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歯科衛生士の平均年収!企業規模や年齢別、年収を上げる方法を解説

歯科衛生士は、歯や口腔内の健康をとおして人々の生活をサポートする仕事です。口内環境を整えることで、たくさんの方々の健康を支える職業ですが、「年収はどのくらい?」「年収は上がっていくの?」といった疑問を抱いていませんか?

本記事では、歯科衛生士の年収の実態や、年収に差が出る理由についてわかりやすく解説します。さらに、収入を上げるための具体的な方法にも触れているので「歯科衛生士になりたい」、「歯科衛生士の専門学校に入りたい」という方はぜひ参考にしてみてください。

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歯科衛生士の平均年収は?

歯科衛生士の平均年収は、約404万円です(※)。内訳は以下のようになっています。

平均年収毎月の平均給与平均年間賞与平均年齢
約404万円約29.6万円約48.9万円37.8歳
※平均年収は平均賞与と超過勤務手当(残業代や深夜勤務手当など)が含まれているため、働く職場によって上下します。

この数値は業界全体を対象としているデータのため、実際の年収など細かい条件によって異なります。ここからは、歯科衛生士の年収を条件ごとに比較して、詳しくみていきましょう。

(※)参照:令和5年賃金構造基本統計調査|e-Stat

※平均年収は、きまって支給する現金給与額に12をかけて、年間賞与その他特別報酬額を加えて算出しています

企業規模別の平均年収

歯科衛生士の企業規模ごとの平均年収は以下のとおりです。(※)

企業規模平均年収平均月給年間賞与
10~99人約403万円約30万円約45万円
100~999人約387万円約27万円約58万千円
1,000人以上約449万円約30万円約89万円
※平均年収は平均賞与と超過勤務手当(残業代や深夜勤務手当など)が含まれているため、働く職場によって上下します。

企業規模ごとの平均年収にバラつきがあることから、規模が年収を決定づけているわけではないことがわかります。報酬額には勤務先の雇用条件、経営者の方針が反映されるため、一概に傾向を見出すことは困難です。

就職先を選ぶ際は、給与の内訳や昇給システムなど、個々の詳細条件を確認しておくことが大切です。

(※)参照:令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種|e-Stat

※平均年収は、きまって支給する現金給与額に12をかけて、年間賞与その他特別報酬額を加えて算出しています。

年齢別の平均年収

歯科衛生士の年齢別の平均年収は以下のとおりです。(※)

年齢平均年収
20~24歳約328万円
25~29歳約383万円
30~34歳約416万円
35~39歳約382万円
40~44歳約398万円
45~49歳約523万円
50~54歳約454万円
55~59歳約417万円
60~64歳約456万円
65~69歳約636万円
※平均年収は平均賞与と超過勤務手当(残業代や深夜勤務手当など)が含まれているため、働く職場によって上下します。

年齢別で歯科衛生士の年収を比較すると、世代ごとにバラつきがあり、一貫した法則がありません。その理由として、歯科衛生士が何歳からでも挑戦しやすい職業であることが考えられます。

どの世代にも一定数の初心者が含まれている可能性があるため、世代によって年収に差が生まれにくいのかもしれません。

歯科衛生士の年収を比較するときは、年齢よりも経験年数などの要素で比較したほうが、より正確なデータが得られるでしょう。

(※)参照:令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種|e-Stat

※平均年収は、きまって支給する現金給与額に12をかけて、年間賞与その他特別報酬額を加えて算出しています。

賞与・ボーナスの平均

歯科衛生士の賞与・ボーナスの平均は以下のとおりです。(※1)

企業規模年間賞与
10~99人約45万円
100~999人約58万円
1,000人以上約89万円

企業規模が大きくなるごとに、賞与・ボーナスも高額になっていることがわかります。

しかし、歯科衛生士の就職先は、小規模な場合が多いです。実際に、9割以上の歯科衛生士が個人医院やクリニックなどの診療所で勤務しています(※2)。

病院や介護施設、歯科衛生士の養成学校など大規模な企業への就職を目指すのであれば、あらかじめ勤めたい企業を選定して、就活に向けた下準備をしておくことが大切です。

(※1)参照:令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種|e-Stat

(※2)参照:就業場所別にみた就業歯科衛生士・歯科技工士|厚生労働省

※年間賞与には年間賞与その他特別報酬額を記載しています。

歯科衛生士の年収に差が出る理由

歯科衛生士

歯科衛生士は、経験年数や企業規模によって年収が異なります。ここでは、歯科衛生士の年収に差が出る理由についてそれぞれ詳しく解説します。

勤務地

歯科衛生士の年収は勤務地によって多少の差が出ます。勤務地による平均年収は、以下の表のとおりです(※1)。

都道府県平均年収
東京都約474万円
神奈川県約408万円
愛知県約471万円
埼玉県約405万円
大阪府約435万円
京都府約484万円
※平均年収は平均賞与と超過勤務手当(残業代や深夜勤務手当など)が含まれているため、働く職場によって上下します。

歯科衛生士の全国の平均年収は、約404万円です。それに対して、平均年収より高い勤務地は、東京や大阪の都市部に多い傾向にあります。

ただし、生活コストが高い地域だと、年収が高くても『自由に使えるお金』は増えません。固定費が少なくて済む地域に暮らしていれば、年収が少し低くても生活には余裕が生まれることもあります。

