フライトナースを目指して実務経験を積む毎日
信州大学医学部附属病院 高度救命救急センター
藤井 貴士
高度看護保健学科 2014年卒
看護師・保健師
高度救命救急センターで幅広い症例に触れることが成長の糧に
フライトナースになるには、救急分野で3年以上、看護師としてトータルで5年以上の実務経験を積み、看護師長の推薦を経て所定の研修を受けるというプロセスが求められます。私は現在、高度救命救急センターで救急看護に携わるとともに一般的な看護師業務にも従事しながら、フライトナースへのステップを歩んでいます。まだまだ未熟者ですから、重症度や緊急度の高い患者さんについてはリーダー看護師から指導していただく必要がありますが、最近では一人で対応できる場面も増えてきました。信大病院は長野県唯一の大学病院として「地域医療の最後の砦」と位置づけられており、とりわけ救急には様々な患者さんが来院されます。多種多様な症例を経験できるほか、自然災害の被災者や山岳事故で搬送されてきた方の処置など、信大病院ならではといえる幅広い傷病に触れてきました。このような看護師としての知識・技術を身につけるうえで最高の環境を活かし、成長していきたいと思います。
入職当初は救急に携わる看護師として、重症度や緊急度の高い患者さんにどう対処し、生命を救うかということを最優先に取り組んできましたが、今ではそれに加え、患者さんやご家族との関わり方に強い関心を持つようになりました。救急医療には慌ただしいイメージがあるでしょうが、それでも丁寧な対応は不可欠です。患者さんもご家族も大きな不安を抱える急性期だからこそ、きめ細かなコミュニケーションを心がけなければならないと考えています。
学生時代に学んだチーム医療は看護師としての原点
フライトナースを目指すうえで、リーダーシップとマネジメント能力の修得は必須です。その原点を私は学生時代の学びに見いだしました。印象に残っているのがリハビリテーションや医療事務などの他職種を目指す学生と一緒に取り組んだ「チーム医療症例演習」です。チーム医療において、患者さんに一番近い立場である看護師が的確に情報発信することで、メディカルスタッフ同士の連携を円滑にすることが重要だと実感しました。今後は、その視点を現場で深め、リーダーシップとマネジメント力を磨いていきたいと思います。
私が目指す看護師像は、どんな症状を持った患者さんでも責任を持って関われると同時に、患者さんのメンタル面も含めた様々な側面をケアできる人です。フライトナースになることも、そのプロセスの一環だと考えています。
※卒業生会報誌「i(アイ)」19号(2016年11月発刊)掲載記事