経験豊かな特別講師が直接指導「特別講義」

<T.O.L.講義>養老孟司氏 「死」はあなた自身だけの問題ではない 『人間科学』

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現代医療の礎を築いた特別講師が教壇に立ち、学生たちに直接指導するトップ・オピニオン・リーダー(T.O.L.)講義。その貴重な特別講義を一部紹介します。

解剖学者であり、また数多くの著書を世に送り出す、東京大学名誉教授・養老孟司氏を招き、『人間科学』をテーマに特別講義を実施しました。実は、今回の特別講義は、本校の宮下校長が養老氏と東京大学の同窓生であり、同窓会で再会し意気投合したことから実現したものです。


養老氏は、心の問題や社会現象を、脳科学や解剖学などの知識を織り交ぜながら解説し、多くの読者の共感を呼んでいます。また著書である『バカの壁』は、400万部を超えるベストセラーとなったことでも有名です。

今回の講義では、医療システムの現状や課題、また動物や人工知能(AI)には持ちえない、人間しか持っていない「意識」という感覚が果たす役割についてお話しいただきました。
そして最後に、将来医療の現場に立つ学生たちに向け「死生観」についても語られ、学生たちは医療人としての大切な姿勢を改めて考えさせられる機会となりました。

受講した学生の感想(一部)

■「死というものにどう向き合うべきか?」という質問に対する回答が大変印象的でした。「死」は自分のものではない。自分の身体を自分で解剖することはできず、それは他人にしかできないから、自分にとって一人称の「死」はない。その言葉が今も深く胸に突き刺さっています。


■中学2年生の時、初めて身近な親戚をガンで亡くしました。幼い頃から関わりが深く、精神的ダメージが大きかったこと今でも覚えています。私は今、救急救命士を目指しています。人命を救うのはもちろんですが、中学生時代に経験したことを活かして、心のケアもできるような存在になりたいと思っています。養老先生がおっしゃっていた「死は自分のものではない」、つまり自分たちが救助者の生命を守るという重大な責任を任せられると改めて気が引き締まりました。


■人工知能(AI)や動物と人間との違いについてわかりやすい例を挙げて下さり、興味深い講義を受けることができました。人工知能(AI)がどんなに優れていても、動物の感覚がどんなに鋭くても、人間の脳にはそれらを越えることができる心があるということを改めて考えました。完璧でないからこそ、その先の可能性が広がるのだと改めて思いました。


■私は精神保健福祉士を目指し勉強に励んでいます。人は「相手の立場になって考える」ことができる心を持つ生物であることを私は誇りに思っています。この「心」があるからこそ、自分以外の誰かを「知りたい」という気持ちが存在するのではないかと、先生のお話を思い出しながら感じています。