歯科衛生士は全国で需要の高い資格職であるため、自身のライフスタイルに合わせて働き方、働く地域を選ぶことが大切です(※2)。

(※1)参照:歯科衛生士|job tag

(※2)歯科衛生士教育に関する現状調査の結果報告|全国歯科衛生士教育協議会

※平均年収は、きまって支給する現金給与額に12をかけて、年間賞与その他特別報酬額を加えて算出しています。

医院の規模・経営方針

歯科衛生士の年収は、勤める医院の規模・経営方針により差が出ます。

年間収益の大きい医院であれば経済状況に余裕があるため、潤沢な資金を給与に反映させやすいです。一方、規模・年間収益がともに小さい医院の場合、従業員の給与を高く設定することは難しいでしょう。

また、報酬額や昇給システムは、医院の経営方針にも大きく左右されます。経営者の方針によっては給与が上がりやすい職場もあるので、詳細条件をよく確認して就職先を選定することが大切です。

経験年数

歯科衛生士の経験年数によって年収に差が出ます。経験年数ごとの年収の違いは以下のとおりです。(※)

経験年収平均年収
1~4年約341万円
5~9年約385万円
10~14年約391万円
15年以上約436万円
※平均年収は賞与と超過勤務手当(残業代や深夜勤務手当など)が含まれないため、実際にはそのぶんが上乗せされる。

歯科衛生士は、経験年数を積み上げることで年収が上がっていく傾向にあります。

経験年数のみだけでなく、スキルを増やしていくことで、さらなる年収アップも期待できるでしょう。また、給与制度の整っている職場では、長く務めることで安定的に年収を高めることも可能です。

経験やスキルで年収が高められることを理解して、計画的にスキル習得などをおこなえば、さらなる年収アップが期待できるでしょう。

(※)参照:令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種|e-Stat

※平均年収は、所定内給与額に12をかけて、年間賞与その他特別報酬額を加えて算出しています。

勤務形態

歯科衛生士の年収に差が出る理由のひとつに、勤務形態の違いによるものがあげられます。実際に働いている方々の常勤と非常勤の割合を比較すると、以下の表のとおりです。

雇用形態割合
常勤(任期付き含む)56.2%
非常勤(パートタイムなど)39.0%

歯科衛生士として勤務している方々のうち、約4割が非常勤として働いています(※)。

非常勤は柔軟な働き方を選べることに大きな魅力があるものの、給与や福利厚生は、常勤(正社員)と比較して充実していないことが多いです。また、非常勤は、常勤(正社員)と比較して労働時間も少ない傾向にあります。

契約内容や業務負担の違いが、年収の差に反映されるのだと考えられるでしょう。

(※)調査報告書p.13|日本歯科衛生士会

歯科衛生士で年収を上げる方法

歯科衛生士

歯科衛生士は経験年数を積み上げるだけでなく、計画的に年収アップを目指す必要があります。ここでは歯科衛生士の年収を上げる方法について詳しく解説します。

資格取得を目指す

歯科衛生士が年収を上げるには、資格取得を目指すことは有効な方法です。資格取得することで、資格手当がもらえる場合もあります。歯科衛生士に関連する資格で、年収アップにつながる資格は以下のとおりです。

  • 日本歯周病学会認定歯科衛生士
  • 日本成人矯正歯科学会認定矯正歯科衛生士
  • 日本口腔インプラント学会認定歯科衛生士

これらの資格は、専門的な知識や技術が求められる資格です。取得すれば専門性の高さを示せるようになり、対応できる業務範囲も広がります。

学んだ知識を活かせる現場で働くことで、年収アップも目指していけるでしょう。

勤務先で昇進を目指す

歯科衛生士が年収を上げるには、勤務先で昇進を目指すことが重要です。勤務先によっては役職手当が支給される職場もあり、直接的な年収アップが期待できます。

規模の大きな歯科医院では、副主任やマネージャーといった役職もあり、スキルアップとともに給与向上のチャンスが広がります。また、後輩の指導やリーダーシップを発揮することで職場からの評価が高まり、昇給につながる可能性もあるでしょう。

こうしたキャリアアップの取り組みを積極的におこなうことで、歯科衛生士としてのスキルアップと収入向上の両方を実現できます。

待遇の良い職場に転職する

歯科衛生士の年収を上げる方法として、待遇の良い職場に転職するのも効果的です。給与体系は職場によって異なるため、今よりも給与や待遇が良い職場へ転職することで収入アップが期待できます。

特に、評価制度が整っている職場では役割に応じた昇給が見込まれるため、自分のスキルや経験を活かしながら収入の向上を目指せるでしょう。

転職を検討するときは、業務内容や評価基準を事前に確認し、年収アップに適した職場を見つけることが大切です。

独立開業する

歯科衛生士が年収を上げる方法として、独立して開業する道もあります。

歯科衛生士は医師のような治療行為はできませんが、予防歯科やお口のケアに特化したサロンを開業することが可能です。また、必要に応じて歯科医師を雇い、デンタルエステなどのサービスを提供することにより、経営者として収入を得られます。

開業することで自身の努力次第で収益を増やせるため、年収アップを目指す選択肢のひとつになるでしょう。

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歯科衛生士を目指す方にとって、歯科衛生士専門学校への入学は非常に有効な選択肢です。専門学校では、実践的な技術や知識を体系的に学ぶことができ、国家試験合格に向けたサポートも充実しています。

また、現場での実習を通じて、実際の業務に即したスキルを身につけることができるため、卒業後の就職活動にも有利です。歯科衛生士としてのキャリアを築くためには、専門学校での学びが不可欠です。興味がある方は歯科衛生士専門学校の詳細をご覧ください。