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介護の仕事とは?仕事内容や主な職場、向いている人などを解説

この記事でわかること3点まとめ

  • 介護の仕事は、資格がなくても働ける場合がある
  • 身体介護や生活援助など、さまざまな仕事内容がある
  • しんどい・大変なこともあるが、介護の仕事はやりがいも多い

介護の仕事は、高齢化が進む日本社会にとって不可欠な存在です。高齢者や障がいを持つ方々の日常生活を支え、安心して暮らせるよう多岐にわたるサポートを提供します。

ここでは、介護の仕事の具体的な内容から、その深い魅力とやりがい、活躍できる職場、そして向いている人の特徴や未経験から始める方法までを詳しく解説します。介護職への理解を深め、あなたのキャリアの可能性を探る一助となれば幸いです。

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介護の仕事とは

介護士と高齢者

介護の仕事は、年齢や障がいにより日常生活に困難を抱える方を支援する専門職です。身体介護や生活援助を通じて、その方が自立した生活を送れるようサポートします。

具体的には、食事や入浴、排泄といった身体的なケアはもちろん、掃除、洗濯、買い物などの生活面での援助も含まれます。さらに、利用者一人ひとりに寄り添い、心のケアを行うことも介護の重要な役割です。

日本の65歳以上の人口は3,619万7千人に上り、そのうち75歳以上が2,091万人を占めています。今後も高齢化が進むと予想される日本では、介護の担い手はますます重要になり、介護人材の需要拡大が見込まれています。社会に必要とされるやりがいのある仕事と言えるでしょう。

参照:人口推計(2025年(令和7年)1月確定値、2025年(令和7年)6月概算値)|総務省統計局

介護の仕事は資格なしでも働ける?

介護の仕事は、資格がなくても働ける場合があります。例えば、介護職員をサポートする介護助手や介護補助といった職種は、無資格・未経験から始められることが多いです。

ただし、2024年4月以降、無資格者が介護サービスを提供する施設で働く場合、「認知症介護基礎研修」の受講が義務付けられています。この研修は、約150分程度のeラーニングと確認テスト、自己ワークなどで修了できます。

認知症介護基礎研修を修了した場合でも、資格なしで携われる業務は、利用者の食事準備、買い物代行、シーツ交換といった生活援助や送迎、事務作業などに限られます。入浴や排泄などの身体介助は、有資格の介護職員の指導のもとでのみ可能です。

より専門的な介護業務に携わり、キャリアアップを目指すのであれば、やはり資格取得が必須となります。

介護職員初任者研修、実務者研修、そして介護福祉士といった資格が代表的です。これらの資格を取得する方法は複数ありますが、専門学校で学ぶことは、必要な資格を計画的に取得しながら実習などの現場経験を積むことができ、就職にも有利になるため特におすすめです。

参照:「認知症介護実践者等養成事業の実施について」の一部改正について|厚生労働省

介護士の主な仕事内容

介護士と高齢者

「介護の仕事」と一口に言っても、その業務内容は多岐にわたります。ここでは、介護士が日々行っている主な仕事内容をご紹介します。

身体介護(食事・入浴・排泄など)

身体介護は、利用者の日常生活に直接関わる介助業務です。具体的には、食事の介助、入浴の補助、排泄のサポートなどが含まれます。

例えば「入浴の補助」一つをとっても、衣服の着脱から洗身、移動の介助など、さまざまな工程があります。利用者の尊厳を守りながら、安全かつ安心して生活できるよう支えるためには、高い観察力と細やかな気配り、そして丁寧なケアが不可欠です。

生活援助(掃除・洗濯・買い物など)

生活援助は、利用者が快適に暮らせるよう、生活環境を整えるための支援です。掃除や洗濯、買い物代行などがこれにあたります。

これは無資格者でも携われる業務が多いですが、利用者の方が心地よく過ごせるよう、細やかな気配りと配慮が求められます。

レクリエーションやコミュニケーション支援

レクリエーションやコミュニケーション支援も、介護において非常に重要な仕事です。レクリエーションでは、季節のイベント、ゲーム、歌などを通して、利用者の楽しみや生きがいを引き出す役割があります。

