精神保健福祉士として独立開業を考えているものの「何から準備すればよいのか」「どのようなビジネスモデルがあるのか」と疑問を感じていませんか。
精神保健福祉士は独立開業が可能な資格であり、相談援助や成年後見、研修講師など働き方の選択肢は広がっています。
本記事では、独立開業に必要な準備や具体的な手順、成功するために必要なスキルを解説します。
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精神保健福祉士は独立が可能!

精神保健福祉士は、独立開業が可能な資格です。個人事務所や法人を設立して相談援助業務や研修講演などで活躍する道があります。
ただし、カウンセリングを公的医療保険(保険診療)で提供できるのは、厚生労働大臣の指定を受けた保険医療機関(病院やクリニック)に限られます。そのため、独立開業した精神保健福祉士が自身の事務所でおこなうカウンセリングは、原則として保険適用の対象外です。
参考:健康保険法 | e-Gov 法令検索
参考:保険診療の理解のために|厚生労働省
精神保健福祉士が独立するメリット

精神保健福祉士が独立することで得られるメリットを確認しましょう。
働き方の自由度が増す
組織に属さず独立すれば、勤務時間や場所を自分で選べます。複数の業務を組み合わせた働き方も可能で、柔軟なスケジュールを組めます。
また、在宅でのオンラインカウンセリングや訪問型の相談支援など、ライフスタイルに合わせたサービス形態を選択できる点も魅力です。
自身の理念に基づいた支援が追求できる
独立すると、支援方針や事業の方向性をすべて自分で決められます。利用者ごとにオーダーメイドの支援プログラムを設計したり、時間をかけた丁寧な伴走支援を提供したり、組織では実現しにくいアプローチが可能です。
収入の増加が期待できる
独立後は以下のような複数の収入源を組み合わせることができます。
- 相談料
- 成年後見報酬
- 研修講師料
雇用されている場合と異なり、相談料や講師料は実績や専門性に応じて自分で単価を設定できます。また、複数の案件をかけ合わせることで、努力次第で収入上限の引き上げも可能です。
独立による難しい面もある

精神保健福祉士として独立するには、注意すべき点や課題もあります。
収入の不安定さ
独立直後は顧客基盤がないため、収入が安定しにくいです。雇用時のように毎月決まった給与が保証されず、依頼がなければ収入はゼロになる可能性もあります。
開業前には資金面の準備をしておきましょう。
責任が増える
独立すると、利用者支援だけでなく以下のような業務もおこないます。
- 契約書作成
- 請求処理
- 確定申告
特に成年後見業務では、金銭管理や法的判断を誤ると利用者に損害を与えるリスクがあり、責任は重大です。
トラブル発生時の対応も自分でおこなう必要があるため、弁護士や税理士といった専門家との連携体制を整えておきましょう。
参照:成年後見制度(後見・保佐・補助)の概要を知りたい方へ | 裁判所
社会的信用の確保と構築
開業当初は実績がなく、行政機関や医療法人から契約を獲得するハードルが高い状況です。組織の看板がない個人として、信頼をゼロから積み上げなければなりません。
まずは地道な活動で実績を作りつつ、セミナー登壇や執筆活動などを通じて専門家としての信頼を得ていく必要があります。
独立した精神保健福祉士の仕事内容

精神保健福祉士として独立後の業務は、相談援助から事業運営まで幅広く展開できます。
相談援助業務
メンタルヘルス不調を抱える方への個別相談や、家族への支援などが中心業務です。近年は、企業向けのメンタルヘルス支援や休職者の復職サポートの需要も高まっています。
オンライン相談の普及により全国の相談者に対応できるため、相談件数も伸ばしやすくなっています。
成年後見業務
判断能力が低下した方の財産管理や、身上監護(生活や療養の契約手続き)を担う成年後見人として活動できます。すでに判断能力が不十分な方のための法定後見だけでなく、本人が元気なうちに契約する任意後見の受任も可能です。
司法書士や弁護士、社会福祉士などと協働しながら業務を進めます。
参考:法人後見について|厚生労働省
参考:法定後見制度とは(手続の流れ、費用)|厚生労働省
参考:任意後見制度とは(手続の流れ、費用)|厚生労働省
参考:認定成年後見人ネットワーク「クローバー」|公益社団法人 日本精神保健福祉士協会
研修・講演
企業や行政機関、医療機関向けの研修・講演会講師としての業務もあります。主に以下のような内容で依頼を受けるケースが一般的です。
- メンタルヘルス研修
- ハラスメント防止研修
- 障害者理解研修
継続的な契約を獲得できれば、安定した収入源となるでしょう。
障害福祉サービスの開業・運営
グループホーム、就労継続支援事業所などの障害福祉サービスを開業する選択肢もあります。
なお、指定事業者となるには法人格が必要であり、個人事業主のままでは開業できない点に注意が必要です。 運営には利用者支援に加え、請求業務やスタッフ管理など多くの業務が発生しますが、事業規模が大きいため高い収益性を目指せます。
精神保健福祉士の独立開業モデルケース

