経験豊かな特別講師が直接指導「特別講義」

<スペシャルゼミ>淀川キリスト教病院 副院長(小児科部長兼務) 鍋谷 まこと先生【「こどもホスピス」で生きる】

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経験豊かな最前線の特別講師が、最新の業界動向を直接講義。大阪医専ならではの「スペシャルゼミ」を一部紹介します。

日本で最初に緩和ケアを実施、2012年にはアジアで初めての「こどもホスピス」を開設した淀川キリスト教病院より、副院長の鍋谷まこと先生をお招きしてスペシャルゼミを実施しました。本院はホスピス(緩和ケア)の草分け的存在であるだけでなく、日本初となる交換輸血といった周産期医療や病院ボランティア、医療ソーシャルワーカーの導入など、先進的な取り組みも行ってきました。今回のスペシャルゼミでは、「こどもホスピス」の機能、そこで生きるこどもたちとその家族に寄り添う本院の取組について講義いただきました。
※ ホスピス・こどもホスピス病院は2017年2月末日に閉院し、現在はその機能を淀川キリスト教病院(本院)へ移転しています。

◆こどもホスピスとは?通常のホスピスとの違い
「ホスピス」とは難病や障がいを抱えた患者の終末期の痛みを和らげる「緩和ケア」を行う施設。一般的なホスピスが終末期の緩和ケアや看取りに重点を置くのに対し、こどもホスピスは患者本人だけでなく親、兄弟・姉妹など家族全員の支援を目的とするところに特徴があります。

◆こどもホスピスの社会的役割と意義
日本における小児がんの死亡数は年間約300人、自宅で呼吸器をつけて生活している難病の子どもの数も年々増加している現状がありながら、小児緩和ケアにおいて、日本は後進国。患者である子どもとその家族へどのように寄り添うかが課題とされています。
淀川キリスト病院では「明るい・広い・静か・暖かい・楽しい」家庭的な雰囲気を重視し、運動会やクリスマス会などの行事、ネイルアートや文楽・ペットとの触れ合いなどの趣味など子どもの成長に合わせたケアを行っています。持っている力を最大限に引き出すとともに個性を伸ばすことで最期まで「生きる」ことをサポート。
両親の精神的・肉体的な不安を少しでも取り除き、子どもとの触れ合いの時間に集中できる空間づくりも大切な役割で、そのケアは、死別後の心のケアにも至ります。
医師だけでなく、看護師、理学療法士、医療ソーシャルワーカーなど多職種が連携することで、患者やその家族が抱える様々な不安に寄り添います。こどもホスピス利用者の満足度は96%と非常に高く、大きな社会的意義を果たしています。

◆スペシャルゼミを聴講した学生たちの感想(一部)
・こどもホスピスは、小児にとって「普通の日常」が送れるように最大限サポートする施設なのだと思いました。様々な職種の医療従事者が関わることで、より多く患者さんの気持ちをくみ取れるのではないかと思います。
・子どもが難病を抱えていると、特に心理的不安が大きいと思うので、病気の治療だけでなく多職種での家族の支援もできるのは非常に重要だと思いました。

「こどもホスピス」・小児緩和のパイオニアである鍋谷先生のお話を興味深く聞いた学生たちは、将来自分が看護師としてどのように患者さん、そのご家族と向き合うのか、自分の専門領域で最大限のケアをするためには何を学べばよいのか、多職種との連携の重要性などを考えるきっかけとなりました。