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コロナ禍で地域密着という経営方針の正しさを確認できた

東洋医学分野
黒田 義晃
柔道整復師
恩多町の整骨院 経営
2017年卒業

ー卒業して何年後に開業されましたか。

卒業後2年間の勤務を経て独立し、現在開業2年目です(収録時)。入学前から開業を目指しており、在学中もそれを前提とした学びを行っていました。早い独立に周りからは心配の声もありましたが、今振り返ればもっと早くても良かったと思っています。

場所は東京都東村山市です。愛着ある東村山市に恩返しがしたいという思いがあり、地に足をつけて地域密着で経営するという覚悟で開業しました。

ーどのような特色を持つ整骨院でしょうか。

患者さんと一対一でコミュニケーションを図る施術スタイルです。まず患者さんに現状を知っていただくことから始めます。腰痛なら腰痛の原因を把握してもらったうえで、痛みから遠ざかるとともに痛みに戻りにくい体に向かうプロセスを共有します。「先生の言う通りにしていたら何となく良くなった」ということは避けたいのです。

施術では、開始前にどの動作で痛みが出るのかを確認し、術後に同じ動作をして痛みと動きの変化を実感していただきます。そのため院内に動作確認ができるよう大きな鏡を設置しています(写真)。「あっ、痛くなくなったね」という患者さんの声をキャッチする瞬間はとても楽しいですね。そういう患者さんの実感が一番のやりがいです。

セルフケアの方法もお伝えして、自宅で実践していただきます。そうすることで患者さんの卒業が早くなる。通常より癒えるのが早くなると収益は減少しますが、逆にクチコミは広がります。地域密着店として、クチコミは何より大事です

ーコロナ禍で経営は大変だったのではないですか。

業界全体が大きなダメージを受けましたし、当院にも当然影響が出ました。遠方から通う患者さんは電車やバスに乗りたくないので来ない。学校の部活動も止まっているのでケガをする人も少なくなる。マイナス要因だらけです。それでも、当院の売上げは同業の中では、それほど落ち込みませんでした。地域との信頼関係を築いてきたからです。むしろ患者さんのほうが心配してくださっていましたから(笑)。図らずも今回のコロナ騒動で、地域密着という経営スタイルが間違っていなかったことが確認できたと感じています。

SNSを通じて人の輪が広がる時代です。しかし困ったとき、本当に助けてくれるのは隣人なのです。

ー今後の目標を教えてください。

これは夢のレベルだと思いますが、東村山市には13町あり、そのすべてに出店することです。私は10年来、地元の公園ボランティアに取り組んでおり、他に商工会青年部で活動したり、防災団体を立ち上げたりして、地域とともに歩んでいます。

だから、やりたいことは決して整骨院経営だけではありません。関心があるのは、黒田義晃という一個人が街をどう楽しむかということです。今後も運、縁、タイミングの合ったことをやり続けていきます。そこで目を向ける場所は、東京でも日本でもなく、ここ東村山市です。