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精神保健福祉士学科と言語聴覚学科、両方で学んだことを仕事に活かす

リハビリ分野

番場 康治さん
吹田徳洲苑 勤務
言語聴覚士
現:精神保健福祉士学科 2005年卒業
現:言語聴覚学科 2007年卒業

不撓不屈の精神でメンバーを引っ張る番場さん
制限された環境でも前を向き続ける姿勢に勇気付けられる

―ご勤務先はどのような施設でしょうか。

病院と同じ建物に設置された介護老人保健施設で、介護と医療を一体的に提供できることが最大の強みです。そのためスタッフは盛んに病院と行き来しており、例えば私の場合、患者さんを病院の放射センターへお連れして、嚥下造影検査を受けていただき、嚥下障害のリハビリにつなげていくといった動き方をしています。
老健は一般的には在宅復帰に向けてリハビリを行うという位置づけですが、大変ご高齢で回復が現実的でない終末期の方も入所されています。そのような方に残りの人生をソフトランディングしていただくことも我々の役割です。ご家族の施設に対する要望をしっかりと汲み取り、医師、コ・メディカル、病棟の看護師らと思いを同じにし、アプローチすることを大切にしています。

―管理職ですが、言語聴覚士としての実務もされていますか。

もちろん、日々多くの患者さんの治療にあたっています。管理職といえども、まだまだキャリアを積んで学ばなければなりません。対象が高齢者領域の患者さんなので、どうしてもリハビリは難しくなります。簡単ではない患者さんだからこそやりがいを感じると同時に、難しいケースについては皆で話し合いながら進めており、そこは仕事の楽しいところです。

―コロナ禍の影響はいかがでしたか。

デイケア(通所リハ)を一時閉鎖したり、スタッフが移動する病棟の範囲を狭めたり、様々な対策を取ってきました。施設内に感染者が出たこともありましたが、そのような状況でも職員が一丸となって乗り越えてきました。通常業務ができずに時間が空いたときは、データを取って学会発表の準備にあてるなど「転んでもただでは起きない」という気持ちでコロナ禍と向き合っていました。今ようやくワクチンが高齢者に行き渡り、状況が落ち着きつつあります。


▲欧州臨床栄養代謝学会でのオンライン発表の様子

―臨床と研究を両立されています。海外での発表もありますか。

2020年は「認知症と嚥下障害の関係」というテーマで、欧州臨床栄養代謝学会で発表しました(写真)。本来はフランス開催の予定で、英訳の抄録も作成していたのですが、コロナ禍でオンラインでの実施となりました。2021年は国内で「抗精神病薬と嚥下障害の関係」について学会発表を行いました。
私は母校の精神保健福祉士学科も卒業しています。認知症など言語聴覚学科と重なる領域も多く、両学科で学んだことは仕事に活きているのですが、発表テーマからもわかるように研究活動においても大いに役立っています。
私もきたるコロナ後には、必ず海外まで学会発表に出向きたいと考えています。今はその力をしっかりと蓄える時期です。

―研究活動に力を入れておられる動機は何ですか。

自分の力をフルに発揮できるように、常に知識を吸収しておきたいからです。そのためには、研究活動や学会発表はどうしても必要です。だから若手職員の皆さんにも勧めています。各種の勉強会に参加して、学会に参加するチャンスを掴んでほしいと思います。

Profile

 
番場 康治さん

吹田徳洲苑 勤務
言語聴覚士
現:精神保健福祉士学科 2005年卒業
現:言語聴覚学科 2007年卒業

言語聴覚学科卒業後、病院勤務を経て、現在の医療法人徳洲会へ。現在、介護老人保健施設 吹田徳洲苑リハビリテーション科主任を務める。(一社)日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士。精神保健福祉士の資格も保有。