また、日々の何気ない会話やふれあいも、利用者の精神的な支えとなり、心の健康を保つ上で欠かせません。

ご家族や医療スタッフとの連携・報告業務

介護の仕事は、利用者ご本人へのケアだけでなく、ご家族や医療スタッフとの連携、そして報告業務も非常に重要です。

ご家族との密なコミュニケーション、医師や看護師、ケアマネージャーといった多職種との情報共有を通じて、利用者一人ひとりの状態に応じた適切なケアを提供します。また、利用者の介護記録の作成や、日々の状態に関する報告書作成なども、介護士が担う大切な業務の一つです。

介護士が働く主な職場

介護士が働くのは、一般的にイメージしがちな「老人ホーム」だけではありません。介護士が働く主な職場は以下のとおりです。

施設特徴主な設置主体
特別養護老人ホーム(特養)・原則要介護認定3以上の高齢者が入所
・24時間体制の介護をおこなう
・社会福祉法人
・地方公共団体
介護老人保健施設(老健)・医療的ケアやリハビリを提供
・原則3ヵ月~6ヵ月程度の利用を想定
・医療法人
・社会福祉法人
・地方公共団体
有料老人ホーム
サービス付高齢者向け住宅
・要介護問わずさまざまな高齢者が入所
・日常生活上の支援や機能訓練をおこなう
・民間企業
デイサービス
デイケア
・介護サービスを受けられる通所型施設
・要介護認定1~5の主に高齢者が利用
・社会福祉法人
・市町村
訪問介護事業所・介護士が自宅を訪問して介護を提供
・主に生活支援や身体介護が中心
・社会福祉法人
・民間企業

デイサービスやデイケア、訪問介護事業所を除いて、多くの施設は24時間体制で運営しています。そのため、介護士の多くが24時間のシフト制で働いています。

特別養護老人ホームや有料老人ホームなどでは、介護補助として無資格者でも働くことが可能です。一方、訪問介護は利用者と1対1で身体介護を含む介護サービスをおこなうため、介護職員初任者研修以上の資格が必要となります。

介護士と介護福祉士の違い

指を指す女性と高齢者

「介護士」という言葉は介護職の総称として広く使われていますが、実は厳密な国家資格の名前ではありません。介護に関する資格は多岐にわたり、例えば介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修、ケアマネージャー、そして介護福祉士などがあります。

なかでも、介護福祉士は介護職における唯一の国家資格です。介護を必要とする方の生活を支える専門職として、身体介護や生活援助はもちろんのこと、介護計画の作成やチームのリーダーシップを担うなど、幅広い役割を果たすことができます。

そのため、その他の介護職と比較して給与面やキャリアアップの可能性に差が出てきます。将来的に安定したキャリアを目指すのであれば、介護福祉士の資格取得を目指すのがおすすめです。

介護と看護の違い

介護と混同されがちな職種に「看護」があります。それぞれの主な違いは以下の通りです。

  • 介護:主に日常生活のサポートや精神的なケアをおこなう
  • 看護:医師の指示のもと、注射や処置などの医療行為をおこなう

介護は、高齢者や障がいのある方が安心して日常生活を送れるようにサポートすることを目的としているのに対し、看護は医療行為を通じて病気や怪我の回復を支援するのが主な目的です。

介護士と看護師は、それぞれの専門性を活かしながら密接に連携することで、利用者の方々を包括的に支える「チームケア」を実現しています。この役割の違いを理解することは、多職種連携におけるそれぞれの専門性の重要性を認識する上で不可欠です。

