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看護業界を徹底解説!主要職種・最新動向・求められるスキルとは

看護師の職種の幅や今後のキャリア形成について、悩む方も多いのではないでしょうか。

看護業界には病棟や外来だけでなく、訪問看護や企業看護師など幅広い職種があり、働き方の選択肢は広がっています。

本記事では、看護業界の主要職種や最新動向、求められる資質を解説します。

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看護業界の主な職種

看護師3人

看護師の仕事は多様で、働く場所や役割によって内容も異なります。ここでは、看護業界の主な職種を確認しましょう。

関連記事:看護とは?定義・対象者・仕事内容・介護との違いなどわかりやすく解説

臨床現場(病院・クリニック)

病院やクリニックでの看護は、それぞれの場所で役割が異なります。

病棟看護師(一般・療養・精神など)

病棟看護師は入院患者の療養生活全般を支える看護職です。主な仕事内容は以下のとおりです。

  • バイタル測定
  • 採血や点滴管理
  • 食事や入浴
  • 排泄ケア
  • 与薬や服薬管理

急性期病棟では治療開始直後の患者へのケアを提供し、療養病棟では長期入院の方へ継続的な支援を提供します。

参考:看護師 – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)

外来看護師

外来看護師は通院患者の診察をサポートする看護職です。仕事内容は以下のとおりです。

  • 問診
  • バイタルの測定
  • 医師のサポート
  • 採血
  • 検査の説明やサポート
  • 生活指導

病棟のような身体介助は少なく、患者と短時間で信頼関係を築くコミュニケーション力が問われます。

手術室(オペ室)看護師

手術室看護師は、手術の進行を支える専門性の高い看護職です。執刀医に器械を渡す「器械出し」と、麻酔介助や全身管理をおこなう「外回り」の2つの役割があります。

手術中は立ちっぱなしで長時間集中力を保つ必要があり、体力と精神力が求められます。すべての診療科の手術に対応するため、解剖生理や医療機器の知識を継続的に学ぶ姿勢が欠かせません。

集中治療室(ICU・CCU)看護師

集中治療室の看護師は、重篤な患者の生命維持を担う看護職です。ICUでは手術直後や重症患者を、CCUでは心疾患の患者を24時間体制で看護します。

人工呼吸器や心電図モニターなど高度な医療機器を扱いながら、わずかな変化も見逃さない観察力が必要です。

救急看護師(ER)

救急看護師は緊急搬送された患者の初期対応をおこなう、救命の最前線で働く看護職です。医師とともに以下のような救命処置を迅速に実施します。

  • 意識確認
  • 医師のサポート
  • 血管確保
  • 採血
  • 酸素投与
  • 家族へのケア

あらゆる年齢や疾患の患者が運ばれてくるため、幅広い知識と瞬時の判断力が必要です。

地域・在宅分野

地域や在宅での看護は、医療と生活をつなぐ役割を担います。

訪問看護師

訪問看護師は、利用者の自宅を訪問して医療的ケアと生活支援をおこなう看護職です。主な仕事内容は以下のとおりです。

  • 健康状態の確認
  • 点滴の実施
  • 褥瘡ケア
  • 投薬・服薬の管理
  • 家族への指導・援助

病院と異なり医療機器が限られた環境で、利用者とご家族の意向を尊重しながら看護を提供する点が特徴です。

参考:在宅医療における看護師(主に訪問看護)の役割とは|厚生労働省

施設看護師(介護老人保健施設・特別養護老人ホームなど)

介護施設の看護師は、入所者の健康管理と医療処置を担う看護職です。バイタル管理や褥瘡ケア、喀痰吸引、服薬管理などの医療行為を中心におこない、入所者の健康状態を継続的に観察します。

日常的な医療行為に加え、介護職員と連携して食事や入浴の介助をサポートする場面もあります。

健診・検診センタースタッフ

健診センターの看護師は予防医療を通じて受診者の健康維持に貢献する看護職です。問診や採血、心電図測定などの検査業務を1日に数十人から100人以上に対して効率的におこないます。

企業や学校への出張健診に同行し、機材の設営から検査実施まで幅広く対応する場合もあります。

保育園・企業看護師(産業保健)

保育園や企業の看護師は、施設内で健康管理と予防医療を担当する看護職です。保育園では園児の健康チェックやけがなどの応急処置、感染症予防のための衛生管理などをおこないます。病棟のような医療行為はほとんどなく、保育業務のサポートに入る場面も多いです。

企業では産業看護師として従業員の健康診断や保健指導、メンタルヘルスケアを実施し、職場全体の健康増進に貢献します。

専門・管理・その他

看護業界には、専門性を磨き続けるだけでなく、管理職としてキャリアを広げる道もあります。

看護管理者(看護師長・看護部長)

看護管理者は、病棟や看護部全体の運営を担う管理職です。看護師長・部長の役割は以下のとおりです。

役職役割業務内容
看護師長部署の運営・現場管理を担う・スタッフのマネジメント
・シフト作成
・他職種との連携、調整
・部署内の看護の質管理
看護部長看護部全体を統括し、病院経営にも参画する・看護師の採用計画
・教育方針の策定
・予算管理
・組織全体の運営と方針決定
参考:病院看護管理者のマネジメントラダー 日本看護協会版|公益社団法人 日本看護協会

豊富な臨床経験に加え、組織管理能力や人材育成能力、危機管理能力などの幅広いマネジメント力が必要です。

専門看護師(CNS)

