他職種と連携する意識が、今も現場で生きている。
速水 悠貴さん
臨床工学技士
泰玄会病院 勤務
2021年卒業
――ずっと続く治療だから、安心できる環境づくりを。
臨床工学技師として、透析業務や、透析に使用する機械の定期点検等の業務に携わっています。もともと医療業界に興味があり、高校では理系を選択していたので、工学分野と医療分野が合わさったこの仕事を選びました。
透析は、腎臓機能の低下によって体内の毒素を排出できない方への治療方法です。透析をしないと体に毒素が溜まってしまうため、週3回ほど病院に通っていただかなくてはいけません。1回で4時間程度の時間がかかるので、患者さんにとっては生活の一部。太く長い針を使用する治療なので、痛みも伴います。なので、できるだけ日常の負担にならないよう、どんな工夫ができるかをいつも考えています。痛みを最小限にする技術はもちろんですが、いちばん大切にしているのはコミュニケーションです。会話を重ね、患者さんから信頼をしてもらい、安心して治療を続けてもらえるよう努力を続けています。
――他職種とのコミュニケーションが、迅速な対応につながる。
臨床工学技師は、透析室にいる看護師や医師、採血の受け渡しの際は臨床検査技師など、他職種との連携が求められます。特に患者さんの急な変化に瞬時に対応するためには、日頃からの看護師とのコミュニケーションが大切です。常に看護師と情報を共有し、万が一の際にすぐ連携して、その人に合わせた処置をしてもらう。その体制を作っておくことが「チーム医療」で大切なポイント。在学中に学んだ「チーム医療」の知識や意識は、実際の現場でとても役に立っています。
――実習には、できるだけ知識を詰め込んで。
学生時代に実習に行った時、緊張して覚えてたことを忘れてしまったり、状況がわからず動けなかったり、苦労をした記憶があります。これから実習を経験される方は、実習に向けてしっかり勉強してある程度の知識を持って現場に出てほしいなと思います。もちろん実際に現場に出ないとわからないこともありますが、知識があるのとないのでは理解力や対応力に差がでます。
また、実習用のノートをつくることもおすすめです。学校の先生からアドバイスをいただき、実際に私も友達とみんなで協力してつくりました。同じことが起きたらすぐに対応できるよう、その日あったことをメモして、次に備える。そういった地道な努力の積み重ねが、現場で活躍するための力につながっていくと思います。
Profile
臨床工学技士
泰玄会病院 勤務
2021年卒業