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チームの架け橋としての看護師であり続けたい。

看護分野
下村 愛季さん
看護師
横浜旭中央総合病院 勤務
2016年卒業

医師、リハビリ職、介護職とも情報共有

私が勤務する消化器内科病棟には、消化器疾患だけではなく呼吸器疾患など、様々な病気を抱えた方がお見えになります。急性期なので危機的な状況の方も含め病状は多様で、そのぶん幅広い疾患への対応力を磨ける職場です。

看護師にとって絶対に欠かせないことの1つが関連職種との情報共有です。そのために定期的なカンファレンスに加え、頻繁に関連職種とコミュニケーションを図ります。患者さんの情報を医師に的確に伝えるのはもちろん、患者さんご本人と家族の意思を確認し、関連職種との情報交換を進めながら退院支援の方針を立てていきます。さらに退院後の生活を考えたとき、ケアマネジャーらの力を借りる必要も出てきます。

患者さんの道筋をつくる「架け橋」に

このように1人の患者さんをめぐって、常に情報共有を主体的に働きかける事が看護師の役割です。患者さんに最も近い立場の看護師は、「チーム医療」の中心であるといわれますが、私はむしろ「架け橋」という捉え方をしています。それは院内だけではなく、患者さんのご家族に対しても同じ。自宅復帰を強く望まれている患者さんがいるとします。それでも、ADL(生活動作)の状況やご家族構成などを踏まえてそれが困難だと判断した場合、自宅復帰で凝り固まっておられるなか、施設への入所を勧めてみることも「架け橋」です。もちろん、患者さんの意思を尊重するために最大限の支援をするのは当然です。自宅復帰が難しそうだった患者さんを受け持ったとき、どうしても再び家で暮らしたいと希望されたので、ご家族に対しておむつ交換や日常のケアなどを早期から指導するとともにパンフレットも作成して、不安軽減に努めた事例もあります。その方は結局、無事に自宅へお戻りになりました。

「チーム医療」は看護師に判断材料をもたらす

「チーム医療」の大切さに気づかされたのは在学中でした。もともと救急の分野にも興味があり、多学科構成の学校で学びたかったのが母校を選んだ理由の1つです。多学科の学校だけあって、どのような状況でどのような職種と関わっていくのかということを知ることができ、病院実習のときもそれを意識して動いたのを覚えています。

看護師を目指す方へメッセージがあるとすれば、入職後、退院まで見据えた看護を習慣にしてほしいということです。新人のときは今しか見えないときが多々ありますが、目先の疾患だけではなく、患者さんが退院するまでの見通しを持って仕事に取り組んでください。それは関連職種の意見を聞くことなしにはできません。看護師の判断材料も「チーム医療」のなかにあります。

※2021年度 首都医校 学校案内書 掲載記事