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鍼灸師の資格を取得するには?取得方法や鍼灸師の将来性を解説

鍼灸師とは、はりまたはきゅうを使ってツボを刺激し、人々の身体の不調を改善、予防する資格職です。鍼灸は副作用がほとんどない施術法といわれているため、古くから民間療法のひとつとして、子どもからお年寄りまで幅広い世代に親しまれてきました。

この記事では、鍼灸師の資格を取得する方法や将来性について解説します。鍼灸師の資格取得にかかる費用についても解説しているので、参考にしてみてください。

なお、この記事でおすすめする鍼灸師の専門学校は、下記リンクからご覧いただけます。

>>>鍼灸師専門学校(東京)

>>>鍼灸師専門学校(大阪)

>>>鍼灸師専門学校(名古屋)

鍼灸師とは?

鍼灸は東洋医学の健康療法のひとつで、鍼灸の施術をおこなえる知識と技術をもった方々のことを鍼灸師と呼びます。ここでは、鍼灸師の仕事と主な勤務先についてみていきましょう。

鍼灸師の仕事

鍼灸師の仕事は『はり』を使用する施術と『きゅう』を使用する施術に分けられます。どちらも身体の特定の箇所に刺激を与えることで、効果的な生体反応を起こさせる健康療法です。投薬や手術はおこなわずに、刺激のみで痛みの軽減や自然治癒力の向上、体調の回復を目指します。

鍼灸師は、国家試験への合格が必要な医療技術職です。資格は『はり師』と『きゅう師』という別々の資格に分けられていて、日本で鍼灸師として活動するには両方の資格を取得する必要があります。

鍼灸師の勤務先

鍼灸師の主な勤務先は、以下のとおりです。

  • 鍼灸院・鍼灸接骨院
  • 美容鍼灸院・エステサロン
  • 病院・診療所
  • 老人福祉施設
  • スポーツジム

鍼灸師の勤務先は数多くあります。病院や介護施設といった企業に勤務する選択肢もあれば、独立開業し、個人で鍼灸院を経営することも可能です。

自身の目標や夢に合わせて働き方、勤務先を選べることは、鍼灸師の魅力のひとつだといえるでしょう。

鍼灸師になるには?

鍼灸師になるには

鍼灸師になるには『はり師』と『きゅう師』の免許を取得する必要があります。高校卒業後に大学や専門学校といった鍼灸師養成施設で3年以上学び、両方の資格を同時に取得することが一般的です。

国家試験は、毎年1回、2月下旬に『公益財団法人 東洋療法研修試験財団』の主催でおこなわれています。試験に挑戦できる機会は年1回と決められているため、受験の前は勉強を欠かさずおこない、万全の準備をしておくことが大切です。

鍼灸師の資格を取得する方法

鍼灸師になるには『はり師』と『きゅう師』の免許を取得する必要があります。高校卒業後に大学や専門学校といった鍼灸師養成施設で3年以上学び、両方の資格を同時に取得することが一般的です。

国家試験は、毎年1回、2月下旬に『公益財団法人 東洋療法研修試験財団』の主催でおこなわれています。試験に挑戦できる機会は年1回と決められているため、受験の前は勉強を欠かさずおこない、万全の準備をしておくことが大切です。

鍼灸師の資格を取得する方法

鍼灸師資格

鍼灸師になるには、養成施設で必要な知識と技術を身につけてから国家試験に挑戦することが一般的です。カリキュラムの詳細は学校によって異なるため、進学先を選ぶ際は事前の下調べをていねいにおこなう必要があります。

入学から卒業までにかかる期間は、3年か4年で設定されていることが多いです。少しでも早く現場で活躍したい方は、3年制の専門学校で学ぶことをおすすめします。

内部リンク:養成校の選び方については鍼灸師専門学校をご覧ください。

国家試験に合格する

国家試験は、1年に1回、受験資格をもった方々を対象に実施されています。試験の対象者になるには、厚生労働大臣の認定した養成施設または、都道府県知事の認定した養成施設で決まったカリキュラムを修了する必要があります。

出願する際に提出を求められる書類は、以下のとおりです。

  • 受験願書
  • 顔写真
  • 現在在籍している学校の修業証明書または修業見込証明書(※)
  • 最後に在籍していた学校の卒業証明書または卒業見込証明書(※)