専門看護師は、特定分野で卓越した看護実践能力を持つスペシャリストです。がん看護や精神看護など14の専門分野があり、複雑な健康問題を抱える患者や家族に高度な看護を提供します。

また、他の看護師や医療職への教育、病院と地域の医療機関をつなぐ調整を担ったりと、施設全体や地域の看護の質向上に貢献します。

資格取得には、看護師として5年以上の実務経験と大学院修士課程の修了が必要で、認定審査に合格しなければなりません。

参照:専門看護師 看護職の皆さまへ|公益社団法人 日本看護協会
参照:専門看護師ってどんな看護師?|公益社団法人 日本看護協会

認定看護師(CN)

認定看護師は特定分野で熟練した知識と技術を持つ、現場のスペシャリストです。感染管理や緩和ケアなど19の分野があり、専門的な治療や看護が必要な患者への実践に加え、他の看護師への指導や相談対応を通じて看護の質向上に貢献します。

資格取得には5年以上の実務経験と教育機関での800時間程度の研修が必要で、認定審査に合格する必要があります。現場での直接的なケアに重点を置いているのが特徴です。

参照:認定看護師 看護職の皆さまへ|公益社団法人日本看護協会
参考:認定看護師ってどんな看護師?|公益社団法人 日本看護協会


看護教員(教育機関)

看護教員は、看護学校で将来の看護師を育成する教育者です。講義や実習指導、国家試験対策など学生の成長を支える業務を担当します。

専任教員になるには5年以上の実務経験と専任教員養成講習会の受講、または大学院での単位履修が必要です。

参照:専任教員養成講習会実施要領|厚生労働省

看護業界の最新動向

PCを操作する看護師

医療を取り巻く環境の変化により、看護師の働き方や求められる役割も変わりつつあります。最新動向を見てみましょう。

病院から地域・在宅医療へのシフト

国は病院の機能を高度急性期に集約する方針を進めており、看護師の活躍の場が地域や在宅へと広がっています。

地域包括ケアシステムの構築にともない、訪問看護ステーション数も増加し、在宅での看取りや重症化予防などの新たな役割を担うようになりました。

高齢者の増加で需要は供給を上回り、特に在宅分野での人材不足が深刻化しています。

参考:地域医療構想|厚生労働省
参照:令和7年度訪問看護ステーション数調査結果|一般財団法人全国訪問看護事業協会

デジタル化(DX)の加速と新たな役割

看護業務のデジタル化が進み、記録作業の負担が軽減されつつあります。電子カルテやバイタルサイン自動記録システムの導入により、手書きや転記にかかる時間が削減され、患者のケアに集中できる環境が整ってきました。

AIによる生体データの監視や遠隔モニタリング用のカメラなど、先端技術の活用も始まっています。こうした機器を使いこなす適応力が求められ、関連スキルの習得がキャリア発展に欠かせません。

参考:看護現場におけるデジタルトランスフォーメーションの促進|厚生労働省

働き方改革とタスク・シフト/シェアの推進

看護師の負担を減らし離職を防ぐため、業務の見直しと再分配が進んでいます。環境整備や備品管理などの業務を看護助手や事務職員に移管し、看護師は専門性の高い業務に注力できる体制づくりが進められています。

夜勤回数の見直しや勤務間隔の確保、短時間正社員制度の導入など、働き方の選択肢も増えてきました。医師の指示を待たずに特定の医療行為をおこなえる特定行為研修修了者の育成も推進され、責任ある役割を担う看護師が求められています。

参考:看護の専門性の発揮に資するタスク・シフト/シェアに関するガイドライン及び活用ガイド|公益社団法人 日本看護協会
参考:夜勤・交代制勤務の負担軽減に向けて | 看護職の皆さまへ | 公益社団法人 日本看護協会
参考:特定行為に係る看護師の研修制度|厚生労働省

看護業界で活躍するために求められる資質

人差し指を立てている女性

ここでは、看護業界に求められるスキルを紹介します。

高度な観察力と迅速な判断力

看護師は患者と長く接する医療職であり、わずかな変化を見逃さない観察力が求められます。

表情や全身状態、バイタルサインの小さな変動などから異常を察知し、医師への報告や初期対応を素早く判断する力が欠かせません。

多職種連携能力とコミュニケーション力

現代医療はチームで提供されており、看護師は情報をつなぐ中心的な役割を担っています。

医師や薬剤師、理学療法士など多職種と円滑に連携し、患者の状態や治療方針を正確に共有するスキルが欠かせません。患者やご家族との信頼関係を築くためにも、言葉だけでなく態度や表情を通じて思いやるコミュニケーション力も大切です。

奉仕の精神と倫理観

技術が進歩しても、患者の命と尊厳を守るという看護の根幹は変わりません。命を預かる責任の重さを自覚し、小さなミスも許さない姿勢で業務にあたる必要があります。

見返りを求めず患者の幸せを願う奉仕の精神や、患者を慈しむ心は、どの時代でも看護師に求められる基本的な資質です。

参考:看護職の倫理綱領 | 公益社団法人日本看護協会

まとめ

看護業界には病棟や外来などの臨床現場から、訪問看護や施設、企業看護師などさまざまな職種があります。

医療のデジタル化や地域包括ケアシステムの推進により、看護師の働き方や求められる役割も変化しています。

自分の興味がある分野を調べ、理解を深めながら看護師を目指しましょう。

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