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歯科衛生士になるには?国家試験や仕事内容について解説!

歯科衛生士になるには

歯科衛生士は、国家資格であり手に職がつけられることから、看護師同様女性が多く活躍している職業の一つです。

そこで今回は、そんな歯科衛生士になるには?について解説します。

歯科衛生士になる方法や仕事内容はもちろん、歯科衛生士になるメリット・デメリットや向いている人の特徴、学校選びのポイントなども紹介しますので、「歯科衛生士を目指そうと考えている」「歯科衛生士という仕事に興味がある」という方はぜひ参考にしてください。

歯科衛生士になるには?

歯科衛生士になるには、歯科衛生士国家試験に合格する必要があります。

そして、歯科衛生士国家試験の受験資格を得るには、高校を卒業後、大学や短大、専門学校などの歯科衛生士養成機関に入学し、歯科衛生士に必要な知識や技術を習得する必要があります。

歯科衛生士の学校に入学する

従来、歯科衛生士養成機関の修業年限は2年制以上でしたが、指定規則の一部改正により、平成22年4月1日にすべての養成機関が3年制以上になりました。

このため現在歯科衛生士が目指せる学校は、3年制の短大・専門学校が一般的です。

歯科衛生士が目指せる4年制の大学もありますが、短大・専門学校に比べるとまだその数は少ないという現状があります。

歯科衛生士になるための学校の選び方

歯科衛生士

歯科衛生士になるための学校選びでは、主に以下のポイントをチェックする必要があります。

  • 医療・福祉関連の知識が並行して学べる 
  • 幅広い実習先が用意されている
  • 最先端の設備が整っている
  • 国家試験対策がしっかりしている

学校選びは、自分がなりたい歯科衛生士像を叶えるために重要なステップです。

将来の姿や人生設計を想像し、自分に合ったカリキュラムや特色がある学校に進学しましょう。

医療・福祉関連の知識が並行して学べる

歯科衛生士は、子どもから高齢者まで年代や症状の異なるさまざまな患者さんを担当します。

このため歯科衛生士の専門分野以外にも、医療・福祉関連の知識が学べるカリキュラムだと、より活躍の幅が広がるといえるでしょう。

例えば、基本的な介護の知識や技術があれば、歯科医院以外にも介護施設や訪問歯科診療などで活躍しやすくなります。

幅広い実習先が用意されている

どの歯科衛生士養成機関に入学しても、実習は必ず受けることになりますが、実習先の種類や実習の回数は学校によって異なります。

将来希望する分野がある場合は、事前にチェックしておきましょう。

また、まだ歯科衛生士としてどのように活躍したいかイメージが定まっていない場合も、小児歯科や保育所、福祉施設など幅広い実習先が用意されている学校がおすすめです。

さまざまな現場で経験を積むことで、歯科衛生士として確かな技術と適切な対応力が身につけられます。

最先端の設備が整っている

設備や施設も学校選びの重要な要素です。

最新の設備が整っている、学生一人ひとりが使える台数が揃っているなど、より実際の医療現場に近い環境で学べる機会が多いほど、社会に出た後即戦力として活躍できる技術が身につきます。

実際に見てみないとわからない部分もあるため、オープンキャンパスなどに行って自分の目で確かめてみるといいでしょう。

国家試験対策がしっかりしている

どんなに充実した環境で学んでも、そもそも国家試験に合格しなければ歯科衛生士になることはできません。

このため国家試験対策が国家試験対策に力を入れているかどうかも、学校選びの重要なポイントです。

歯科衛生士国家試験は例年 90%以上と高い合格率となっていますが油断せず、学校ごとの合格率や試験対策もチェックしましょう。

国家試験に合格する

歯科衛生士養成機関を卒業すると、歯科衛生士国家試験の受験資格を得られます。

歯科衛生士国家試験は毎年1回3月初旬に、全国10の会場でおこなわれます。(北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県)

