の専門学校や大学、あるいは都道府県知事指定の柔道整復養成施設で3年以上学ぶ必要があります。

具体的には専門学校が3年以上、短大が3年制、大学が4年制のコースとなります。

卒業と同時に受験資格を得る

指定の施設で基礎医学や柔道整復学などの所定科目を履修し、卒業すると同時に国家試験の受験資格を得られます。

柔道整体師の国家試験を受験し、合格する

柔道整復師国家試験の合格基準は、必修問題と一般問題の両方で規定の基準を満たす必要があります。

必修問題は全50問で1問1点の配点となっており、総点数の80%以上である40点以上を取得しなければなりません。一方、一般問題は全200問で同じく1問1点の配点で、総点数の60%以上である120点以上の得点が必要です。

つまり必修問題で40点以上、一般問題で120点以上という両方の基準を満たした受験者のみが合格となります。どちらか一方でも基準に満たない場合は不合格となるため、バランスの取れた学習が大切です。

参照:厚生労働省|第32回柔道整復師国家試験の合格発表について

資格を取得し、柔道整体師として活動を開始する

国家試験に合格しても、すぐには柔道整復師として働くことはできません。合格後は柔道整復研修試験財団に柔道整復師免許申請書を請求し、免許登録の申請をおこなう必要があります。

申請が受理され、柔道整復師名簿に正式に登録されて、はじめて柔道整復師としての第一歩を踏み出せます。

柔道整復師になるためには学校に何年通う?

柔道整復師 学校

柔道整復師になるためには、文部科学大臣が指定した学校または都道府県知事が指定した柔道整復養成施設で学ぶ必要があります。専門学校の場合は3年以上の修学期間が必要とされ、その間に基礎医学や柔道整復学などの所定科目を履修します。

ここでは専門学校と大学での就学期間を詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

専門学校での修学期間

専門学校の柔道整復師養成課程では、国家資格取得と就職に必要な技術習得を重視した実践的なカリキュラムが組まれています。3年制を基本としているため、大学と比べて学費を抑えられ、早期就職が可能です。

また、柔道整復師に特化した専門的な教育環境が整っており、充実した実習設備と経験豊富な教員による指導により、多くの学校が高い国家試験合格率を誇っています。

このように専門学校では、柔道整復師になるための実践的な知識と技術を効率的に習得できるのが特徴です。

大学での修学期間

柔道整復師を目指す場合、認定された大学や短大でも必要な学問と技術を習得できます。これらの教育機関では、柔道整復師に必要な専門科目を中心としながら、幅広い一般教養も学べるのが特徴です。

特に4年制大学では柔道整復師の資格取得に加えて、学士の学位も取得できるため、将来的に一般企業への就職も視野に入れられます。大学では専門学校とは異なり、専門性と教養を両立させた総合的な学びが可能です。

柔道整復師を目指す学校の学費

柔道整復師 専門学校の学費

柔道整復師を目指す際の教育費用は進路を選択する上でとても大切な要素です。ここでは専門学校と大学の学費をそれぞれ紹介します。

専門学校の学費

柔道整復師の養成課程がある専門学校の学費は、総額で約400万円から450万円が一般的な相場となっています。この費用には入学金と授業料などの基本的な教育費用が含まれており、3年間の学習に必要な基本的な費用として考えられています。

なお、医校・医専で柔道整復学科(1年)にかかる学費は以下のとおりです。

  • 授業料:970,000円
  • 教育充実費:180,000
  • 施設・設備維持費:150,000円
  • 総額:1,300,000円

入学金は300,000円となります。ただし、各年次で必要となる教材や教科書、専門書の費用が加算されるため、実際の総費用はこれより高くなることがあります。

大学の学費

柔道整復師養成課程のある大学の学費は、総額で約640万円から710万円が一般的な相場となっています。専門学校より修学期間が1年長いため、総費用が専門学校と比べて高額です。

4年間の大学教育を通じて、専門知識に加えて幅広い教養も身につけられますが、進学を検討する際には費用面も含めた総合的な判断が必要となります。

柔道整復師に求められるスキル

以下のスキルを身につけることで、柔道整復師として患者に適切な治療を提供し、信頼関係を築くことができます。

専門知識と技術

柔道整復師は、国家資格を取得して初めて業務が可能になる専門職です。

骨格や筋肉、神経の構造を正確に理解する必要があり、骨折・脱臼・捻挫などに対しての施術を安全かつ適切におこなう技術が求められます。

コミュニケーション能力

患者さんと適切な信頼関係を築くためのコミュニケーション能力は非常に重要です。

患者さんの痛みや不安を的確に把握するためのヒアリング力。施術内容や治療方針をわかりやすく説明し、安心感を与えることはもちろん、苦しみや不安に寄り添い、心地よい対応を心がけるべきです。

