外国人の私でも医療人になれ、希望通りの就職もできた!
- 姜 月順(ジャン ウェシュン)さん
- 作業療法士
- 相澤病院 勤務
- 作業療法学科 2018年度卒
日本のリハビリ技術を母国に伝える夢を持つ
――作業療法士になった経緯をお聞かせください。
私は中国出身で、日本で結婚後しばらく専業主婦をしていました。いずれは医療に従事したいと考えていたところ作業療法士の存在を知り、体験入学に参加しました。作業療法士という職業の魅力を一層理解できたと同時に、外国人で決して若くないことに不安もあった私に先生が「大丈夫」と背中を押してくださいました。
――学生時代の学びを振り返ってください。
家族には「必ず4年間で卒業する」と宣言していましたが、一抹の不安はありました。それでも入学してすぐ、それは安心に変わりました。先生方は質問にも非常に親身になって対応してくださり、1年から勉強に打ち込むことができました。
先生から「作業療法士は病気だけではなく、患者さんの生活全般をみなければならない」と言われていましたので、専門に閉じこもらず視野を広く持つことを心がけていました。そこで積極的に活用したのが「専科」です。福祉住環境コーディネーター科、認知症ケア科、サービス接遇検定科、音楽療法科、セラピーメイク科、食育健康科などを幅広く受講し、様々な知識をつないでいきました。
――専科で得た知識は現場でも役立つことが多いのでは?
福祉住環境コーディネーターなら段差解消や手すりの設置など、生活環境の改善を助言できますし、食育健康なら患者さんへの栄養指導、管理栄養士とのコミュニケーションに役立ちます。作業療法士は患者さんの精神、心理も考えたアプローチが必要な職種ですから、音楽療法やセラピーメイクも有効な引き出しになります。
――相澤病院には強い希望で就職されたとうかがっています。
私自身の夢とも関係することなのですが、相澤病院では中国に事業所を開設し、中国国内の病院や医療従事者に対して効果的にリハビリを提供するための仕組みや人材育成を行っています。在学中にこのことを知り、相澤病院に就職して、その事業に携わることを熱望するようになりました。中国では今後、少子高齢化が進展し、リハビリのニーズが急増することは確実です。その一助になりたいと思っています。
――在学中から次の夢をイメージしていたのですね。
作業療法士になるだけではなく、母国のリハビリ技術の発展にも貢献できる道が見つかったのです。何年先になるかわかりませんが、中国に出向して、日本式(相澤式)のリハビリ技術とチーム医療の考えを広める仕事をしたいと思っています。そのためにも、早く一人前の作業療法士にならなければいけません。
※卒業生会報誌「i(アイ)」21号(2019年11月発刊)掲載記事