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理学療法士として開院から部署の立上げに関わり、 リハビリテーションの責任者へ。

リハビリ分野

黒河内 聡さん
医療法人社団 大和会 平成扇病院
主任 理学療法士
現高度理学療法学科 2015年卒業

大切なのは親身なコミュニケーション。
メンタルケアも含めて、安心して帰れる環境づくりをしています。

――入職7年目でリハビリの責任者をおつとめですね。

当院へは開院時に入職しました。入職から回復期リハビリテーション病棟の方に在院していましたが、この2年で医療療養病棟が立ち上がったので、今はそこの責任者をつとめています。主に入院患者さんのリハビリを担当していまして、外来リハビリの方も兼務しています。その他、事務的なこととして、責任者ということもあり、医師や病棟との連携を取るための仲介、院内で推進している様々な係のとりまとめをしています。また、新人スタッフの採用も担当しています。

――どんなところにやりがいを感じますか。

やはり患者さんが笑顔で帰っていくのを見たときや、お礼の言葉をいただけたときに、一番やっていてよかったと思いますね。理学療法士は、自分の手で患者さんの何かを変えるサポートができる仕事だと思うので、直接接して親身に考えて、患者さんが安心できるよう手助けできる、とても魅力的な仕事ではないかなと思います。 以前、入院してリハビリしていた患者さんで、進行性の難病を患っていた方がいらっしゃいました。人工呼吸器が常時必要でしたが、どうしたら早めにお家で過ごせるようにできるか、お家を拝見したりして、これなら帰れるというところまで環境づくりをした経験がありました。患者さんからは「早く帰れてよかった」とお喜びいただけたのを覚えています。

――メンタルケアもされているそうですね。

当院の特徴としては、精神科の外来も行っていることもあり、開院当初から精神疾患を患っている方、自傷行為の方のリハビリが多くあります。そのため、理学療法士ではありますが、リハビリと一緒にメンタルのケアにも配慮しています。当院には精神科のドクターがいますので、言葉遣いなども含めて、指示やアドバイスを仰ぎながら行っています。昨今では、理学療法士の協会でも精神心理領域という分野があり、注目されている分野と言えます。

――お仕事で心がけていることは。

痛みなどを我慢したり、自分が感じていることをなかなか訴え出ない患者さんもいらっしゃいますので、話をよく聞くことを心がけています。治療のためにそこから感じ取る部分も多いんですね。その感覚を培うには、現場で接する経験が一番大きいのですが、首都医校で受けた「OSCE(オスキー)」が役に立ちました。生徒同士で実技をするのですが、臨床現場を想定した大変緊張する場で、入職前にそうした経験をしておけたのはよかったと思います。 責任者としては、ストレスを抱え込み過ぎないように、いろいろなスタッフのフォローをいかにしていくかを考えています。また、他愛もない話でも、皆さん一人ひとりに声をかける配慮というのも大切にしています。

――これから頑張っていきたいことは。

患者さんのためにも、私自身の知識をさらに深めていかないといけないと思っています。今はまだ自分の強みと呼べるような技術がありませんので、専門的な技術をもっと身につけていきたいと思っていますし、それが自信にもつながると思っています。今も定期的に勉強会も行ったり、学会に参加したりしています。来年には学会で研究事例を発表することが決まっていて、これらを通して自己研鑽しながら、知識を深めていきたいと思っています。

Profile

 
黒河内 聡さん

医療法人社団 大和会 平成扇病院
主任 理学療法士
現高度理学療法学科 2015年卒業

卒業後、平成扇病院に勤務。回復期リハビリテーション病棟、医療療養病棟を経て医療療養病棟責任者となる。外来リハビリも兼務。新人スタッフの採用も担当する。