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たくさんの人に支えられた分、今度は自分がしっかり支える側に。

救急・臨床工学分野

高校から名古屋医専へ入学し、現在では救急救命士としての夢を実現させた伊藤さん。学生生活で印象に残っていることや、今後の夢について語ってもらいました。

―自信のなさは動きの鈍さにつながる。だからこそ、日頃の訓練がとても大切。―

高校時代、消防士にも医療分野にも関心があり、両方の夢がかなう救急救命士を目指すことに。現在は消防隊の一員として、火災における消防活動や交通事故などの救急隊員として出動しています。現場では迅速な行動が第一で、自信がなければ、それが動きの鈍さにつながります。だからこそ、日頃の訓練がとても大切。例えばホースの伸ばし方ひとつをとっても、僕は先輩に比べてまだまだ未熟。「うまくなったな」と言われるように、日々、技能を磨いています。

消火活動も救急搬送も自分の使命であり、市民から感謝されたいと考えているわけではありません。しかし、「(火事を消してくれて)ありがとう」「速い対応のおかげで後遺症もなく済みました」といった声はとても力になりますし、有事のときは市民から頼られる職業なんだという自覚がわいてきます。

―在学時の「チーム医療」「人間教育」がいま現場で活きている。―

救急救命士に必要な知識と技術、他学科と連携した「チーム医療」の実践的な演習、きめ細やかな国家試験対策などはもちろんのこと、「人間教育」の授業が特に印象に残っています。入学当時は異論があるとすぐに表情に出てしまうクセがあり、先生から『絶対に直せ』と指摘を受けました。“意見が食い違うときは誠実に話し合うことが必要”といった、大人としての態度や振る舞い方を教えていただきました。また、“生命の大切さ”を心から理解させてくれたのも名古屋医専の先生です。

僕の仕事は、たとえ自らを危険にさらしてでも市民の生命・安全を守ること。職業意識の面だけではなく、一人の人間として、最も大切なことを認識できました。

※卒業生会報誌「i(アイ)」16号(2013年11月発刊)掲載記事