この記事でわかること3点まとめ
- 臨床工学技士は、人工呼吸器や人工心肺装置、透析装置などの医療機器を操作・管理する専門職
- 臨床工学技士の平均年収は、勤務先の規模や経験年数、スキルによって変わる
- 専門分野のスキルを磨いたり、認定資格を取得したりすれば年収を上げられる
「医療機器のスペシャリスト」として活躍する臨床工学技士は、医療現場を支える重要な職種です。
高度な知識と技術を活かして、命を守る機器の操作や保守管理を担当するやりがいのある仕事ですが、一方で「年収が低いって本当?」「将来性はあるのかな?」と不安に感じる方も少なくありません。
本記事では、臨床工学技士の平均年収や年収を上げるための方法、そして将来性などについて詳しく解説します。「医療の現場で専門性を活かした仕事をしたい」「安定したキャリアを築きたい」と考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
臨床工学技士の平均年収

臨床工学技士は、人工呼吸器や人工心肺装置、透析装置などの医療機器を操作・管理する専門職です。医療現場を支える重要な役割を担っており、専門知識と技術が求められます。
そんな臨床工学技士の平均年収は約430.2万円です。
ただし、年収は以下のような要素によって大きく変わることがあります。
- 勤務先の規模や種類(大学病院、地域病院など)
- 経験年数やスキル
- 地域による給与水準の違い
- 役職の有無(主任や管理職など)
経験を積み、スキルアップすることで平均年収以上を目指すことも可能です。年収面だけでなく、医療現場での安定した需要ややりがいのある仕事内容も、臨床工学技士の魅力の一つといえるでしょう。
参照:臨床工学技士|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省
【年齢別】臨床工学技士の年収相場
臨床工学技士の年齢別の年収相場は以下のとおりです。
年齢 | 年収相場 |
---|---|
~19歳 | 321.44万円 |
20~24歳 | 355.45万円 |
25~29歳 | 393.6万円 |
30~34歳 | 418.9万円 |
35~39歳 | 450.21万円 |
40~44歳 | 500.05万円 |
45~49歳 | 455.45万円 |
50〜54歳 | 447.59万円 |
55〜59歳 | 489.61万円 |
60〜64歳 | 382.87万円 |
65〜69歳 | 318.35万円 |
70歳〜 | 232.13万円 |
臨床工学技士の年齢別の年収を見ると、もっとも高いのは40〜44歳の層です。これは、経験年数の蓄積や役職への昇進、各種手当の加算が影響していると考えられます。
ただし、年収は年齢だけで決まるものではありません。勤務先の規模や種類、夜勤や当直の有無、保有資格の種類などによっても大きく変わります。
また、若い年代でも積極的にスキルを磨き、現場での信頼を得ることで年齢に関係なく年収アップを目指すことは十分可能です。
参照:臨床工学技士|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省
【経験年数別】臨床工学技士の年収相場
臨床工学技士の経験年数別の年収相場は以下のとおりです。
経験年数 | 年収相場 |
---|---|
0年 | 285.96万円 |
1〜4年 | 300.48万円 |
5〜9年 | 313.56万円 |
10〜14年 | 338.76万円 |
15年以上 | 397.56万円 |
臨床工学技士の年収は、経験を重ねるごとに少しずつ上がっていく傾向があります。特に15年以上のベテランになると、役職や手当の影響で年収が大きく伸びるケースも見られます。
このことから、臨床工学技士はキャリアを積み上げることで安定した収入アップが期待できる職種と言えるでしょう。現場経験を着実に積むことが、将来的な収入にしっかりとつながっていきます。
参照:臨床工学技士|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省
【地域別】臨床工学技士の年収相場
臨床工学技士の地域別の年収相場は以下のとおりです。
地域 | 年収相場 |
---|---|
北海道 | 299.5万円 |
宮城 | 449.5万円 |
埼玉 | 437.8万円 |
千葉 | 357.5万円 |
東京 | 490.8万円 |
神奈川 | 487.4万円 |
新潟 | 426.4万円 |
静岡 | 465.9万円 |
愛知 | 510.1万円 |
京都 | 457.9万円 |
大阪 | 423.5万円 |
兵庫 | 454万円 |
岡山 | 500.5万円 |
広島 | 419.5万円 |
福岡 | 515.5万円 |
臨床工学技士の地域別年収を見てみると、上記の都道府県のなかでは最も高いのが福岡の515.5万円、最も低いのが北海道の299.5万円となっています。
一般的な職種では東京や大阪などの大都市の年収が高い傾向にありますが、臨床工学技士の場合はその限りではないことがわかります。
例えば、大阪の平均年収は423.5万円で全国平均を下回っており、地域による給与差の傾向は一様ではありません。
そのため、勤務先を選ぶ際は都市部にこだわるのではなく、医療機関の規模や待遇、勤務環境などを総合的に比較することが大切です。
参照:臨床工学技士|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省
臨床工学技士の給料は安いの?
臨床工学技士の給料は、その他の医療系国家資格を必要とする職業と比べて安いと思われがちですが、実際にはどうなのか確認してみましょう。下記の表は、他の医療系職種の平均年収です。
職業 | 年収相場 |
---|---|
臨床工学技士 | 430.2万円 |
看護師 | 519.7万円 |
薬剤師 | 599.3万円 |
保健師 | 521.2万円 |
臨床検査技師 | 504.3万円 |
臨床工学技士は、その他の医療系国家資格を必要とする職業と比べて、年収がやや低いことがわかります。では、なぜ臨床工学技士の年収がその他の職業よりも低くなりがちなのか、その理由をみていきましょう。
参照:臨床工学技士|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省
参照:臨床検査技師|職業情報提供サイトjob tag|厚生労働省
独占業務がない
臨床工学技士には、法律で定められた「独占業務」がありません。独占業務とは、その資格を持っていないとできない業務のことで、医師の診察や看護師の注射などが代表例です。
臨床工学技士も、人工呼吸器や透析装置など高度な医療機器を専門に扱いますが、その操作自体は他の医療職でも知識や訓練があれば可能とされており、法律上の独占業務ではないのです。
このため、他の独占資格と比べて給与が伸びにくい傾向があるともいわれています。
業務の範囲が限定的
臨床工学技士の仕事は専門性が高く、命に関わる医療機器の操作・点検を任されています。ただし、その業務範囲は限られているのが現状です。
例えば、臨床工学技士が扱えるのは人工心肺装置、人工透析装置、人工呼吸器などの生命維持装置が中心で、MRIやエコー(超音波診断装置)など、検査を目的とした機器は担当外となります。
業務の幅が限定されることにより、昇進や昇給のチャンスが限られてしまう場合もあるのです。
臨床工学技士として年収を上げる方法

