大会の中断期間にフィジカル面を強化。今は開幕に向けギアを上げている。
- 秦野 洋輔
- アスレティックトレーナー
- Honda HEATラグビー部 勤務
- 2017年卒業
ーお仕事の中身を教えてください。
おもにフィジカル面の強化を図るS&C(ストレングス&コンディショニング)コーチを務めています。選手のパフォーマンス向上につながる各種トレーニングに加え、コンディション管理も含めた様々な役割を担います。ラグビーは生ものであり、やったことすべてがダイレクトに返ってくる競技。選手の成長、チームの成長を実感できたとき、自分のことのように喜べるのがこの仕事のやりがいです。
他方、ときには選手に対して厳しいことも言わなければならない立場です。大切な仲間であることは違いないのですが、決して友達にはならないスタンスで接するように心掛けています。
ーコロナの影響でラグビートップリーグも中止になりました。
何と言っても、試合ができない選手がかわいそうでした。なかには契約が終わる選手もいて、もっと活躍を見たかったと残念に思いました。また、多くの観客動員が見込まれたなか、試合を楽しみにしてくださっていたお客さんのことも頭をよぎりました。
大会が中止になるかどうかわかない時期が1カ月ほど続き、不安だったさなかに「自分たちがコントロールできないことに目を向けない。コントロールできる部分に目を向けよう」というチームとしてのメッセージが発信され、それで気持ちを切り替え、中断期間を前向きに過ごすことができました。この間、フィジカル・トレーニングの時間を増やせたことは非常にプラスになりましたし、他チームや日本代表、海外選手らのフィジカル面に関するスコアの情報収集といった活動もできました。S&Cコーチとして自身のノウハウを高められた感覚はあります。
ー再開に向けて意気込みはいかがですか。
すでに新チームが始動しており、ギアも上がっています。とてもいい状態に仕上がってきましたね。
大会が始まったらHEATというチーム名さながらの熱い心、負けていてもあきらめない姿を観ていただきたいと思います。試合だけではなく、チームのインスタグラムで試合に臨む過程をチェックしたり、試合後のファンサービスにも関心を持ってもらったりすると、より楽しんでもらえると思います。
一昨年の9位を上回るベスト8は最低限の目標。目指すはまだ達成していない日本一です。
ー母校のアスレティックトレーナー学科卒業生が連携してコロナ禍の中高大生アスリートを応援した取り組みにも協力されました。
先生からお声掛けがあったのがきっかけです。コロナ禍で苦境にある学生アスリートを応援したいという先生の考えを聞き、協力させていただきました。動画では当たり負けしない下半身のトレーニング法や、バランスと体のキレを向上させるトレーニングなどついて解説しています。お役に立てたなら嬉しく思います。