ダブルライセンス取得が施術の幅を広げた。訪問鍼灸の道で、医療と介護の架け橋として活躍!
小松原(旧姓:村上) 梓さん
柔道整復師 はり師・きゅう師/ホームヘルパー二級
リップル治療院 勤務
柔道整復学科 2018年卒業/鍼灸学科 2020年卒業
――お仕事の中身を教えてください。
訪問鍼灸を担当しています。患者さんのご自宅や介護施設を訪問し、鍼灸や機能訓練、リラクゼーション施術などを行います。 患者さんのプライベートな場所に立ち入っての施術になるので、まずは信頼関係を築けるように、その方の性格を理解してコミュニケーションをとります。またご自宅や施設に訪問することもあって、そのご家族や介護担当の方との関わりも重要。症状やお身体の変化についてだけでなく、日常の他愛もないお話や、昔話をしてくださると「少しずつ心を開いてくださっているのかな」と感じ、うれしくなります。
――患者さんやご家族との関係性が大切なお仕事なんですね。
患者さんは、歩行困難な方、コロナの影響で外出が困難になっている方など「不調を抱えているけれど病院に来ることができない方」です。私たちの仕事は病院で患者さんを待つだけでなく、患者さんのもとに訪問できる良さがあります。ひとり1人の症状に合わせた施術はもちろん、その日の状態に合わせた施術に切り替えることも重要です。患者さんとの会話から、今どのような施術が必要なのか判断し、患者さんに寄り添うことができます。
――学校で学んだことは、お仕事に役立っていますか?
私は柔道整復学科・鍼灸学科と2つの学科で6年間学び、多様な施術の実技を身に付けました。おかげでひとり1人の患者さんに合わせた施術レパートリーの幅を広げることができました。 また、想像以上に役立ったのが、学校で学んだ臨床医学の内容です。問診の際、問診書に書かれている既往症や現病歴の項目については必ずといってよいほど患者さんにヒアリングして深掘するのですが、症状への知識があるのとないのでは大違い。受け応えで言葉に詰まったりすることなく、患者さんに安心感を持ってもらえるスムーズな問診・説明ができます。
――コロナによって、訪問というスタイルにも影響はありましたか。
特に介護施設に入居する患者さんへの訪問は、大きく影響を受けました。介護施設に入館制限がかかって訪問することができず、患者さんのリハビリが一定期間中止になってしまうということが何度もありました。再び入館することができるようになり「先生が来てくれるのを待っていたよ」という声をいただくたび、身体だけでなく心のケアもできていたのだ、と感じることができました。 私たちケアスタッフが訪問できるようになっても、施設では家族の入館や利用者同士の交流についての制限が続いていました。そのため患者さんは、私たちとの会話を楽しみにしてくださる方も多く、患者さんの心の支えになれていることを実感できました。 また患者さんに直接会えないご家族に対しても、私たちが訪問した時のご様子をお伝えすることで、安心や信頼感につながっていたと感じています。
――今後の活動について教えてください。
鍼灸の仕事にとてもやりがいを感じています。これからも、患者さんのために施術のレパートリーの幅をもっと拡大できるように努力をしていきたいです。そして、鍼灸の施術の効果や利点を、もっといろんな人に知っていただきたいと思います。
小松原さんの上司である、高山永嗣院長にもお話を伺いました。
――小松原さんの仕事への姿勢を、どのように見ていただいていますか。
当院では、通院ができない患者さんに対する「訪問鍼灸」を中心に日々業務を行っています。そのため、患者さんのお身体を触ることだけでなく、相手の立場や状況を理解することや、思いやりがとても必要となります。小松原さんは、常に明るく、患者さんの抱えているお悩みや困りごとなどを親身になって考えることができる先生。いつも笑顔で患者さんに接していますが、時には悩みに寄り添うあまり一緒に涙を流すことも…。治療家としてだけでなく、人として患者さんから必要とされている先生ですよ。
――今後期待していることを教えてください。
小松原さんは、とにかく「鍼灸が大好き!」という熱い気持ちを持って働いてくださっています。今後さらに進むであろう超高齢化社会のなかで、一人でも多くの患者さんの役に立てる鍼灸師になっていってほしいです。当院で手掛けている訪問鍼灸という特性上、医療と介護の架け橋になる治療家に成長してくれたらうれしいですね。
Profile
リップル治療院 勤務
柔道整復師 はり師・きゅう師/ホームヘルパー二級
柔道整復学科 2018年卒業/鍼灸学科2020 年卒業
大阪医専で柔道整復師・はり師・きゅう師のダブルライセンスを取得。ヒアリングをもとにした的確な施術で患者さんの信頼を得ている。ニュースレターや患者さんへの課題を作成するために文章力と絵心を磨くなど、患者さんとより深いコミュニケーションをとるための努力を欠かさない。