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女性消防官が働きやすい環境をつくりたい。

救急・臨床工学分野

鳥取県西部広域行政管理組合消防局
救急救命士 福田 智子(2012年卒)

救急救命学科を卒業し、鳥取県西部広域行政管理組合の女性消防官第1号として活躍する福田智子さん。これからの目標と、女性だからできる強みについてお話を伺いました。

—救急救命士を志したきっかけはなんですか?
目の前で上司が突然倒れた時、救急救命の意義深さに触れたんです。

私は以前、一般企業で働いていました。転機となったのは、当時の上司が私の目の前で突然倒れたこと。救急隊が駆けつけて、苦しんでいる上司の処置を行う姿を目の当たりにし、救急救命の意義深さに触れたのがきっかけでした。その後、「人の命を救いたい」という一心で救急救命士になることを決意し、大阪医専に入学。卒業と同時に国家資格に合格して、鳥取県西部広域行政管理組合消防局に採用され、今は米子消防署に消防官として勤務しています。

—消防官の活動とは?
救急救命だけでなく幅広い業務があり、常に学ぶことが大事な仕事。

私の職場では、日によって消防隊・救助隊・救急隊と割り当てが変わります。火災、救助、救急に関する幅広い知識や技術が必要となり、日々の自己研さんは欠かせません。また、記録の作成、企業や学校、自治会でのAED使用方法や心肺蘇生法の指導など、消防官の仕事は非常に多岐にわたります。

—女性として意識していることは?
この業界は男性社会ですから、女性や子どもの対象者へのケアは女性消防官の強みに。

やはり、体力という点では男性には及びません。だからといって、女性は救急救命士に向いていないのかといえば、そうではないと思っています。女性だからこそ、この仕事に活かせる強みがある。例えば、婦人科疾患や子供への対応は女性ならではの強みだと思います。実際に、現場では女性の消防官を希望されることもありますし、女性消防官だからこそできることを意識しながら従事しています。

—今後の目標は?
これから入ってくる女性が働きやすい環境を、私がつくっていきたい。

今はまだ、女性消防官は全国で3%もいません(2017年時点)。しかし、総務省消防庁が女性消防吏員(消防官)の比率を2026年に5%に引き上げるという目標を発表し、女性を増やす動きが生まれ始めています。この動きを活性化させていけるよう、これから後輩となる女性消防官が働きやすい職場環境を作っていきたいと考えています。