観察力・判断力

患者さんの状態を的確に把握し、施術を選択する力が求められます。姿勢や動き、触診から患者さんの異常を判断していきましょう。

また、症状が柔道整復の範囲内か、他の医療機関への紹介が必要かなどの判断も必要になります。

学びの継続力

医療やリハビリの分野は日々進歩しているため、働きながらも学び続ける姿勢が大切です。

セミナーや研修への参加して、新しい治療法を習得したり、医療業界のルールや変化に対応していかなくてはなりません。

柔道整復師と理学療法士の比較

柔道整復師と作業療法士の違い

柔道整復師と理学療法士はいずれも手技により、患者さまの怪我や病気の治療に携わる医療系の国家資格です。患者さまの外傷治療に関わる仕事を目指す方にとって、この二つの職種の選択は検討課題となるかもしれません。

それぞれ特徴があり、働く環境や治療のアプローチ方法も異なるため、慎重に検討することが大切です。ここでは理学療法士と柔道整復師の違いを詳しく解説します。

修学期間の比較

理学療法士と柔道整復師は、どちらも養成施設で3年以上学び、国家試験合格後に厚生労働大臣から免許の交付を受ける必要のある医療系国家資格です。

養成施設については、両者とも4年制大学、3年制短期大学、専門学校などの選択肢がありますが、選択傾向に違いが見られます。

柔道整復師は専門学校卒業が主流となっているのに対し、理学療法士は4年制大学卒業と専門学校卒業が半々程度です。このように同じ医療系資格でも教育課程の選択に特徴的な違いがあります。

資格取得の難易度

合格率にも違いが見られます。

2024年度試験合格率過去5年間の合格率
柔道整復師の合格率66.4%約65%
理学療法士の合格率89.2%約85%

柔道整復師理学療法士では、一見すると理学療法士のほうが合格しやすいように感じられます。

しかし、柔道整復師の新卒合格率は84.0%と、理学療法士の合格率とほぼ同等です。このことから、両資格の試験難易度に大きな違いはないと結論づけられます。

どちらが難しい?仕事内容の比較

柔道整復師と理学療法士の主な違いは、その仕事内容と専門分野にあります。

柔道整復師は骨折や脱臼、捻挫といった外傷の治療を専門としているのに対し、理学療法士は怪我や手術後の患者さまの身体機能回復を目的としたリハビリテーションを専門としています。

このように、同じ医療系の資格でありながら、それぞれが異なる専門性を持って患者さんの治療に携わっているのが特徴です。

柔道整復師と理学療法士の仕事内容や就職先の違いを詳しく見ていきましょう。

柔道整復師の特徴

柔道整復師の仕事内容や就職先を紹介します。

仕事内容

柔道整復師は外科的手術や投薬に頼らず、手技療法を中心とした施術で骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷などの骨や関節の外傷を治療します。

主な施術方法として、以下のように整復法、手技療法、物理療法、運動療法などがあります。

施術方法
整復法触診で患部の状態を確認

骨折した箇所を元通りにしたり、外れた関節を復元したりする
手技療法軽擦法、叩打法、圧迫法など、手を使って患部を施術する
物理療法熱、低周波、高周波、電気、光線などの機器を使用して患部に刺激を与え、治癒を促進する
運動療法身体機能の回復やリハビリを目的とした運動・機器と手技の両方を組み合わせて治療をおこなう

この他にも固定法や牽引法など、患者さまの状態によって治療をおこないます。

就職先

柔道整復師は国家資格を取得することで、単独での施術が認められており、接骨院や整骨院を開業できます。

そのため、経験を積んだ後に独立して自身の治療院を開設し、院長として柔道整復施術を患者さまへ提供できます。柔道整復師として開業の自由は、選択肢するうえで大きなポイントとなるでしょう。

