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医療現場では常に新しい知識・技術を取り入れる探求力が不可欠です

救急・臨床工学分野

近畿大学医学部附属病院勤務
植田 隆介
臨床工学学科 2006年卒
臨床工学技士

探求力という言葉に込めた意図は何ですか?

常に新しい知識・技術をどん欲に取り入れる姿勢は、臨床工学技士にとって不可欠です。この仕事に就いて約10年になりますが、その間ずっと医療の世界が日進月歩であることを実感してきました。日々勉強して新しいことを吸収していかなければ、我々の使命である安全な医療は実現できません。探求力を持つことは、臨床工学技士の使命といっていいでしょう。また、私自身、臨床とともに研究発表や学会での仕事も大切にしています。研究活動においても、探究力は欠かせないものです。

大学病院の一員として最先端医療にも携わっていますね?

近畿大学医学部附属病院は、南大阪地域の病院で唯一、植え込み型人工心臓の施設認定を取得しています。この認定を得たことで、心臓移植でしか助からない患者さんを移植手術までつなぐ重症心不全医療を担う病院の一つとなりました。今年その一例目の手術を実施し、患者さんは今、無事退院しています。私はこの手術のコアメンバーとして関わらせていただき、非常に勉強になり、最先端医療の一端を担っているという実感を持った仕事でした。

大阪医専とは今でもつながりはありますか?

私は学科の2期生で間もなく卒業後10年が経過しますが、同じ学会で仕事をさせてもらうなど、先生とのつながりはずっと続いています。当時まだ学校としては若かったですけど、先生の熱心さは特に際立っていましたね。また、私の先輩や同期のなかで、教官として大阪医専に戻っている人もいて、その教え子がここへ入職しているケースもあるのです。かつて一緒に勉強した人たちの教え子を、職場の後輩として私が指導していく。とても幸せなつながりですね。探究力をキーワードにあげましたが、後輩にも探究力を失わせないように、モチベーションを維持して勉強できる環境をつくってあげたいと思っています。

臨床工学技士にとって大切なことは何ですか?

臨床工学技士は医療機器を操作しますが、その相手は機械の先にある患者さんです。ですから、私も手術後はベッドサイドに出向いて患者さんの状態を確認することを続けています。人間相手の仕事であるという本質を見失ってはいけない。これは大阪医専の先生も強調されていたことです。

植田 隆介(臨床工学技士)

臨床工学学科2006年卒業。入学前は技術系の仕事に就いていたが、もともと医療にも興味があり、臨床工学技士ならエンジニアの経験を生かして医療の仕事にステップアップできると考え大阪医専へ。入学当時から最先端医療を担うというイメージを持っていた仕事だが、大学病院の現場で働く今、その実感がますます強くなっている。

※卒業生会報誌「i(アイ)」18号(2015年11月発刊)掲載記事