病棟で患者の回復を支援。スタッフのまとめ役となるリーダー業務も始まっている。
田島 良磨さん
藤田医科大学病院 勤務
看護師
高度看護学科 2020年卒業
高度医療の一端を担う大学病院の男性看護師
――勤務病棟と主な仕事内容を教えてください。
藤田医科大学病院職に入職以来、心臓血管外科病棟に勤務しており、周術期の患者さんを看させてもらっています。術前の患者さんに対しては、必要な検査などを行い手術の準備を進めます。術後は創部をしっかり観察することに努め、日々変化する手術痕の状態を確認し、色調の悪化や感染などがあればすぐに報告します。術後には痛みが出ることがあるのですが、寝てばかりだとADL(日常生活動作)が落ちると同時に、創部の治りも悪くなります。痛みに気を配りながらも、退院後の生活を想定してADLの向上を支援するのも大事な仕事です。その際は、理学療法士や作業療法士とチームで取り組みます。
――大学病院という環境での勤務はいかがですか。
看護師として循環器系の勉強をしたいと考え、この病院と部署に希望して入りました。就職活動では自己分析や面接対策など、母校の先生に多くのサポートをしていただきました。勤務して感じるのは、やはり症例の多さは大学病院ならでは。最新の医療機器の管理についても学べるなど、自分の成長につながる環境で働けていると思っています。
――男性看護師だから果たせている役割はありますか。
とくに男性患者さんの中には、男性看護師のほうが話を理解してもらいやすいと考える方がおられます。そこで大切にしているのは、いつも病棟にいる看護師として、医師に言えなかったことでも発信してもらえる関係づくりです。信頼関係ができれば、人院前の生活の状況などきめ細かな情報収集もでき、それを退院支援に活かせます。あとは状態が悪い患者さんの介助など、力仕事のときに男手は重宝されます。
――母校で学んだことは、どう役立っていますか。
この仕事は常に多職種のチームで進みます。母校はチーム医療教育に力を人れていて、その学習経験を持って入職できたことで、実際のチーム運営においても連携のイメージがしやすかったと感じています。リハビリ系学科の学生と話す機会もあり、ADLの向上支援について少し知識があったことも仕事に役立っています。
――今後のキャリアについてプランはありますか。
母校を選んだ理由の一っは「高度専門士」の称号を得られることでした。それを活かし、長期的には大学院進学と、診療看護師もしくは専門看護師の取得を目指していくイメージは持っています。しかし、今はまだ病棟業務を学んでいる段階です。スタッフをまとめる病棟のリーダー業務という新しい仕事も始まっており、勉強すべきことがまだ数多くあります。病棟での様々な仕事を的確にこなせるようになったとき、ステージアップの方向性がより見えてくるのだと思います。
Profile
藤田医科大学病院勤務
看護師
高度看護学科 2020年卒業
小学生のとき怪我で入院。その際、男性看護師から手厚いケアを受け、看證師に憧れる。進路決定のとき、高校の先生の勧めで1日看護師体験に参加し、少年時代の思いが再燃。4年間しっかり学べる母校を選んだ。