試験内容はマークシート方式による筆記試験です。

以下9科目のなかから全220問出題され、6割以上の正解で合格となります。

  • 人体(歯・口腔を除く)の構造と機能
  • 歯・口腔の構造と機能
  • 疾病の成り立ち及び回復過程の促進
  • 歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会の仕組み
  • 歯科衛生士概論
  • 臨床歯科医学
  • 歯科予防処置論
  • 歯科保健指導論
  • 歯科診療補助論

面接や小論文、技術試験などはありません。

歯科衛生士国家試験に合格し、指定機関への登録・申請をおこなうことで、歯科衛生士免許書が交付されます。

参照:歯科衛生士国家試験の施行|厚生労働省

歯科衛生士の仕事内容

歯科衛生士が使用する仕事道具

歯科衛生士の仕事内容としては、主に以下の3つが挙げられます。

  • 歯科予防処置
  • 歯科診察補助
  • 歯科保健指導

これらは歯科衛生士法第二条によって定められ、歯科衛生士の三大業務と呼ばれています。

歯科予防処置

人が歯を失う原因の90%が、細菌が作り出す酸によって歯が溶ける「むし歯」と、細菌に歯ぐき・骨などの歯周組織が破壊される「歯周病」だといわれています。

歯科の二大疾患とも呼ばれるこの二つをはじめ、歯・口腔の疾患を予防する処置をおこなうのが歯科衛生士の仕事です。

具体的には、機械を使った歯石・プラークの除去や、フッ化物の塗布などの専門的な処置をおこなうことで、歯・口腔の疾患を予防し、健康な状態の維持・増進につとめます。

歯科診察補助

歯科医師がスムーズに診療・施術をおこなえるようサポートするのも歯科衛生士の仕事です。

具体的には、器具の準備や検査・モニタリング、患者さんの近況の記録などをおこないます。

また、歯科医師の指示のもと歯科治療の一部を担当することもあります。

歯科保健指導

むし歯や歯周病は生活習慣病であるため、予防には正しい生活習慣やセルフケアが重要です。

このため歯みがき指導や口腔ケア製品の選び方、食育支援など、患者さんが適切な口腔ケアをできるよう指導するのも歯科衛生士の仕事です。

歯科衛生士に向いている人の特徴

歯科衛生士

なかには「歯科衛生士を目指したいけど、自分に適性があるかわからない…。」と悩んでいる方もいるでしょう。

歯科衛生士に向いている人の主な特徴は以下のとおりです。

  • コミュニケーション能力が高い人
  • チームワークを大切にできる人
  • 正確さ・責任感がある人

コミュニケーション能力が高い人

歯科医院には、子どもから高齢者まで幅広い年代の人が来院するため、それぞれの患者さんに合わせたコミュニケーションが求められます。

また、歯科衛生士の仕事内容には、患者さんに対する歯磨き指導なども含まれるため、正しい情報をわかりやすく相手に伝えるという意味でのコミュニケーション力も必要です。

チームワークを大切にできる人

歯科診療は、歯科医師が単独でおこなうものではなく、歯科衛生士や歯科技工士、歯科助手などその他の医療の専門職が協力しておこなうものです。

とくに歯科衛生士は、現場でこういった多職種連携の中心となることが多いため、チームワークを大切にできる人が向いています。

正確さ・責任感がある人

歯科衛生士は、患者さんの健康に関わる医療従事者としての責任感が求められます。

また、歯石の除去や薬剤の塗布など、その仕事には数ミリ単位の正確さが求められます。このため細かい作業が得意な人や、手先が器用な人にも向いている職業だといえるでしょう。

