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「高度専門士」であることを活かして大学院進学によるキャリアアップを計画

看護分野
藤井 貴士
看護師
信州大学医学部附属病院 勤務
2014年卒業

ーお仕事の中身を教えてください。

手術室看護師として、様々な診療科の外回り看護師(間接介助)を務めています。とくに多いのは、「脳神経外科の開頭や脊椎手術のほか、透視装置を配置したハイブリッド手術室・MRI装置のある手術室での業務です。

手術では麻酔科医師とともに全身麻酔下における患者の全身管理、手術体位の設定、患者の代弁者、チームのコーディネーターという役割を担っています。そこでは麻酔科・外科の医師、看護師、検査技師、臨床工学技士などの多職種がかかわります。そのなかで他職種と円滑にコミュニケーションが取れ、問題なく安全な手術が提供できた際にはやりがいを感じます。

ーまさに日々「チーム医療」の現場です。

現場では看護師だけではなく、多職種がそれぞれの専門性を発揮して、患者にチームとしてかかわることで最良の医療が提供できると考えています。

学生時代に学んだ「チーム医療」で、グループワークを通じて各コメディカルの強みと特色を学べたことは入職後、役立っています。看護師は他のコメディカルの仕事を担うこともできる一方、専門家には劣ることもありますが、患者には一番近い存在です。その看護師がコーディネーターになることで、円滑な「チーム医療」を提供できるというのが自分の実感。このことは手術室をはじめ、救急や集中治療の領域ではとくに重要だと感じます。

ーコロナ禍の影響はいかがでしたか。

個人的にはコロナ感染者の対応はしていませんが、当院は県内唯一の国立大学病院として県内の緊急・重症患者を受け入れる役割があります。緊急で感染者や疑いのある患者の受け入れに備えて、自分と周りを守るための感染防護の知識を吸収できたことは良い経験となりました。また、「ICLS認定インストラクター」として活動していたことで、コロナ禍における感染を考慮した心肺蘇生についての知識を得られ、それを院内にフィードバックできたのも自身の経験とスキルアップにつながる貴重な機会でした。

看護師にとって自己研鑽の継続はとても重要です。しかし、コロナ禍で各種セミナーや勉強会・学会などが中止となってしまいました。そのような状況でも知識やスキルの維持向上をいかに止めないか。今はこの新たな課題に取り組んでいくことを意識しています。

ー「高度専門士」の称号をお持ちです。今後のキャリア形成に活かせそうですか。

「高度専門士」でなければ描けなかったプランがあります。「ICLS」という日本救急医学会認定の心肺蘇生コースで学会認定のインストラクターとしても活動する過程で、自分にない経験を持つ医療者から多様な刺激を受けたことで、自身のキャリアプランについて深く考えるようになりました。

具体的には、大学院に進学してクリティカルケアのナース・プラクティショナー(診療看護師)の資格を取得するとともに特定行為研修に参加することです。その後は再度救急部へ戻り、フライトナースの資格を取得し経験を積みたいと考えています。最終的にはそれらの経験を後輩に伝えていける看護教員になるのが目標です。

※ICLS(Immediate Cardiac Life Support)は日本救急医学会が開催している蘇生教育コースのこと