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「チーム医療」を学ぶことは、本当の意味で患者さんを支える近道。

リハビリ分野

加藤 大介さん
理学療法士
泰玄会病院 勤務
2017年卒業

――患者さんの生活から考えるリハビリプラン。

私は地域包括ケア病棟で、リハビリのチームリーダーを担当しています。一般の病棟で治療が終わった後、ご自宅で元気に過ごしてもらえるように手助けをする仕事です。仕事をする上で大切にしているのは、患者さんから「これまでの生活」の話を沢山聞くこと。今までどういう風に寝起きしていたか、家でどういう風に動いていたか、外にはどのぐらい出て、買い物までどれぐらいの距離があるかなどを、丁寧にヒアリングするようにしています。リハビリの目的は、自立した生活に戻ることです。その人がどういう生活をしていたのかを知り、その人の生活動線を想定したリハビリプランを立てなくては意味がありません。いつもひとり1人の患者さんと向き合い、本当にこれでいいのかと自問自答を繰り返しながら、仕事をしています。

――チーム医療で、退院後も切れ目のない支援を。

担当する患者さんの中には、想定よりも回復に時間がかかり、身体が十分に戻らないまま、ご自宅に戻られるケースがあります。こういった場合に必要なのは、自宅でもその人が必要とするケアを受けられるようにすることです。私たちでは退院後のサポートができないため、他職種との連携が欠かせません。退院時には、ソーシャルワーカーやケアマネージャーに、今の患者さんの生活状況やリハビリの情報を共有し、ご自宅でのサポートに繋げています。「チーム医療」によって、退院後も切れ目のない支援が可能になります。多学科編成のこの学校で「チーム医療」を学ぶことは、本当の意味で患者さんを支える近道だと思います。

――人とのつながりが、やりがいになる。

手術後のリハビリには痛みが伴うため、患者さんには大きな負担となります。しかし、筋肉を動かさないと固まってしまうため、こちらも心を鬼にして施術しなくてはいけません。そうしてリハビリを続けた結果、「やっててよかった」と笑顔で話してもらえる時が、やりがいを感じる瞬間です。中には、退院した後に声を掛けにきてくれたり、差し入れをしてくださる方もいらっしゃり、この仕事をしていてよかったなと思えます。医療職はやはり、コミュニケーションが大事な職業です。患者さんとのやりとりでも、チーム医療を実践するにしても、コミュニケーションが欠かせません。いま学生の方には、しっかり挨拶をしたり、目を見て話すなど基本的なことでいいので、人とつながる力を学生のうちに身につけられるよう努力してほしいなと思います。

Profile

加藤 大介さん

理学療法士
泰玄会病院 勤務
2017年卒業