歯科衛生士になるメリット・デメリット

歯科衛生士

職業選択は、自分の将来に大きく関わる重大な決断です。

このため歯科衛生士を目指そうと考えている場合、そのメリット・デメリットについても十分に知っておく必要があります。

メリット

歯科衛生士は国家資格であるため、手に職がつけられるのが大きな魅力です。

具体的なメリットとしては、主に以下の4点が挙げられます。

  • 働ける場所が多い
  • 求人数が多い
  • 復帰しやすい
  • キャリアアップが目指せる

働ける場所が多い

歯科衛生士の就職先の9割は歯科医院ですが、そのほかにも病院や保健センター、介護施設などさまざまな場所で活躍できます。

とくに近年は高齢化や口腔ケアに対する意識の高まりにより、歯科衛生士の需要は増加傾向にあるため、自分に合った職場を選びやすいといえるでしょう。

求人数が多い

歯科衛生士が主に活躍している歯科医院ですが、その数は令和3年度の時点で6万7,886軒。

これは、同年のコンビニ数5万5,928軒を1万軒以上上回る数字です。

このように主な就業先である歯科医院がもともと多いこともあり、令和3年度における歯科衛生士の求人倍率は22.6倍と非常に高い水準となっています。

就職先が幅広く、求人数も多い=それだけ希望に合った働き口が見つけやすいということであり、これは歯科衛生士として働く大きなメリットといえるでしょう。

復職しやすい

歯科衛生士の国家資格は、一度取得すると生涯有効な資格です。

さらに求人倍率22.6倍と慢性的に人手不足なこともあり、出産・育児などのブランクがあっても復帰しやすいというメリットがあります。

求人数も豊富なため、子どもが小さいうちはパートタイムで働くなど、各家庭の事情に合わせた働き方も選択しやすいといえるでしょう。

キャリアアップが目指せる

近年、歯科治療の需要増加にともない、日本歯科衛生士会ではさまざまな研修を提供しています。

また、日本歯科衛生士会が歯科衛生士として専門的な知識と技術があることを認定する「認定歯科衛生士」のほか、小児や歯周病予防、インプラントなど各学会が認定するさまざまな資格を取得することで、それぞれの専門分野におけるエキスパートとしてキャリアアップが目指せます。

デメリット

歯科衛生士が主に活躍している歯科医院は個人経営も多いことから、それに付随して以下のようなデメリットも存在します。

  • 人間関係が狭い
  • 福利厚生にばらつきがある
  • 離職率が高い

しかし、メリットでも挙げたように歯科衛生士は圧倒的な売り手市場です。このため就職活動しだいで、以下のデメリットは克服できるといえるでしょう。

人間関係が狭い

歯科衛生士が主に活躍する歯科医院は個人経営が多いため、職場としては小さいコミュニティになりがちです。

くわえて、歯科診療はチームワークが重要である、歯科衛生士は女性が多いなどの点から、職場によっては人間関係に悩みやストレスを抱える可能性があります。

福利厚生にばらつきがある

福利厚生の手厚さは、歯科医院によってさまざまです。

大手の医療機関や歯科医院であれば、休暇制度や育児支援、住宅手当など充実しているところもありますが、小規模な個人経営の歯科医院だと、最低限の福利厚生しか用意されていない場合もあります。

就職先を選ぶ際は給与だけでなく、休日や福利厚生についても事前に確認しておくと安心です。

離職率が高い

日本歯科衛生士会が令和2年に実施した「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」によると、転職したことがある歯科衛生士は76.4%。

そしてそのうち50%以上は、2回以上と複数回の転職を経験しています。

このように離職率が高いと少し不安になるかもしれませんが、その理由としては給与・待遇への不満、人間関係など一般的なもののほか、売り手市場であることから希望する勤務先を選べるという前向きな事情も関係しています。

また、歯科衛生士は女性の割合が多いことから、出産・育児による一時的な離職も、離職率を押し上げている一つの要因だといえるでしょう。

歯科衛生士のキャリアアップが目指せる資格

歯科衛生士の仕事風景

歯科衛生士としてのキャリアアップを目指す上では、各学会が認定している資格取得が役立ちます。

歯科衛生士として専門性の向上およびスキルアップが図れる資格としては、主に以下の3つが挙げられます。

  • 日本歯科衛生学会 認定歯科衛生士
  • 日本小児科学会 認定歯科衛生士
  • 日本口腔インプラント学会 インプラント専門歯科衛生士

自分の興味がある分野で活躍するためにも、キャリアの選択肢や目指すべき資格の種類を知っておくと良いでしょう。

日本歯科衛生学会 認定歯科衛生士

公益社団法人 日本歯科衛生士会が設けている認定資格です。

歯科衛生士業務のなかでも、特定の分野について専門的な知識と技術があることを認定します。

認定歯科衛生士の認定分野にはA・B・Cがあり、それぞれの分野は以下のとおりです。

認定分野A認定分野B認定分野C
生活習慣病予防(特定保健指導-食生活改善指導担当者研修)