理学療法士の特徴

理学療法士の仕事内容や就職先を紹介します。

仕事内容

理学療法士は医師の指示のもと、怪我や病気で身体機能に障害を負った患者に対して、動作能力の回復、維持、向上を目的としたリハビリテーションをおこないます。

治療に際しては、まず医師からの指示内容を確認し、患者さまの身体機能を評価したうえ 上で具体的な治療目標と計画を立案するのが特徴です。

療法は柔道整復師と共通する運動療法や物理療法などが挙げられます。

施術方法
運動療法関節可動域訓練、筋力増強訓練、基本動作訓練などを実施する

寝返りや起き上がり、座位の保持、車いすとベッド間の移動といった具体的な動作の改善を目指す
物理療法温熱、超音波、低周波、電気などの物理的刺激を用いて、痛みの緩和や治癒の促進

理学療法士は医師の指示がなければ治療をおこなえません。

就職先

理学療法士は法律上、医師の指示のもとで理学療法を実施することが定められているため、独立して理学療法院を開業することはできません。

ただし、理学療法以外のサービスであれば可能です。たとえば整体やエステなど、独立して施術院を開業できます。

資格取得後のキャリア

柔道整復師の理学療法士のキャリアの違いに関して解説します。

柔道整復師のキャリア

柔道整復師として活躍の場は多岐にわたります。以下に具体例をまとめました。

  • 整骨院や接骨院での治療
  • 病院の整形外科や整形外科クリニックでの医療サポート
  • 高齢者福祉施設または訪問リハビリテーションでの介護支援
  • スポーツの現場でのトレーナー業務 など

ただし、スポーツトレーナーやアスレティックトレーナーとしての仕事は、高度な施術スキルや接客経験が求められるため、新人には不向きとされています。

そのため、まずは整骨院や接骨院で実践的なスキルと経験を積むのがおすすめです。

また、柔道整復師に向いている人の特徴として下記を参考にしてください。

  • 手先が器用
  • 共感力・コミュニケーション能力が高い
  • 十分な体力がある
  • 清潔感がある など

上記の要素は資格取得者であれば基本的に備わっているものの、現場で活躍するためにはさらなる向上が求められます。

理学療法士のキャリア

柔道整復師として、より専門的な技術と知識を身につけるためには、自身が興味を持つ分野に関連する資格の取得も一つの手段となります。

理学療法士の資格を追加で取得することはもちろん、その他の関連資格を取得することで、提供できる施術の幅が広がり、さらにはキャリアの選択肢も増やせます。

  • スペシャリストを目指す
  • 管理職として働く
  • アスレティックトレーナー
  • 知識やスキルを生かして転職する

理学療法士が向いている人は下記のとおり 通りです。

  • 洞察力が高い
  • 心身が健康
  • コミュニケーション能力が高い

向いている人に関しては柔道整復師とほぼ同じですが、治療方針の決定に関する裁量が限られることや、独立開業ができないという制約があります。

両資格の取得を目指す選択肢

柔道整復師と理学療法士にはそれぞれ特徴が異なるため、ダブルライセンスを検討するのもおすすめです。下記では取得する際のメリットや課題を解説します。

ダブルライセンス取得のメリット

柔道整復師・理学療法士のダブルライセンスを取得することで、外傷治療からリハビリテーションまでの一貫した治療アプローチが可能となり、より包括的な医療サービスを提供できます。

柔道整復師としての手技療法の専門性に加えて、理学療法士としての機能回復訓練の知識と技術を組み合わせることで、患者さまの症状や状態に応じたベストな治療法を選択できます。

また、医療機関での勤務と、接骨院での施術と両方に携われるのがメリットです。幅広い就職先の選択や、より高度な治療技術の習得が可能となるでしょう。

ダブルライセンス取得の課題

柔道整復師または理学療法士の資格をすでに持っている方が、さらにもう一方の資格取得を目指すケースはあります。

しかし、両資格とも実務経験が必要なため、一方の資格取得後すぐに3年間の全日制通学を選択するのは現実的ではありません。そのため、一つの資格を取得して実務経験を積みながら、夜間部の学校に通って二つ目の資格取得を目指すというルートが推奨されます。

夜間部は学校によって開始時刻が異なりますが、18時から授業が始まるケースもあり、仕事と学業の両立が可能です。

ただし、追加の学費や教材費などの費用負担が必要となることは考慮しておく必要があります。

柔道整復師専門学校に関するよくある質問

柔道整復師専門学校に関するよくある質問をまとめました。

学費の支払い方法は分割できますか?