※どちらか一方のみ、最新のものを提出する。

学校によっては、証明書の発行までに数日かかる場合があるため、所定の期日までに忘れないように準備しましょう。

※参照:はり師国家試験の施行|厚生労働省

※参照:きゅう師国家試験の施行|厚生労働省

鍼灸師免許の交付を受ける

国家試験に合格して鍼灸師免許を申請すると、厚生労働大臣から免許証が交付されます。試験に合格しても免許がなければ、鍼灸師としての活動はできません。

資格取得後は『鍼灸院』や『鍼灸マッサージ治療院』の開業が可能です。また、機能訓練指導員として、介護施設などで働くこともできるようになります。

国家試験の概要

鍼灸師になるためには、国家試験への合格が不可欠です。ここからは、試験科目や合格率についてみていきましょう。

試験科目

『はり師』と『きゅう師』の試験科目は、以下の表のとおりです。

資格試験科目
はり師(※1)医療概論(医学史を除く。)
衛生学・公衆衛生学
関係法規
解剖学
生理学
病理学概論
臨床医学総論
臨床医学各論
リハビリテーション医学
東洋医学概論
経絡経穴概論
はり理論および東洋医学臨床論
きゅう師(※2)医療概論(医学史を除く。)
衛生学・公衆衛生学
関係法規
解剖学
生理学
病理学概論
臨床医学総論
臨床医学各論
リハビリテーション医学
東洋医学概論
経絡経穴概論
きゅう理論および東洋医学臨床論

はり師ときゅう師の国家試験には、共通する科目が多くあります。そのため、両方を同時に受験する場合、一方の試験については、共通科目の免除が可能です。ただし、免除には受験者の申し出が必要なため、出願時の申請を忘れずにおこなう必要があります。

※1参照:はり師国家試験の施行|厚生労働省

※2参照:きゅう師国家試験の施行|厚生労働省

合格率

令和6年に実施された第32回国家試験の合格率の全国平均は、以下のとおりです。

資格合格率の全国平均
はり師69.3%(※)
きゅう師70.2%(※)
はり師およびきゅう師国家試験は、170点満点のうち、102点以上が合格ライン(※)です。はり師ときゅう師どちらも、合格率は70%前後となっていることから、難易度に大きな差はありません。

万全な対策をしたうえで試験に臨みたい方は、合格に向けたサポートが手厚い学校を選ぶとよいでしょう。

※参照:第32回あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師国家試験の合格発表について|厚生労働省

鍼灸師の資格取得にかかる費用

ここからは鍼灸師の資格取得にかかる費用についてみていきましょう。

養成施設の学費

鍼灸師の資格が取得できる養成施設の学費は、以下のとおりです。

  • 4年制大学:約700~780万円
  • 3年制専門学校:約360~480万円

養成施設によって授業料や経費は異なるため、気になる施設の学費は事前に確認しておきましょう。授業料を少しでも抑えたいなら、3年制専門学校への進学がおすすめです。

また、専門学校によっては夜間部を設定している場合もあります。夜間部であれば日中は自由な時間をもてるため、働きながら資格取得を目指したい方にも適しているでしょう。

※学費は複数の大学・専門学校のデータを参考に、目安となる数値を記載しています。

国家試験の受験料

国家試験の受験料は、はり師およびきゅう師どちらも19,500円(※)です。費用は公益財団法人東洋療法研修試験財団が指定する銀行、または郵便局の口座に振り込みます。

なお、受験に関する書類が受理されたあとは、受験手数料は返還されないので注意が必要です。

※参照:はり師国家試験の施行|厚生労働省

※参照:きゅう師国家試験の施行|厚生労働省

鍼灸師免許の交付代

鍼灸師免許は、はり師およびきゅう師の各名簿に登録することにより交付されます。登録に必要な交付代は手数料として4,000円(※)です。

申請書類と手数料を納めると、顔写真入りのカードが発行されます。申請書類に不備がなければ、1ヵ月半ほどで簡易書留にて郵送されてきます。鍼灸師の免許証の有効期限は発行日より5年間です。

※参照:「厚生労働大臣免許保有証の発行について」|公益財団法人東洋療法研修試験財団

鍼灸師の現状と将来性

近年、はり師、きゅう師の有資格者数は増えてきており、それにともなって鍼灸の施術をおこなう施設も増加傾向にあります。(※1)

厚生労働省は、2012年度の『「統合医療」のあり方に関する検討会』において、東洋医学を始めとするいくつかの伝統医療を『統合医療』として位置づけ、近代西洋医学を補完する存在として定義しました。鍼灸もQOL(Quality of Life:生活の質)を向上させる手段として、統合医療に分類されている施術のひとつです。(※2)

実際に、神経痛やリウマチなど、一部の傷病に対するはり施術ついては、健康保険の適用が認められています。(※3)

身体の不調が少ない状態で生活することは、長い人生において重要なポイントです。人々の健康をサポートする鍼灸師の需要は、今後も高まっていくと考えられるでしょう。

※1参照:あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師 (通称:あはき師)について|労働条件分科会労災保険部会

※2参照:「統合医療」とは?|厚生労働省eJIM

※3参照:はり・きゅう、あん摩・マッサージのかかり方|全国健康保険協会

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