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リハビリテーション専門職(3職種)が一体となって1人の患者さんを治療する

リハビリ分野
黒田 健太さん
作業療法士
愛仁会リハビリテーション病院 勤務
2012年度卒

「チーム医療」は必要から必須へ

今「チーム医療」は、必要ではなく必須というのが臨床現場の現状です。私が勤務する病棟でのカンファレンスは、医師、看護師、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、社会福祉相談員、管理栄養士といったメンバーで構成されています。管理栄養士が加わるのは、運動の負荷が上がるときに摂取カロリーを増やしてもらうなど、最近注目されているリハビリ栄養を進めるためです。このなかで誰が欠けても「チーム医療」は成り立ちません。

カンファレンスを通じて、ひとり一人の患者さんの目標とスケジュールを共有し、各職種がどの時期までに何をするかという足並みを揃えます。作業療法は患者さんとマンツーマンで行いますが、時間的には1時間程度。作業療法士が接する時間には限りがありますので、看護師からの報告は貴重な患者さん情報となります。同時に患者さんの治りを早くするために、我々からも看護師に対して病棟での自主練習を依頼するなど、相互の協力体制を築いています。すべては患者さんのためです。

リハビリテーション専門職(3職種)は常に恊働関係にある

作業療法士、理学療法士、言語聴覚士のリハビリテーション専門職は常に協働関係にあり、1人の患者さんの各療法に際して、作業療法士だけで完結することはありません。たとえば、運動器障害の患者さんは理学療法士とともに、脳血管障害の患者さんは言語聴覚士とともに治療にあたります。

3職種は同じリハビリテーションセンターにいますので、お互いの訓練のようすが見えやすい環境にあります。たとえば理学療法士による歩行訓練のようすを観察し、これまで車椅子を使っていた患者さんについて「歩行介助に切り替えましょうか」といった打ち合わせも日常的に行っています。

学生時代にコミュニケーションに対する抵抗感をなくしておく

母校では、看護学科、理学療法学科、視能訓練学科、救急救命学科などの他学科と一緒に学ぶ演習がありました。関連職種の考えに触れるとともに、積極的にコミュニケーションを図っていく大切さを学びました。

今私は副主任という管理職の立場にもあるのですが、最近の新人のなかには年上の関連職種と話すことに遠慮を感じる人もいるようです。これから医療職を目指す人には、関連職種と心を開いて話し合えるように、コミュニケーションに対する抵抗をなくしておくようにしていただきたいと思います。そのためにも、母校のような多学科が触れ合える環境で学ぶことは非常に有効です。そのうえで関連職種の疾患に対するアプローチや考え方を知っておくと、医療人としての引き出しにもなります。

今後医療現場では、入院期間が短縮されていくことが想定されます。患者さんの早期回復を支えるためにも「チーム医療」の重要性はいっそう高まっていくことでしょう。

※2021年度 大阪医専 学校案内書 掲載記事