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学生時代の演習は、臨床現場でも求められていることだった

救急・臨床工学分野
原田 賢汰さん
臨床工学技士
聖隷浜松病院 勤務
2019年卒業

1人でも多くの赤ちゃんを助けるために

眼科の手術室およびNICU(新生児特定集中治療室)の臨床工学技士を務めています。眼科では白内障手術や硝子体手術などの際、医療機器の安全点検、セッティング、手術のサポートといった業務にあたり、NICUでも人工呼吸器などの機器を扱います。新生児の場合、成人と違ってほんの少しの変化で体調が悪化することがあります。日々命の重みを感じながら、1人でも多くの赤ちゃんを助けたいという想いで機器の操作・設定を行っています。NICUは学生時代から勤めたいと思っていた部署です。1つの希望がかないましたので、今後は臨床工学技士の認定資格の取得を目指してキャリアを積んできたいと考えています。

医師、看護師、ワーカーたちとのチームで動く

医師から指示を受けたり、看護師と患者さんの情報を共有したり、普段の業務は「チーム医療」で進められます。まだ新人ではありますが、医師は医療機器に関することは私に確認をとってくれますので、それに応えられるよう、常にしっかりとした説明ができるよう心がけています。キャリアの浅い私は、チーム内での話がすぐに理解できないこともあります。そんなときは必ず腑に落ちるまで確認します。患者さんの命に関わる仕事。曖昧な理解で仕事をすることは絶対に避けなければいけません。

頻繁にコミュニケーションを図るのは医師、看護師ですが、全体カンファレンスにはリハビリ職やソーシャルワーカーも加わります。たとえば、患者さんが人工呼吸器を装着したまま在宅に移るときには、臨床工学技士とソーシャルワーカーが打ち合わせを行う必要があるからです。このように医療現場では常日頃、職種間のコミュニケーションが行われています。

他学科とともに学んだ学生時代の演習

コミュニケーションの大切さを学んだのは母校。臨床、看護、東洋医療の分野の学生チームで取り組んだ「チーム医療症例演習」では1つのテーマを共有しながら、それぞれの職種がどう連携して自分の役割を果たすのかについて学びました。関連職種の内容を知ったと同時に、他者の目を通じて自分の職種についての認識を深める機会にもなりました。この演習で身についた視点は、話し合いながらチームでものごとを進める大切さ。それは、臨床現場で求められていることと同じなのです。

このような演習は医療系学科を網羅する母校だからできたことでしょう。将来医療職を目指す人は、他学科の情報も得られる機会を持ってほしいと思います。それには他学科に友達をつくるのもよい方法です。母校には「チーム医療症例演習」以外に「レ・クリエイション」という学校行事もあり、他学科と接点を持つきっかけも用意されています。

※2021年度 名古屋医専 学校案内書 掲載記事