学校によっては学費の分納が可能な場合がありますが、一般的には全額一括納入の場合が多いです。HPには記載がなくとも、事情を説明すれば柔軟に対応してくれることもあるので、入学の意思があることを伝えつつ学校の入学担当者に相談してみましょう。※入学担当者以外に問い合わせても事務的に断られる可能性が高いので注意。

奨学金制度や教育ローンは利用できますか?

多くの柔道整復師専門学校では、日本学生支援機構の奨学金や独自の奨学金制度が利用可能です。また、教育ローンも提携している場合があります。学費の分割払いや特待生制度など、様々な経済的支援があるので、各学校に詳細を確認することをおすすめします。

社会人学生向けの支援制度はありますか?

多くの専門学校では、社会人学生向けの支援制度があります。厚生労働省の専門実践教育訓練給付金制度や、夜間部の設置、学費の分割払いなどがあります。また、一部の学校では社会人経験を評価する入試制度もあるので、各学校に確認してください。

柔道整複師 専門学校の合格率はどれくらいですか?

柔道整復師国家試験の合格率は学校によって異なりますが、全国平均で約70〜80%程度です。ただし、上位校では90%以上の高い合格率を誇るところもあります。各学校の過去の合格実績を確認し、サポート体制なども考慮して選択することをおすすめします。

実習はどれくらいの期間ありますか?

実習期間は学校によって異なりますが、一般的に2〜3年次に集中して行われます。臨床実習は数週間から数ヶ月程度で、学内実習と併せて実践的なスキルを身につけます。具体的な期間は各学校のカリキュラムによって異なるので、詳細は希望する学校に確認してください。

夜間や通信教育で柔道整復師の資格を取得することは可能ですか?

夜間部を設置している専門学校は多くあり、仕事と両立しながら資格取得を目指すことが可能です。ただし、通信教育のみで柔道整復師の資格を取得することはできません。実技や実習が重要なため、一部の講義をオンラインで受講できる学校はありますが、全てを通信で行うことはできません。

柔道整復師の専門学校を卒業後、どのような職場で働けますか?

卒業後は、接骨院や整骨院、病院の整形外科、スポーツクラブ、介護施設などで働くことができます。また、プロスポーツチームのトレーナーとして活躍する道もあります。近年では、企業の健康管理部門や健康器具メーカーなど、幅広い分野で柔道整復師の知識や技術が求められています。

柔道整復師として開業することは可能ですか?

柔道整復師の資格を取得し、一定期間の実務経験を積んだ後、開業することは可能です。ただし、開業には厚生労働省の認可が必要で、施設基準や設備、人員配置などの条件を満たす必要があります。また、経営知識も重要になるため、開業を目指す場合は実務経験を積みながら準備を進めることをおすすめします。

卒業後の就職率や平均年収はどれくらいですか?

柔道整復師専門学校の卒業生の就職率は、多くの学校で90%以上と高い水準にあります。平均年収は経験や勤務先によって異なりますが、一般的に300〜500万円程度です。ただし、開業や高度な技術を持つ専門家になると、それ以上の収入を得ることも可能です。詳細は各学校の就職実績や業界の最新データを確認してください。

専門学校の卒業生の就職支援体制はありますか?

多くの柔道整復師専門学校では、充実した就職支援体制を整えています。求人情報の提供、履歴書・面接指導、就職セミナーの開催、OB・OG訪問の斡旋などがあります。また、学校と提携している接骨院や病院などへの就職サポートもあります。卒業後もキャリアサポートを行っている学校も多いので、各学校の具体的な支援内容を確認することをおすすめします。

まとめ

柔道整復師を目指すには、文部科学大臣指定の専門学校や大学、または都道府県知事指定の養成施設で3年以上学び、国家試験に合格しなくてはなりません。ただし、ある程度難易度が高いため、しっかり学校で学ぶ必要があります。

医校・医専の柔道整復学科は、国家試験合格率100%を誇る専門学校です。

※2024年年3月実績(2024年全国平均66.4%)昼間部と夜間部を設置し、ダブルライセンス取得も支援しています。

専任教官による国家試験対策や各種資格試験に向けた丁寧な個別指導を実施しています。さらに接骨院や整形外科病院での実務経験、独立開業の経験を持つ教官陣が実践的で専門性の高い授業を展開。

また、授業以外でも専任教官による個別フォローアップ体制が整っており、学生一人ひとりが納得いくまでサポートを徹底しています。その結果、2023年3月卒業生の希望者就職率は100%を達成しました。

当校にご興味ある方は、ぜひオープンキャンパスや無料請求をご利用ください。