独立の形態は専門性や目指す働き方によって選択できます。代表的な4つのモデルを紹介します。
「相談援助」特化型(個人事務所・カウンセリングルーム)
相談支援に特化し、利用者一人ひとりに深く向き合いたい方に向いたモデルです。オンライン相談を組み合わせれば、オフィスを借りずに自宅で開業でき、初期費用を抑えられます。
「成年後見」専門型(社会福祉士事務所併設)
法定後見や任意後見をメイン業務として、収入の安定化を図るモデルです。
社会福祉士や司法書士とチームを組んで運営すれば、複雑なケースにも対応しやすくなります。また、社会福祉士の資格も保有している場合は、介護保険と精神医療の両分野に自分で対応することもできるでしょう。
高齢化の進行により認知症高齢者が増加しており、成年後見の需要は今後も拡大が見込まれる分野です。
「事業所運営」型(グループホーム、就労支援施設など)
グループホームや就労継続支援事業所など、障害福祉サービスを運営するモデルです。複数の事業を組み合わせれば収益性はさらに高まります。
ただし、人員配置基準の遵守やスタッフ確保、法令に沿った運営管理が求められるため、経営スキルも必要です。
「講師・コンサル」型(法人・行政向け)
企業や行政機関向けに、メンタルヘルス研修や組織課題のコンサルティングを提供するモデルです。実績を積むと、執筆依頼や監修案件など派生的な仕事も増えていきます。
自分の専門性や時間の使い方次第で事業規模を調整しやすく、ライフスタイルに合わせた働き方を実現できる点が強みです。
独立開業までの具体的なロードマップ

独立を成功させるには段階的な準備が欠かせません。ここでは、精神保健福祉士が独立開業するための手順を確認しましょう。
ステップ1:ビジョンと事業領域の明確化
まず「誰に何を提供するのか」を明確にします。相談援助や研修講師、事業所運営など、どの分野に重点を置くかを決め、ターゲット層を具体化します。
自分の強みややりたい支援内容を言語化し、独立後の方向性を定めましょう。
ステップ2:実務経験と専門性の構築(最低5年〜10年は必要か)
精神科病院や社会復帰施設、行政機関などで幅広い経験を積みます。特定領域に強みを持つと独立後の差別化につながります。
担当したケースや専門研修の受講歴は、信頼を得るための武器になるため、意識的に経験と実績を積み重ねる期間です。
ステップ3:事業計画書の作成(ビジネスモデルの構築)
開業目的や提供サービスなどを明記した事業計画書を作成します。固定費、変動費、売上計画を含む収支モデルを組み立て、ターゲット層と集客方法も具体化します。
融資を受ける際にも必要な書類となるため、実現可能性の高い計画書を作成してください。
ステップ4:必要な資格・スキルの棚卸し(認定資格、経営知識など)
精神保健福祉士以外に必要なスキルを整理します。例えば、日本精神保健福祉士協会が認定する認定精神保健福祉士や、成年後見業務のための研修修了などは、独立後の信頼性を高めるために有効です。
また、経営者として会計やマーケティングの知識も不可欠なため、不足している分野は研修や書籍で知識を補いましょう。
参考:生涯研修制度とは|公益社団法人 日本精神保健福祉士協会
参考:クローバー登録者継続研修|公益社団法人 日本精神保健福祉士協会
ステップ5:開業資金の準備(自己資金、融資、助成金)
事務所開設費や広告費、備品購入費などの初期費用を算出します。自己資金だけでは足りない場合、銀行融資や自治体の助成金を組み合わせた資金調達が必要です。
資金計画を立てる際は、開業後数ヵ月分の運転資金も確保しておく視点が求められます。
ステップ6:開業手続き(開業届、法人設立、事務所の確保)
個人事業主として始める場合は税務署に開業届を提出します。法人化する場合は定款作成、登記、法人番号取得の手続きが必要です。
事務所の契約、ホームページ作成、業務に必要な機材の準備も並行して進めます。
ステップ7:営業活動とネットワーク構築
病院や行政機関、地域包括支援センターなどと連携体制を築きます。また、以下のような媒体を使用し認知度を高めましょう。
- SNS
- ホームページ
- ブログ
研修講師や監修案件の実績を積むと信用が強化され、紹介や依頼が増えやすくなります。
独立開業で成功するために不可欠な3つの力

精神保健福祉士が独立後も事業を続けていくために欠かせない、3つのポイントを見ていきましょう。
高い「専門性」:他と差別化できる強み
精神保健領域の深い知識と実践経験が、独立後の信頼獲得につながります。以下のような特定分野で実績を積むと差別化が図れます。
- 依存症支援
- うつ病の復職支援
- 発達障害者支援
継続的に研修を受講し、認定精神保健福祉士などの資格を取得すればクライアントや連携先からの信頼を強化できるでしょう。
仕事を獲得する「営業力」:人脈とマーケティング
行政機関や医療機関、企業との連携ネットワークを広げ、仕事を獲得する力が求められます。SNSやホームページで専門知識や活動実績を発信し、認知度を高める取り組みも欠かせません。
丁寧な対応は顧客満足を高め、口コミや紹介が広がることで依頼が安定して入る仕組みを作れるでしょう。
事業を継続させる「経営力」:会計・法務・マネジメント知識
事業を継続するためには、以下のような実務をこなす必要があります。
- 収支管理
- 税務処理
- 助成金申請
スタッフを雇用する場合は、労務管理のスキルも不可欠になるため、必要に応じて専門家のサポートを受ける体制を整えましょう。
まとめ
精神保健福祉士は独立開業が可能な資格であり、相談援助や事業所運営など働き方の選択肢は広がっています。
独立には自由な働き方や収入アップが期待できますが、収入が安定しないことや責任の増大、信用獲得の難しさといった点がデメリットです。成功するには、専門性を高めて他と差別化を図り、人脈とマーケティングで仕事を獲得し、事業を継続させる力が求められます。
実務経験を積み、事業計画や資金計画をしっかり整えて、独立後の安定した運営につなげましょう。
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