臨床工学技士は、生命維持管理装置の操作や保守点検をおこなう、医療現場では必要不可欠な存在です。臨床工学技士の仕事はどのようなものなのか、また、どういった魅力があるのか気になる方もいるでしょう。
本記事では、臨床工学技士のやりがいや仕事内容をわかりやすく解説します。臨床工学技士の仕事に興味のある方はぜひ参考にしてください。
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臨床工学技士の仕事とは?

まずは臨床工学技士の仕事について解説します。
臨床工学技士の定義と役割
臨床工学技士とは、医師の指示に基づいて、生命維持管理装置の操作・保守点検をおこなう専門職です。高度な医療機器を正しく扱うことで、治療の安全性を支える重要な役割があります。
担当する業務は以下のように多岐にわたります。
- 呼吸治療業務:人工呼吸器の作動確認や管理をおこない、自力での呼吸が難しい患者さんの呼吸状態を安定させるよう支援する
- 人工心肺業務:心臓手術中に、心臓と肺の働きを一時的に代行する人工心肺装置を操作し、手術が安全に進むよう支援する
- 血液浄化業務:腎機能が低下した患者さんの血液から老廃物や余分な水分を除去するために、透析装置の操作や穿刺を担当する
- 心血管カテーテル業務:心臓病の診断のための検査で機器を操作し、正確なデータ取得をサポートする
- 医療機器管理業務(MEセンター):院内にある多くの医療機器を点検・整備し、常に安全に使用できる状態を維持する
生命維持に関わる装置は患者さんの命に直結するため、臨床工学技士には高い専門知識と慎重な判断力が求められます。
参考:臨床工学技士|職業情報提供サイトjob tag
参考:臨床工学技士の業務|公益社団法人 日本臨床工学技士会
診療放射線技師との違い
診療放射線技師と臨床工学技士はどちらも医療機器を扱う専門職ですが、役割には大きな違いがあります。診療放射線技師は、画像検査と放射線治療を中心に担い、病気の発見やがん治療に直接関わる職種です。患者さんとの接触時間が長く、安心して検査や治療を受けてもらうためのコミュニケーション力が重要です。
一方で、臨床工学技士は生命維持管理装置の操作や保守点検が主な役割です。手術室で人工心肺装置を取り扱ったり、集中治療室で人工呼吸器や透析装置などを管理したりすることが主な業務になります。患者さんと関わる場面はありますが、機器と向き合う時間が長いのも特徴です。
両者に共通するのは、精密な医療機器を扱う点です。どちらも医療チームに欠かせない職種ですが、診断・治療を担当するか、生命維持装置を扱うかといった点で明確な違いがあります。
診臨床検査技師との違い
臨床工学技士と臨床検査技師は似た名前ですが、業務内容や役割には明確な違いがあります。
臨床検査技師は、医師が診断や治療方針を決定するために、患者さんの臨床検査をおこなう専門職です。血液や尿などの検体検査、心電図や超音波検査などの生理機能検査をおこない、精度の高いデータを医師に提供します。
一方、臨床工学技士は「医療機器のスペシャリスト」として、生命維持装置の操作と管理を通じて患者さんの治療を支える専門職です。
以上のように、臨床検査技師は身体の内部情報を分析して医師の診断を支える役割を担い、臨床工学技士は機器を扱う治療をサポートするといった違いがあります。
臨床工学技士の仕事の「やりがい」は4つある

ここからは、臨床工学技士の仕事のやりがいを4つご紹介します。
患者さんの「命」を直接その手で支える実感
臨床工学技士のやりがいとして大きいのが、患者さんの命を救う手助けができることです。臨床工学技士が取り扱う生命維持管理装置は、患者さんの命に関わります。
特に心臓手術での「人工心肺装置」の操作は、心臓を止めている間、患者さんの命そのものを臨床工学技士が預かっている状態です。そのため、責任も重大で緊張感もともなう役割ですが、その分やりがいと達成感も大きな職業です。
「機械のドクター」として医療スタッフから頼られる
臨床工学技士は、医療機器のスペシャリストとして他の医療スタッフから頼られる存在であるため、やりがいも感じやすいでしょう。特に手術室や集中治療室などの現場では、臨床工学技士の専門知識と技術が欠かせません。
臨床工学技士の仕事は機械を取り扱うだけでなく、医師に対して新たな医療機器の導入を提案したり、効果的な使用方法をアドバイスしたりすることもあります。医療の質向上にも貢献できるため、達成感も感じられるでしょう。
また、最先端の医療機器に触れる機会が多く自己成長できることも、臨床工学技士のやりがいにつながるといえます。
最先端医療を支えるチームの「要(かなめ)」になれる
臨床工学技士は、医療の最前線で最新技術を駆使して患者さんの治療に貢献できるため、チームの要(かなめ)として重要な役割を果たします。手術支援ロボットである「ダヴィンチ」や高度なカテーテル治療など、医療技術は日々進化しています。
新しい技術が導入される際、仕組みを理解し、医師に「どうすれば安全に使えるか」を提案・サポートするのは臨床工学技士の役割です。自身の知識と技術が、最先端の治療を成功させる鍵となる点に、面白さを感じる方が多いです。
患者さんとの長期的な信頼関係(特に透析業務)
臨床工学技士の仕事は、患者さんと向き合い長期的な信頼関係を築けることも魅力の一つです。特に人工透析業務では、患者さんと接する機会も多く、直接感謝の言葉をかけてもらえることもあり、達成感を感じられます。
患者さんが元気になり前向きになっていく様子を身近で見守れるため、日々の業務のモチベーションにもつながります。
臨床工学技士の将来性

臨床工学技士の将来性は非常に明るく、需要は拡大傾向にあります。まず、業務範囲の拡大により、今後も臨床工学技士のニーズが高まると考えられています。
令和3年に改正された臨床工学技士法施行令では、以下のようなこれまで医師にしかできなかった業務の一部が臨床工学技士に任されるようになりました。
- 人工呼吸器のマウスピースや鼻に入れるチューブなどを、身体に取り付けたり外したりする業務
- 人工透析業務で動脈・静脈に針を刺したり外したりする業務
- 生命維持管理装置の導出電極を皮膚に取り付けたり外したりする業務
また、臨床工学技士の将来性が期待できる理由の一つに、高度医療機器の増加とAIの導入があります。医療機器がAI化・ロボット化するほど、複雑なシステムを管理・監視する存在が必要になるためです。こういった最新技術に対応できる臨床工学技士の需要は、今後ますます増加するでしょう。
さらに、高齢化社会による医療機器の需要が増していることもあり、臨床工学技士のニーズが高まっています。日本の透析患者数は依然として多く、高齢化にともない心疾患などの治療も増加傾向です。
人工透析業務は臨床工学技士の主要業務であり、今後も安定した需要が見込まれます。
まとめ
臨床工学技士は、生命維持管理装置の操作・保守点検をおこなう専門職として、医療現場に欠かせない存在です。臨床工学技士の仕事は患者さんの命に関わる責任のある役割を担うため、常に緊張感がともないます。しかし、回復していく姿を身近で見守ることができるのは、大きなやりがいにもつながるでしょう。
医療機器の高度化とAI化が進むにつれて、臨床工学技士の需要は増加傾向にあります。常に変化する医療業界において、スキルアップし続けられるため、自己成長を感じやすい点も魅力的な職業だといえるでしょう。
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