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一度はあきらめた福祉の道。働きながら実現できた。

福祉分野

神戸大学医学部附属病院
精神保健福祉士 干飯 雅昭(2005年卒)

本学を卒業し、神戸大学医学部附属病院で精神保健福祉士として勤務する干飯雅昭さんにお仕事についてお伺いしました。

—精神保健福祉士を目指したきっかけは?
 会社員として働いていましたが、福祉への道をあきらめきれなかったんです。

認知症の身内がおり、家族の関わりを見るうちに仕事として福祉の道に進みたいと思うようになりました。しかし、大学卒業後に就職したのは一般企業。数年間会社員を続ける中、やはり福祉の道があきらめきれず…。調べるうちに、心に携わる福祉の仕事があることを知って、一念発起しその道を目指そうと思いました。それが精神保健福祉士という仕事との出会いですね。

—大阪医専で印象に残っていることは?
 短期間で、働きながら夢を叶えられたのは大阪医専のおかげです。

昼間に働きながら夜間部に通学していました。昼の仕事も、精神保健福祉士に関する職場を選びました。実を言うと、本当にこの仕事が自分に務まるのか不安だったんです。それを見極めたくて、実際の現場で働くことにしました。しかし、そんな不安はすぐに消え、精神保健福祉士になろうという想いはかえって強まっていきました。
 とはいえ、働きながら学校にも通いつつ夢を叶えるのは簡単なことではありません。キャリアチェンジを果たせたのは、先生方の丁寧なサポートや支えてくれた仲間のおかげだと思います。また、こうした仲間に出会えたという点でも素晴らしい環境でした。

—仕事において、特に気をつけていることは?
 一人ひとりに合わせて、寄り添い方を変えるようにしています。

心に傷を負うと、感情を失ってしまうことがあります。心を開いてもらうには、まず私に対して安心感を持ってもらうことが大切。その際、意識をしているのは“相手によって寄り添い方を変えること”です。一人ひとり状況が違う中で、同じ方法論なんて通じない。だからこそ、どう寄り添えば安心してもらえるかを常に考え、じっくりと丁寧に信頼関係を構築していくことが大切だと思っています。そして、その積み重ねの先には、患者さんの心からの笑顔が待っています。笑顔を見られた時は最高に嬉しいですよ。この仕事をしていて本当に良かったと思える瞬間です。