臨床工学技士は医療系国家資格の中でも比較的年収が低めと言われることがありますが、努力や工夫次第で年収を上げることは十分可能です。ここでは、臨床工学技士が年収アップを目指すための具体的な方法を紹介します。
専門分野のスキルを磨く
年収を上げるためには、専門性の高い業務に携わり、技術力や知識を深めることが重要です。
臨床工学技士の関わる分野は多岐にわたり、透析技術、人工心肺、内視鏡やカテーテル治療などがあります。例えば、心臓血管外科での人工心肺装置の操作や、透析室での血液浄化など、診療科によって専門性を極められる分野は異なります。
特定分野のスペシャリストとして認められれば、職場での評価が高まり、結果として年収アップにもつながります。
認定資格を取得する
臨床工学技士として働きながら、さらに専門性を証明できる認定資格を取得することも有効です。
透析技術認定士や心血管インターベンション技師(ITE)など、より高度な資格を取得すると、専門的な業務に従事できるようになるだけでなく、資格手当が支給される場合もあります。
こうした資格は実務経験を積んだ後に挑戦できるため、日々の業務を通じて着実にスキルアップを図りましょう。
管理職や主任クラスを目指す
将来的には管理職や主任といった役職を目指すことも、年収を上げる効果的な方法です。
チームのリーダーとして業務を統括し、スタッフの教育や業務改善を行う役割を担うことで、責任範囲が広がり給与面でも優遇されます。
また、管理職経験は転職市場でも高く評価されるため、キャリアの幅を広げる意味でも重要です。
大規模病院や高度急性期病院に転職する
勤務先を選ぶことも年収アップのポイントです。大規模な病院や高度急性期病院では、最新の医療機器を使った専門的な業務が多く、臨床工学技士としての経験やスキルを十分に活かせます。
特に救命救急センターなどでは、幅広い機器操作が求められ、経験豊富な技士が高く評価される傾向にあります。
また、私立の大規模病院は給与水準が比較的高いケースが多いため、条件の良い職場を求めて転職を考えるのも有効な方法です。
臨床工学技士の将来性について

近年、医療機器はますます高度化・多様化しており、それに伴って臨床工学技士の役割も大きくなっています。特に、慢性疾患の治療や急性期医療、救命救急の現場では、高度な機器操作を担う技術者が不可欠です。
さらに、医療機器のIT化や遠隔医療の普及により、従来以上に広範な知識と技術を持つ臨床工学技士が求められるようになるでしょう。これにより、専門性を高めることができれば、医療現場における重要な存在として評価され、年収アップも期待できます。
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まとめ
臨床工学技士は、生命維持に欠かせない医療機器の操作や管理を担う重要な専門職です。資格取得から歴史が浅いため、年収はやや低めですが、スキルアップや認定資格取得、経験を積むことで収入アップは十分に可能です。
また、医療機器の進化に伴い、スキルの高い臨床工学技士の需要は今後も増加していく見込みです。医療の最前線で活躍したい方にとって、将来性が期待できる職業と言えるでしょう。
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