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専門誌の卒業研究誌上コンペで 優秀賞を受賞した<卒業生インタビュー>

救急・臨床工学分野

臨床工学技士唯一の専門誌『Clinical Engineering』(秀潤社)における卒業研究誌上コンペ2010で、大阪医専の卒業生チームが「優秀賞」を獲得。医科大学に次ぐ第2位の評価という快挙でした。


卒業制作研究テーマ

「シャント穿刺*練習キットの作製」血液浄化分野でシャントへの穿刺初心者教育訓練に使用する練習キットの新しい提案。電気的導電性を利用したLED表示による良否判定などのユニークな方法とともに、独創的でかつ実用的な点が評価されました。*血液浄化療法では、動脈と静脈を吻合させ、形成されたブラッドアクセス (シャント部分)に針を刺す(穿刺)行為が臨床工学技士に認められている。

受賞者(臨床工学学科 2010年3月卒業生)

  • 第一東和会病院 勤務
    門下隆哉さん
    臨床工学技師

  • 協立病院 勤務
    木田幸夫さん
    臨床工学技師

  • 第二協立病院 勤務
    川上徹朗さん
    臨床工学技師

  • 白鷺病院 勤務
    大谷篤史さん
    臨床工学技師

ものづくりの楽しさを
味わった卒業研究。

木田 穿刺の練習キットはすでに市販のものがあったのですが、内容物が液体で、穿刺のたびに穴が開いて使い勝手が悪い。何度も使えるものを作成したいという問題意識が出発点でした。テーマ選びは学生の自由でしたから。

川上 機械制御の練習キットもあったけど高額になる。安価で何度も使えるキットがあればいいということで、意見がまとま りました。

門下 そもそも穿刺は国家資格がないとできない行為ですから、学生のうちにその感覚を疑似体験してみたいと考えましたからね。

大谷 苦労したのは素材選び。人間の皮膚に近いことはもちろん、LEDランプで良否判定する仕組みですから電気を通さないといけない。


門下 素材選びの苦労が皆、一番印象に残っている点でしょう。結局、導電性のスポンジがあるのを先生の助言で知ったことで道が開けたわけです。

木田 ちゃんとランプが点灯したときは嬉しかったなあ。

川上 一方で他の学生はしっかりとした論文を書いていた。自分たちだけ工作していていいのかなという思いもありましたけどね(笑)。

大谷 受賞の知らせを聞いたときは、意外という気持ちが9割でした。構造や造形面などで、まだまだ改善の余地があると思っていましたから。

4年制だから できた経験だった。

川上 論文のクオリティーという点では、他のグループのほうがよほど高かった。

木田 そう。だから受賞していいのかなというのが正直な感想ですね(笑)。

門下 今でも4人で定期的に飲み会をしますが、仲間と一緒に何かに取り組む時間を過ごせるのが卒業研究の良さだと思います。

大谷 僕はプレゼンテーションを体験できたのが勉強になりました。この知識は病院での勉強会などで役立っているし、大阪医専の卒業研究は社会人教育としても有効だと思いますよ。

木田 4年制だからできる取り組みですね。卒業研究のほか、国家試験対策を復習する時間が十分にありました。これは良かった。

川上 たしかに。4年次はこれまでの3年間を振り返る期間として有意義でした。

門下 勉強だけではなく、卒業研究では皆で達成感を味わうことができました。僕はそれが思い出ですね。

就職して、臨床工学技士の 役割を強く自覚した。


川上 就職して1年が経ちました。やっと知識がついてきた今、もっと勉強しなければという意識がより強くなってきました。

木田 それとチーム医療の重要性を痛感しますね。我々は患者さんと直接接する透析部門にいますから余計にそう感じるのでしょう。患者さんにとって臨床工学技士や看護師といった職域は関係ないですから。

大谷 患者さんと接するのが僕たちの喜びでもある。些細なことですが「ありがとう」と言われると救われますね。

門下 まだ新米で苦労も多いですが、病院の安全という最重要課題にとって臨床工学技士の存在はとても大きい。我々技士ができることはまだまだあると思います。

<教官からのメッセージ>

臨床工学らしいアイディアが評価された。
(臨床工学学科 福井昭二教官)

受賞まで期待していなかったので、「優秀賞」は望外の喜びです。シャント穿刺の練習キットという切り口に加え、臨床工学らしく電気的な知識も取り入れたアイディアが総合的に評価された結果だと思います。本学科ではこれまでも大阪府臨床工学技士会の最優秀賞をいただくなど、ハイレベルな卒業研究を展開してきました。今後も質の高い研究を目指し、さらなる努力を重ねます。