看護の仕事に興味がある方は、こちらの記事も参照ください。

東京の看護専門学校への進学!魅力や学費の相場、選び方を解説

介護の仕事の魅力・やりがい

高齢者の話を聞く人

介護の仕事は大変な面もありますが、それ以上に大きな魅力とやりがいがあります。介護職に興味があるなら、ぜひここで紹介するポイントに注目してみてください。

「ありがとう」が直接もらえる

介護の仕事で特に大きな魅力は、利用者の方々やそのご家族から「ありがとう」という感謝の言葉を直接もらえることです。

介護士は利用者やそのご家族と深く関わることが多いため、日々の業務の中で感謝の言葉や笑顔を間近で受け取れる機会がたくさんあります。

サービスを提供した相手から直接「ありがとう」と伝えられる仕事はそう多くありません。この日々の感謝が、介護士の大きなやりがいやモチベーションにつながります。

人の役に立っている実感を得られる

「人の役に立っている」と実感できることも、介護の仕事の大きなやりがいの一つです。

日々の支援を通して、利用者の生活の質が向上したり、笑顔が増えたりするのを見ると、「自分の仕事が誰かの助けになっている」と強く感じられます。この貢献感が、仕事への意欲をさらに高めてくれるでしょう。

利用者の笑顔や身体の変化を見守れる

利用者の笑顔や身体の変化を間近で見守れるのも、介護の仕事ならではの魅力です。例えば、施設に入所した当初はできなかったことが、リハビリやレクリエーションを通してできるようになるケースは少なくありません。

そうした小さな変化にも気づき、利用者の心身の回復や前向きな気持ちの変化を感じられるのは、この仕事でしか味わえない喜びです。

専門性が高く成長し続けられる

介護士は、常に介護に関する知識や技術を学び続ける必要があり、専門性を高めながら成長し続けられる仕事です。資格取得や研修を通じて、より専門的なスキルを身につけられるため、向上心がある方にとっては特にやりがいを感じられるでしょう。

また、専門性を磨いて上位の資格を取得すれば、収入アップやキャリアアップも目指せます。介護業界は人手不足が深刻なため、就職や転職がしやすい点も、将来性を考える上で大きな魅力と言えます。

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介護の仕事のしんどい・大変なこと

話をする男性と高齢者

介護士の仕事には多くの魅力とやりがいがある一方で、やはり大変だと感じる側面も存在します。ここでは、介護の仕事における具体的なしんどい・大変なことについて詳しく見ていきましょう。

身体的な負担がある

介護の仕事で特に大変なのが、身体的な負担の大きさです。例えば、要介護者をベッドから車椅子へ、あるいは車椅子からトイレへといった移乗介助は、特に身体に負荷がかかりやすい業務です。

また、利用者の姿勢を変える体位変換など、身体を使う作業が非常に多いため、腰痛などの身体的な不調を抱えるリスクも無視できません。介護の仕事を長く健康的に続けるためには、正しい介助技術の習得はもちろん、スタッフ同士で協力し合い、無理のない介助を行うことが不可欠です。

シフト制や夜勤など不規則な働き方がある

不規則な勤務形態も、介護の仕事の大変な点の一つです。多くの介護施設は24時間体制でサービスを提供しているため、夜勤や早番、遅番といった不規則なシフト勤務が求められます。

これにより、生活リズムが乱れやすくなることもあるでしょう。心身の健康を保つためには、休憩や睡眠時間をしっかりと確保し、食事に気を配るなど、生活リズムを整える工夫が必要です。もし日中のみの勤務を希望するのであれば、デイサービスや訪問介護といった施設を選ぶのも一つの方法です。

感情的に疲れる場面もある

勤務する施設や利用者の状況によっては、感情的に疲れてしまう場面もあります。特に、認知症の方の対応で試行錯誤したり、利用者さんの「死」に直面したりする際は、精神的に大きな負担がかかることも少なくありません。

このような感情的な疲労を和らげるためには、日頃から同僚や上司とコミュニケーションを取り、お互いに支え合える職場環境を築くことが非常に大切です。

人間関係やチームワークに悩むこともある

介護の仕事はチームでおこなうことが多いため、人間関係やチームワークに悩むこともあります。職員同士の連携がうまくいかなかったり、価値観の違いに戸惑ったりするケースも少なからず存在します。

