スーダンで作業療法士として活動中
- 岩吹 綾子さん
- 作業療法士
- 2014年 作業療法学科卒業
- 大阪医専卒業後、大阪府の急性期病院に約3年勤務し、成人を中心とした作業療法に従事した。2016年5月に熊本地震の支援活動を行った。2017年7月よりJICA青年海外協力隊の作業療法士としてスーダンに派遣。首都の障がい児・障がい者通所施設に配属され、2019年7月まで活動予定。
赴任後、2017年8月から作業療法士としての活動が始まりました。配属先は、障がい児・障がい者通所施設で、同僚はすべて教員という日本の特別支援学校に近い施設です。集団に対して授業を行うこともありますが、9月より個別作業療法を開始しました。主な対象はADHD(注意欠陥/多動性障がい)、学習障がい、ダウン症、脳性麻痺を持つ子供です。スーダンにあるリハビリテーション専門職は理学療法士のみで、作業療法士と言語聴覚士の制度や養成校はありません。そのため対象者はもちろん、同僚も作業療法に触れるのは初めてという環境です。
スーダンはアフリカ大陸北部に位置し、アラブ文化とアフリカ文化がモザイク状に混在しています。国民の大半がイスラム教徒で、生活にも色濃く影響しています。食事は右手で食べることが多く、ADL(日常生活動作)に必要な能力も日本とは異なります。まずは個別作業療法で対象者とじっくり向き合い、現地の文化や風習を踏まえながら関わっていきたいと考えています。加えて、同僚や国内の同様施設のスタッフに「作業療法って面白いな」と思ってもらえるようなきっかけをつくり、作業療法のエッセンスを伝える機会を持てればと考えています。
在学中は授業、テスト、実習、国試と次々と難関が立ちはだかり辛いこともありましたが、卒業して振り返ってみるとどれも大切な経験だったなと感じています。私は夜間部でしたが、先生方には限られた時間の中でたくさんのことを教えていただき、とても感謝しています。学生生活や就職についても親身に相談に応じていただき、誠にありがとうございました。