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30歳から看護師へ
周囲や環境に支えられ今がある

看護分野

看護師 立川相互病院勤務 堤 友佳子

――どんな学生生活でしたか?

私は入学時、すでに結婚しており、卒業時には30歳でした。その状況で入学を許してくれた主人や家族には本当に感謝しています。また、学生時代は勉強がハードで、挫折感を味わうことも少なくなかったのですが、そこで大きな支えになってくれたのが学校の仲間。クラスの年齢層は、10代から上は40代までと幅広く、私はちょうどその平均の世代でした。上のお兄さん、お姉さんには甘えられたし、引っ張っていくべき若い人たちの存在も、自分を適度に緊張させる意味で良い支えになりました。この環境に支えられて、看護師になることができました。

――学校の先生との関係はいかがでしたか?

3年生のとき本当に心が折れていた時期があったんです。表には出していないつもりでしたが、ある先生が「大丈夫?堤さんらしくないよ」と声を掛けてくださったのです。そんなに接点のなかった先生ですよ。看護師の観察力にただ脱帽しました。結局その言葉で涙をこらえきれず、思い切り泣いたことで立ち直れました。

――勤務はER(救急救命室)病棟ですが、希望しての入職でしたか?

強い希望でER病棟に入りました。若手でもベテランでも、受け持った仕事の責任は同じ。学ばなければならないし、勉強になる職場は間違いなくER病棟だと思ったのです。また、この病院には4年間の研修制度があり、入職後4年間は勤務と並行して知識・技術を学ぶプログラムを履修します。この病院を選んだのは、このように看護師教育に力を入れているからです。

――ER病棟には緊急性の高い患者さんが来られるなど、大変な面もありますね?

命の際で入って来られる患者さんもかなりいますし、症例のバリエーションも豊富で大変ですが、それが勉強になると思って選んだ部署です。看護師になって良かったと感じたのは、返事もできない重篤な状況で「今夜あたり……」と覚悟していた患者さんが持ち直して、その後見違えるように元気になった姿を見たときです。医療の仕事って本当にすごいんだと改めて実感しました!

――患者さんから感謝されたこともあったのではないですか?

「ありがとう」という患者さんの言葉をやりがいにする看護師は多いと思います。でも、今の私にはまだまだもったいないと思っています。早く先輩方と同じ気持ちで、患者さんの「ありがとう」を受け止められるようになりたいですね。

※卒業生会報誌「i(アイ)」18号(2015年11月発刊)掲載記事