良好な人間関係を築き、円滑なチームワークを発揮するためには、お互いを尊重し、積極的にコミュニケーションを取る姿勢や協調性が求められます。

介護の仕事に向いている人

笑顔の高齢者と男性

介護の仕事に興味はあるけれど、「自分に向いているか不安…」と感じている方もいるかもしれません。ここでは、介護の仕事で活躍できる人の主な特徴をご紹介します。ぜひ自分に当てはまるかチェックしてみてください。

人と接することが好きな人

介護の仕事は、利用者の方々との会話やふれあいが非常に多いため、人と接することが好きな方に特に向いています。

介護は「対人援助職」とも呼ばれており、人とコミュニケーションを取ることを大切に考え、相手に寄り添える方はこの仕事に適していると言えるでしょう。

相手の立場に立って考えられる人

相手の立場に立って考えられる人も、介護の仕事で力を発揮できます。介護は、利用者の方々の生活の質を向上させるための仕事です。

そのため、高齢者や障がいのある方の気持ちに寄り添い、彼らが何を求めているのかを深く理解しようとする姿勢が大切になります。

コツコツと努力を積み重ねられる人

介護の仕事は、一つひとつの支援を丁寧におこない、少しずつ利用者との信頼関係を築いていく地道な側面も持ち合わせています。そのため、コツコツと努力を続けられる人に向いています。

利用者へのサポートがすぐに目に見える変化を生み出さなくても、日々の小さな積み重ねがやがて大きな成果につながることを理解し、継続できる忍耐力が求められます。

感謝されることにやりがいを感じる人

人から感謝されることに喜びややりがいを感じる人にとって、介護の仕事は魅力的です。

利用者やそのご家族から直接「ありがとう」という言葉をもらえる機会が多いため、誰かの役に立ち、感謝されることが大きなモチベーションになる方は、この仕事に強いやりがいを感じられるはずです。

介護の仕事を始めるには

立ち上がり介助

介護の仕事に興味を持ったら、実際にどうやって始めればよいのでしょうか。大きく分けて、無資格・未経験で求人に応募する方法と、専門学校や大学で資格を取得する方法があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

無資格・未経験可の求人に応募する

介護の仕事を始める一つの方法は、無資格・未経験歓迎の求人に応募することです。近年、介護現場では人手不足が深刻化しており、介護助手や介護補助といった職種など、資格や経験がなくても応募できる求人が多く存在します。

この方法なら、実際に働きながら介護の現場を知ることができ、自分に合っているかどうかを見極める良い機会にもなります。

ただし、無資格の場合、身体介護など携われる業務に制限がある点は理解しておく必要があります。もし介護の仕事が自分に向いていると感じたら、まずは介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修などの資格取得を目指すと、より専門的な業務に携われるようになります。

専門学校や大学で資格を取得する

より確実に介護のスキルを身につけたいのであれば、専門学校や大学で専門的に学ぶのがおすすめです。これらの教育機関では、介護について体系的に深く学べるだけでなく、介護士のなかでも唯一の国家資格である介護福祉士の取得を目指すことができます。

また、専門学校や大学では座学だけでなく、実際の介護現場での実習も豊富に用意されています。これにより、知識と資格に加え、現場で役立つ実践的な経験を積むことが可能です。専門的な知識と資格、そして実習で培った経験を持つことは、就職活動を有利に進める上で大きな強みとなるでしょう。

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まとめ

介護は決して簡単で楽な仕事ばかりではありません。身体的な負担や不規則な勤務、時には感情的に疲れる場面もあります。

しかし、利用者やそのご家族から直接「ありがとう」という感謝の言葉をもらえたり、日々の支援を通じて利用者のささやかな変化や成長をチーム全体で喜び合えたりするなど、他の仕事では得られない深いやりがいを感じられます。

介護の仕事を通して、介護スキルやキャリアアップだけでなく、人としても大きく成長できることを実感できるはずです。

介護の仕事は、日本の社会にとって必要不可欠な役割を担っており、その需要はこれからも高まっていくでしょう。もし少しでも興味を持ったなら、ぜひ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

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