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コロナ禍の最中、独立開業を果たした鍼灸師。

東洋医学分野

大瀧 諒子さん
いつかまど鍼灸院 院長
鍼灸学科 2015年卒業

見えない不調を発掘して
あらゆる症状に対応できる
治療家を目指しています。

――なぜ販売員から鍼灸師の道へ?

量販品を売るよりも、自分だけのオリジナルな何かをつくりたい・売りたいと考えるようになりました。でも芸術作品はつくれないので技術を売るしかない。それなら、鍼灸の仕事が面白いかもしれないと思ったんです。

ちょうど女性特有の不調に悩んでた時期で、東洋医学への興味から鍼灸に可能性を感じていました。どんな症状でも何かしらのアプローチができて、美容やスポーツなど他の分野と組み合わせてもいい。どこかの治療院に勤めることも、独立してお店を持つこともできる。その可能性の大きさに魅力を感じました。

――コロナ禍に開業されました

勤めていた鍼灸院がコロナの影響で一時お店を閉めることになって、担当していた患者さんが来院できなくなりました。開業すれば自分の裁量でお店を開いて、患者さんをケアできる。施術にもようやく自信が持てるようになった。独立するなら今しかない!と物件を探しを始め、患者さんや鍼灸仲間の協力のおかげで開業することができました。

お店の治療方針は「寝れば治る身体へと導く」。つらい症状を改善させるのはもちろんのこと、再発しない身体へと導いていきます。不調の治療だけでなく、全身を見ながら自律神経を整え、自己回復力を高めていく。何かと負担の多い現代ですから日常的な疲れが出るのは仕方がないにしても、寝れば次の日は元気に活動できる。そんな身体へと整えていくことを大切にしています。

――患者さんからの評判はいかがですか?

おかげさまで口コミで新規の患者さんが増えています。「肩こりの治療で来たのに便秘まで治って嬉しい」など、本来の目的に加えて体質改善もできたことをよろこんでくださる患者さんも。ご本人としては「小さなころからそれが普通だったから」と気づきもしなかった不調を、問診や全身調整を重ねて「発掘」し、治すことも、鍼灸師である私の役目です。

「少し耳鳴りがするけど、音は聴こえる」「寝つきが悪いけど、眠れてはいる」そういった病院に行くほどではない、積極的に治そうと思っていない症状でも、改善したら生活の質が上がるような症状を発掘して治すことができる。それが未病を治す鍼灸の力だと信じています。

――首都医校の『卒後研修会』にも参加されています

ひとりで鍼灸院を営んでいると、自分の治療と自分の患者さんだけの世界になって視野が狭くなりがち。他の鍼灸師の方々と切磋琢磨できる環境がほしくて、お店の定休日を『卒後研修会』にあてています。課題も出るので大変ですが、学ぶことはやっぱり楽しい。臨床実習も在学中のそれとは格段にレベルが高く、毎回勉強になります。

まだまだ初めて診る症状があったり、同じ症状でも患者さんにより個人差があったりもしますから、学べる環境ですべてを吸収して経験値を上げていきたいです。そしてどんな症状でも対応できる治療家になりたい。鍼灸にはそれができます。そのために「この人なら相談してみよう」と患者さんに思ってもらえる信頼関係を築いていきたいです。

Profile

大瀧 諒子さん
いつかまど鍼灸院 院長
鍼灸学科 2015年卒業
一般企業の販売職を経て首都医校の鍼灸学科に入学。在学中は臨床実習や国試対策に励むかたわら、リラクゼーションサロンのアルバイトで整体も学ぶ。卒業後は都内と地元の鍼灸院で研鑽を積み、2021年3月に独立。完全個室のプライベート鍼灸院を営む。