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印象に残る学生時代の「チーム医療症例演習」

リハビリ分野
清水 雄斗さん
理学療法士
聖隷浜松病院 勤務
2017年卒業

スポーツ選手の競技復帰を支える仕事

当院では中枢、整形、内科分野の理学療法を行っており、現在はそのうちの整形を担当しています。おもにスポーツ整形を担っており、スポーツ外傷などの患者さんが競技復帰できるようにリハビリにあたっています。やりがいは、リハビリの内容が競技に反映されることです。私は常々、患者さんが故障前よりもレベルアップした状態で現場に出られるようにしたいと考えています。そのため監督やコーチの考えとリハビリの方向性が異ならないように、患者さんを通じてこちらの方針を伝えてもらい、その都度アンサーをいただく進め方をしています。復帰後、指導者や患者さんから「(故障)前よりも動きがよくなった」という声をいただくのは何より嬉しいことです。

チームでなければ治療はできない

リハビリの現場で、今どのように「チーム医療」が展開されているのか。たとえば、自宅復帰を目標にしている患者さんがいます。そのためにはリハビリに加えて、病棟内の生活においてもより歩くことを取り入れてほしいと我々理学療法士が考えたとします。病棟内の生活は看護師が管理しますので、それについて看護師との打ち合わせが必要になります。その際、医師が指示する安静度という指標があり、その範囲内で可能な動作を検討するためには医師の意見も聞かなければなりません。カンファレンスでは看護師から病棟での様子について報告を受けたり、理学療法士がリハビリの進捗状況を述べたりして患者さんの情報を共有。「それなら予定通り3週間で自宅に戻れる」といった見通しにつなげていきます。

1人の患者さんを複数のリハビリ職で治療するケースもあります。中枢神経の疾患では、作業療法士が高次脳機能などをみて、理学療法士が歩行などの粗大動作(そだいどうさ)をみるという連携を行います。患者さんの目標が職場復帰であれば、通勤手段はどうなるのか、職種は何でそのための動作は可能か、仕事をこなす体力が戻るかなど、綿密な打ち合わせを両者で実施します。このように今、臨床現場では「チーム医療」が前提になっています。チームでなければ患者さんを治療することはできないのです。

「災害医療」を題材に「チーム医療」を実践

「チーム医療」に力を注いでいた母校では、「チーム医療症例演習」というアクティブラーニングがありました。私の年次はリハビリ・看護・臨床・東洋医療の分野の学生がチームになって「災害医療」の課題に取り組みました。同じ症例を扱う場合でも職種によってものの見方が異なり、意見調整が難しかったのを覚えています。また、自分の考えを話すときに専門用語だけでは理解してもらえませんので、噛み砕いて説明することが必要でした。このことは今、患者とのコミュニケーションに大変役立っています。

申し上げたように今「チーム医療」は現場で必須です。関連職種の内容を知っておかないと、この人は何をみてくれるのか、何を依頼できるのかということがわかりません。母校はそれを学ぶ機会を提供してくれました。

※2021年度 名古屋医専 学校案内書 掲載記事