摂食嚥下リハビリテーション

在宅療養指導・口腔機能管理

糖尿病予防指導

医科歯科連携・口腔機能管理
障害者歯科

老年歯科

地域歯科保健

口腔保健管理

う蝕予防管理
研修指導者・臨床実地指導者
認定分野C「研修指導者・臨床実地指導者」の認定資格は、認定分野AまたはBの認定資格を取得し、一定の条件を満たした場合に取得できます。

日本小児科学会 認定歯科衛生士

日本小児学会が設けている、小児歯科領域についての高度な知識や技術があることを認定する資格です。

小児歯科における5年以上の臨床経験や、1年以上日本小児学会の会員であることなど所定の条件を満たし、書類審査や試験を経て理事会の承認を受けることで資格を取得できます。

日本口腔インプラント学会 インプラント専門歯科衛生士

日本口腔インプラント学会が設けている、口腔インプラントに対する専門的な知識や技術があることを認定する資格です。

2年以上日本口腔インプラント学会の正会員である、3年以上インプラント治療歴がある、3例以上治療介助や治療後のメンテナンス経験があるなど所定の条件を満たし、最後に口腔インプラント専門医1名の推薦を受けることで資格を取得できます。

歯科衛生士のよくある質問

最後に、歯科衛生士に関するよくある質問にお答えします。

歯科衛生士の年収はどのくらい?

厚生労働省「令和3年度 賃金構造基本統計調査」によると、歯科衛生士の平均年収は386万6,500円。

月給に換算すると、27万8,600円となっています。

歯科衛生士と歯科助手の違いは?

歯科衛生士と似ている職業としては歯科助手が挙げられます。

歯科衛生士は歯科衛生士法に基づく国家資格ですが、歯科助手は法的な基準が定められていないため、医療行為をおこなうことができません。

このため歯科助手(歯科アシスタント)は、受付事務や雑務など、資格を必要としない業務のみを担当するという違いがあります。

社会人でも歯科衛生士になれますか?

社会人として働きながらでも歯科衛生士を目指すことは可能です。

夜間部がある歯科衛生士の学校なら、授業時間が夕方〜夜に設定されているため、日中の仕事終わりから授業に参加できます。

まとめ

歯科衛生士は、お口の健康を守るスペシャリスト。

手に職をつけられるだけでなく、求人倍率22.6倍という超売り手市場のため、自分の希望に合った条件で長く働けます。

そんな歯科衛生士になるには、3年以上歯科衛生士養成機関で学び、卒業後歯科衛生士国家試験に合格する必要があります。

国家試験の合格率や施設・設備の充実度、実習先の種類や数などをチェックして、自分に合った学校に進学すると良いでしょう。

首都医校、大阪医専、名古屋医専の「歯科衛生学科」は、歯科衛生士が目指せる3年制の専門学校です。

国家試験の合格率は92.2%。最先端の設備を完備した実習中心の3年間で、即戦力として活躍できる歯科衛生士がめざせます。

「歯科衛生士を目指そうと考えている」「歯科衛生士という仕事に興味がある」という方はぜひ、無料パンフレットのお取り寄せまたはオープンキャンパスへのご参加をお待ちしております。

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資格対策のカリキュラムや指導内容は毎年変更しているため、国家試験合格率は92.2%と高い数値を誇っています。

また、設備は最先端のものを一人一台使えるよう確保しているため、プロと同じ現場で即戦力となる歯科衛生士がめざせます。

授業の開始時間が16:20〜の夜間部もあるため、社会人・大学生の方も無理なく通学が可能です。

ぜひまずは無料のパンフレットまたはオープンキャンパスへの参加で、詳細をチェックしてみてください。

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