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【スポーツ業界での起業】「専門的な知識」と「国家資格」を手にスポーツを一生の仕事にしたいと思った。

スポーツ分野

株式会社ロコムーブ代表として、多忙な日々を送る卒業生中嶋 輝彦さん。
スポーツトレーナーとして7年活躍した後、柔道整復師の資格取得のため本学に再進学。在学中に「老いの概念を変えたい」「人の身体を本来あるべき姿にしたい」という理念のもと、株式会社ロコムーブを起業しました。
なぜすでに社会人として活躍していた中嶋さんが、本学で国家資格を取得することになったのか。そのエピソードを伺いました。

―柔道整復師の資格を取得しようと思ったきっかけは?

きっかけは主に3つあります。
1つ目は入学前7年間、スポーツジムで働いていましたがアスリートのリハビリや高齢者の介護予防など専門的な知識の裏づけがなければ対応できない場面に多く遭遇したことです。体系的に身体のこと、外傷のこと、後療法のことを学びたいという想いが芽生えていきました。
2つ目は、将来「独立開業」をしたかったということです。理学療法士と柔道整復師で迷っていましたが独立開業権のある柔道整復師に決めました。
3つ目は、無資格で続けていく事に将来の不安を感じ、国家資格を取得したいと思った事です。

―本学で学んで良かったこと、印象に残っていることは何ですか?

在学中に現在の会社を立ち上げしました。
駅前という学校の立地が通学に便利で学業と起業を両立するうえで大変助かりました。
また様々な経験を持っている先生方が多く、勉強のことはもちろん、起業するにあたっての相談にも乗ってくださり、改め再進学をして良かったと思いました。

授業で印象に残っていることは「解剖学」や「生理学」をはじめ、医療に関わる様々な学問の世界に蓄積された知識の膨大な量に圧倒された事。勉強に終わりはないという事を教えられると共に、学校で学んだひとつ一つが現在の活動に活かされています。

―現在の仕事に就いて(資格を取得して)良かったこと、大変だと感じていることは?

良かったこととして、国家資格取得に向けて勉強した経験とその知識が現場でも自信になっていることです。勉強をするという習慣が自然と身につきました。資格取得という目的がなければ、あれだけ勉強しなかったと思います。入学前からスポーツトレーナーとして活動していましたが、昔の自分よりも成長した自分を実感しています。
大変だったことは、在学中に学業と起業を両立させることでした。自分で選んだ道なので大変なことは理解していましたが、先生・クラスメートに恵まれ、助けてもらいながら何とか卒業できました。

  • 理学療法士をはじめとする医療従事者にむけた在宅介護予防向けプログラムを実施

  • 企業向け福利厚生の一環として健康促進プログラムを実施

―起業した経緯と今後どんなサービスを目指していきたいですか?

入学前から将来、整骨院と介護保険サービスの事業を立ち上げることは決めていました。そんななか、学生という立場でお金も知名度も何もないという状態で起業してどこまで通用するのか試してみたいという想いで起業しました。そこで得た様々な経験が資格取得後にも活きると思い、学校との両立は正直厳しかったですが、がむしゃらに頑張りました。

理学療法士をはじめとする医療従事者にむけた在宅介護予防向けプログラムを実施

現在の主な事業活動は、高校の部活動の出張指導、理学療法士の方々と在宅介護予防向けプログラムの共同開発、歯科医師の腰痛予防、企業の福利厚生と産業保険などです。2012年には日経ビジネスから「日本を救う次世代ベンチャー100」に選出して頂きました。

また、本も出版させて頂き、おかげ様で現在1万部を突破。社会的な認知度も少しずつ広がってきました。これからは既存の事業と平行して、整骨院と介護保険サービス事業に本格参入していこうと思っています。
柔道整復師は国家資格でありながら、まだまだ知名度の低い資格です。今後は事業活動を通じて柔道整復師の社会的ステータスを向上することも一つの目標として頑張っていきたいです。

―最後に柔道整復師を目指す後輩に向けてメッセージをお願いします!

今後ますます、柔道整復師の数は増えていくことになります。人数が増えていくということは、相対的に資格そのものの価値は薄くなっていきます。接骨院の激増、保険診療報酬の減少など暗い話しを聞く事もあるかもしれません。しかし他の業界と比べると、高齢化社会の本格的到来、2020年東京オリンピック開催など時流としては追い風が吹いています。

すでに現代は身体に対する関心は強くなり、健康や運動に関連する情報はメディアでも多く取り上げられています。消費者も偽物と本物を区別する目を持ってきている事を実感します。そんな時代だからこそ、国家資格を有する柔道整復師は大きな強みを発揮すると思います。

しかし世間的にはまだまだ柔道整復師という知名度は低く、接骨院と整体院の違いの区別のついていない方ばかりです。とある調査では全国民の20%しか接骨院を利用したことはないそうで、残り80%も開拓の余地が残されているとも考えられます。

だからこそ、柔道整復師という枠にとらわれずに、資格を一つの手段として様々な形で社会との接点を作っていく事が重要だと思います。私はまだまだ柔道整復師としては若輩者ですが、一人でも多くの人の手助けとなる治療家になるべく共に頑張りましょう!