看護師として命をつなぐICUへ 医校・医専で学んだのは、患者さんが闘病意欲を持てるよう手助けをすること
窪寺 夏菜さん
関東中央病院 勤務
看護師
実践看護学科Ⅰ 2021年卒業
――お仕事の中身を教えてください。
もともと緩和ケアや終末期看護に興味がありました。そこで、その人らしい終わりを迎えられるように手助けをする終末期看護に携わる前に、人の命をつなぐことへ焦点を当てた救急の勉強がしたいと思いICUを選びました。現在は二次救急を担っている総合病院のICUで働いています。主に手術後の超急性期の患者さんや、緊急入院で重症度が高く細かな管理や観察が必要な患者さんの看護をしています。患者さんが元気になっていく姿を見た時や、患者さんに感謝された時、喜んでいる姿を見た時は、やりがいを感じますね。
――お仕事で心がけていることは何ですか。
患者さんと関わる際に大切にしているのは、患者さんである前に一人の人間であることを忘れない、ということです。疾患に関する観察はもちろん大切ですが、安静度の中でいかに患者さんが自分らしく過ごすことができるかを考えています。入院前の生活リズムや趣味などを情報収集し、少しでも安楽な療養環境となるよう心がけていきたいと思っています。
また、私自身の課題は、病態を解剖生理レベルまで掘り下げて理解できるようになることです。なぜその症状が現れるのか、その観察が必要なのか、理由を理解するとともにその機序を学ぶことに力を注いでいます。例えば、コロナ患者を受け持つ際は陰圧室への入室をできるだけ少なくし、感染リスクを下げる必要があります。そのため、部屋に入った際に漏れなく必要な観察をするためには、病態をしっかり理解しておくことが大切だと感じました。
――コロナ禍でどんな経験をしましたか。
コロナ陽性の患者さんを受け持ちました。陰圧室へ入る前にフルPPE(防護服)をし、入る回数を少なくできるよう事前に業務を整理する等の工夫を行いました。1年目ではなかなかする機会のないフルPPEだと思いますが、コロナ患者さんを複数回受け持つ中で他人に感染させない、自分を守るためのフルPPEを習得できたことは良かったと感じています。
――学生時代に学んで役立っていることは。
学生時代に学び役立っていることは、患者さん自身が闘病意欲を持てるよう手助けをするという姿勢です。リハビリの支障になっているのは疼痛なのか、それとも目標が明確でないからやる気が出ないのかなど理由は十人十色ですが、その理由を関りの中で見つけ出し、患者さんが前向きになれるよう支援していくことが大切だと母校の実習を通して学びました。
また、幅広い年代の人々と関わり、多くの看護観に触れることができる点でも医校・医専を選んで良かったです。
――「チーム医療」はどう活かされていますか。
報告・連絡・相談という基本的なことが改めて大切だと感じています。統合実習で行ったチーム医療の演習のように、自分が行ったこと、これから行うこと、行き先などを共有しておくことで、現場でも業務が円滑になると感じています。特に必要性を感じるのは患者さんに異変があった時です。医師へ報告すべきか自分では判断が難しい時などに他のスタッフと情報共有をすることで、自分一人では導くことのできない答を出すことができます。
――これからの目標を教えてください。
勉強することも多く緊張感のある急性期医療の現場ですが、患者さんが回復していく過程を側で見守り、手助けができる急性期看護への興味が日に日に高まっていると感じます。自分がもともと考えていた終末期看護を行いたいのか、ステップアップして三次救急に挑戦したいのか、二次救急を学ぶ中で考えていきたいと思っています。
Profile
関東中央病院 勤務
看護師
実践看護学科Ⅰ 2021年卒業
卒業後、練馬光が丘病院に入職し、現在の関東中央病院 ICU(集中治療室)に勤務する。