リハビリ分野
2025.12.22
湯 硯迪さん
大阪大学大学院 在学
高度作業療法学科/2023年卒業
作業療法士として日本で現場経験を重ねるために母校に留学したのですが、一年次後半の臨床実習で考えが変わりました。脳卒中のリハビリの難しさを実感して、何か新しいリハビリ手法を生み出して現場に貢献したいと思ったんです。そこから大学院進学に向け、日本語を磨くとともに、脳神経科学や運動制御の基礎知識を徹底的に学び、猛勉強しました。 実際、母校での学びが今の研究活動の土台となっています。医療の基礎知識はもちろん、チーム医療で培ったコミュニケーション能力は、教授や共同研究者・被験者さんとの関わり合いに欠かせません。特に日本語力は実技テストや実習で鍛えられました。日本人のクラスメイトにとても助けられましたね。 脳卒中後の手指の運動機能を回復させる新しいリハビリ手法の研究に対して「大阪大学女子大学院生優秀研究賞(令和六年度)」をいただきました。研究の社会的意義が認められたことを嬉しく思うと同時に、今後は基礎研究の成果を実際のリハビリへの応用へとつなげていく段階に入っています。 まずは日本でこの研究を成功させ、いずれは中国で日本のようにきめ細かいリハビリ施設・サービスを整えたい。介護問題が深刻な中国でも、脳卒中患者や高齢者とその家族が安心して暮らせる社会をつくりたいんです。そして、日中の研究者が協力できる拠点をつくり、リハビリテーション医療の発展に貢献したい――それが私の夢です。
大阪大学大学院 在学
高度作業療法学科/2023年卒業
中国出身。脳卒中で倒れた祖父と看病した両親の苦労を見て、南京中医薬大学へ。日本のリハビリ医療を学ぶため母校に留学。卒業後は大阪大学大学院生命機能研究科に進学。5年一貫制博士課程3年次。